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妻にもポッキー、妻にのんびり【夫婦のこと】

食後にソファーでのんびりしていた妻が、急に言葉を発する。
「あっ、今日はポッキー食べよ!」

2日前の食後に「ポッキー食べる?」と尋ねたら、気持ちは食べたいがお腹が一杯なので食べないと言った妻。それを踏まえての「今日」なのである。

「一緒に食べる?」
「今、焼酎吞んでるからどうしようかな?ウイスキーなら合うんだけど。
ちょっと後で考える。」

たまたま焼酎を吞んでいた私は一旦保留した。吞み終えたらウイスキーに切替えて食べようかと。焼酎をちびちび呑みながら乾いた洗濯物を畳むというチグハグな作業で15分が過ぎ、吞み終えて畳み終えて、ウイスキーを注ぐ。
ようやくポッキーと袋を見たら、空でした。

「ポッキー、無いじゃん!」
「えっ、焼酎呑んでるんじゃないの?合わないんでしょ?」
「今からウイスキー呑む。ウイスキーなら合う。後でって言ったよ、ちょっと声が小さかったかも知れないけど…」
「えーーーゴメン、でも、ゆっくり食べてたんだよ。ホント、今日は凄いゆっくり食べてたんだから。」

出ました、妻のズレた言い分。ゆっくりだろうが食べ続ければ無くなる。
残して欲しかったと私は訴えている。2本でも3本でも、残ってさえいれば他は超速で食べて頂いてかまわない。
あと、もう1点気になる。
今日に限ってゆっくり食べたということは、私が保留していることは知っていたのね。微妙な言い方をしたし声も小さかったので伝わってない可能性だって考えた。私の落ち度もあると思ってた。でも、ちゃんと伝わっていた。ならば聞いて欲しかった。「全部、食べちゃっていいの?」と。
でも知っている。妻のポッキーは止まらない。右向いて左向いたら大体無くなっている。今日、本当にゆっくりだったかもよく判らない。洗濯物を見ていて、ポッキーは見てなかったもの。右向いて左向いて右向いたら無くなっていたのではないだろうか…

2日前、妻が食べないと言ったから残しておいたポッキーが消えて無くなる。妻にも食べて欲しいと思って食べずに置いておいたポッキー。
「妻に」じゃない! 「妻にも」だ! 私だって食べたかったのである。
でも、仕方ない。妻の特性を忘れていた私の落ち度だ…

他に甘いものはないかと右のお菓子カゴ漁って、無いと諦めて左に向き直したら妻が寝ている。私の作ったご飯を食べて、私の分のポッキーも食べて、幸せそうな顔で寝落ちしている。その寝顔には勝てない…
在宅の私は、平日の夜は、妻にのんびりして欲しいと思っている
だから、仕方ない。寝落ちも特性なのでしばらく寝かせておこう。ウイスキーをちびちび呑みながら、脱水した洗濯物を抱えてラックに干していく。

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