未来の不安を忘れたい【日々のこと】

ここ２、３年で、急激に物忘れが酷くなった。
右向いて左向いたら、忘れてる状態です。

トイレでふと思って、出てすぐ調べようと扉を開けたら、
玄関に目が行って、台風で非難したベランダのホウキを思い出したので、
元に戻したら、もう忘れてる。
”何、調べるんだっけ？”

しばらく考えても出てこない。
こういう時は順を追って考え直そうと思い返すと、まずズッキーニ。
ズッキーニの料理を考えていたので、じゃあレシピ検索？　違う気がする…
ズッキーニは初めて使うので、合う食材？　それも違う気が…
そもそも料理系の考え事じゃなかった気がする。
気がするけどヒントはズッキーニしかないので、冷蔵庫を開けてみる。
椎茸が目に入り、早く使わないといけないことを思い出す。
この「思い出す」は、今回思い出したいそれではなく、早く使おうと思っていたことを、偶然、思い出しただけです。

偶然とはいえ、せっかく思い出した椎茸。
まずは椎茸問題から片付けようと今晩用の椎茸レシピを検索してたら、
ふいに思い出した。
”図書館で借りてる本の返却日を調べるんだった”

ホウキで忘れてズッキーニと椎茸経由で思い出したが、全部関係ない。
もはや、忘れるきっかけも、思い出すきっかけも無茶苦茶。
ただただ、脳の老化です。
今はなんとか思い出せているが、年々怖くなる。
調べる内容じゃなく、調べること自体を忘れ出したらどうしよう…
もはや、忘れたことすら忘れかねない。

とりあえず「椎茸使う」と付箋に書き、冷蔵庫に貼ってから、
図書館サイトのログイン画面。
”はい、出た、パスワード”

忘れ者の大敵、パスワード。
メモ探してログイン、まだ返却まで猶予あり。
”そういや、あれって入金されてるかな？”

図書館サイトをログアウトして、銀行サイトのログイン画面。
”はい、来た、パスワード”
メモ探してログイン、ちゃんと予定の入金あり。
”ほっとしたので気分転換に、noteでも書こうかな”

銀行サイトをログアウトして、noteのログイン画面。
”はい、はい、パスワード”

忘れていくのに、忘れちゃいけない世の中らしい。
どうせパスワードって仕組みも、また何かがとって替わるんでしょ？
で、その仕組みが主流になったら、また覚えろって言うんでしょ？
もっと覚えられなくなって、もっと忘れてしまうのに…
抗えない未来に、気分転換のつもりが、気が滅入る。
”お茶でも飲んで、気分転換し直そうかな”

ふと、椎茸付箋が目に入る。
未来のことはしばらく忘れて、やっぱり椎茸のことから考えよう。
未来は難しくても、今日の椎茸くらいなら、私でも立ち向かえるだろうし。
あと、明日のズッキーニと。