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宅配ボックスの使い時【日々のこと】

最近、私のマンションに宅配ボックスが付きました。設置のご案内を見た時は、これで受取指定時間でも安心してトイレに行けるというくらいの感慨しかありませんでしたが、いざボックスが現れて取説と部屋固有の暗証番号なんて物が配布されると途端に使いたくなってきた。凄く使いたい。

でも私は在宅なので日中家に居ます。ほぼほぼ、ちゃんと受け取れて使う時が無い… ポストの確認の際に、念の為、ボックスの暗い画面に触れる。起動した画面に部屋番号が浮かんで〇号室の荷物がありますよと言われると羨ましくなる。ここに私の部屋番号が見たい。

居留守でも使おうかな。
でもなにぶん初めてなので様々な不安がよぎる。各所まちまちの宅配ボックスがあるのだろうから配達員が操作に戸惑わないだろうかとか。そのまま持ち帰って再配を頼む羽目になったら在宅の風上にも置けないとか。そもそも居留守自体が人としてあまり良い行為だとは思えない。

そんなこんなで何度か機会は逃してしまった。いつもニコニコ対面受取。でもそろそろ使いたい、どうしても使ってみたい。
そんな昨日、最新の機会に恵まれました。マンションのチャイムが鳴ってモニターを覗くと初めての人ではあるが宅急便の服装。

”申し訳ないけど居留守を使わせてもらおうかなぁ…”

ただ初めてなうえに年輩で気の良さそうなお顔立ち。

”やっぱ、無理ー・・・”

応対してオートロックを開錠、玄関へと向かう。
また宅配ボックスが使えなかった。いつになったら使えるのだろう。私は出不精でなかなか外に出ないし、そんなに頻繁に宅配を頼む方でもない。妻にしたってそうだ。私よりは多いけれどそれでも月に数回程度。これじゃボックスの操作も覚えられない、なんてことを考えていたら配達員がいつもの人よりも部屋に来るのが遅いことに気づいた。
宅配ボックスは有れどエレベーターは無い私のマンション。扉の向こうから重い足取りが微かに聞こえる。ようやく玄関のチャイムが鳴って扉を開けると生き絶え絶えの配達員がそこに居ました。

「ハァ、ハァ、ハァ… これ、お荷物です…」

階段を上がって頂かなくても受け取る方法があったのにと人生の先輩を見つめて申し訳なく思う。居留守を使ってあげればよかった…

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