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全国学校図書館協議会選定「よい絵本」「えほん50」について

子どものために本を選ぶ際の参考にしている全国学校図書館協議会選定の「よい絵本」「えほん50」についてまとめました。


「よい絵本」「えほん50」について

「よい絵本」とは

 子どもの読書活動の推進を図るためのさまざまな活動を行っている全国学校図書館協議会(全国SLA)は、絵本読書の推進にも取り組んできました。その取り組みの一つとして、絵本読書が各地でより活発になり、広がっていくことを願って、学校や家庭、地域で子どもたちへの読み聞かせや絵本をすすめるときの選書の手がかりとなる優れた絵本のリスト「よい絵本」として発表し、あわせて、解説をつけてカラー解説目録『よい絵本』として発行してきました。
 「よい絵本」はたくさんの絵本の中から、子どもたちが育っていく中でせめてこれだけの絵本はぜひ読んでほしい、という思いをこめて選びました。

https://www.j-sla.or.jp/recommend/yoiehon-top.html

「えほん50」とは

 「よい絵本」は第28回(2016年)選定をもって終了いたしましたが、「よい絵本」を引継ぎ、2019年より1年間に出版された絵本の中から優れた絵本を顕彰する「日本絵本賞」の成果をふまえた絵本リスト「えほん50」を選定することとなりました(選定:公益社団法人全国学校図書館協議会絵本委員会 協力:子どもの読書推進会議)。
 「えほん50」に選んだ絵本は、1年間に刊行された絵本の中から全国学校図書館協議会絵本委員会が厳選し、ぜひ子どもたちに読んでほしいと推薦するものです。

https://www.j-sla.or.jp/recommend/ehon50.html

「よい絵本」「えほん50」のちがい

どちらも全国学校図書館協議会(全国SLA)が選定しているもので、2016年に「よい絵本」の選定が終了した後、それを引き継ぐ形で2019年以降毎年行われているのが「えほん50」の選定なのだそうです。

えほん50」が1年間に出版された絵本から選ばれたリストであるのに対し、「よい絵本」は長い間愛されている名作・定番の絵本が含まれているため、最後の選定である第28回「よい絵本」のリストもぜひチェックしていただきたいです。

選定基準

基本原則
絵本とは、書籍の形態をもって、絵または絵と文の融合から生まれる芸術であると考える。
1. 原則として、絵の比重が形式的にも、内容的にもその本の半分以上を占めていること。
2. 画集、単純な写真集、図鑑、低俗なマンガ本・劇画等は対象としない。
3. 絵本は主として、乳幼児・児童を対象としたものであるが、青少年、成人向きのものも考慮する。
4. 絵雑誌は対象としない。

制作態度について
1. こどもに対する正しい愛情があるか。
2. こどもに興味関心のある題材が選ばれているか。
3. こどもの創造力・思考力を伸ばすものであるか。
4. 既成の概念にとらわれず、創意工夫がなされているか。
5. 絵と説明文がほどよく調和しているか。
6. こどもの生活のリズムにあったものであるか。
7. 著者の意図する年齢にふさわしいものであるか。

絵について
1. 内容を的確に表現しているか。
2. 芸術的なかおり高いものであるか。
3. こどもの感覚にあっており、理解しやすいものであるか。
4. こどもを楽しくすることができるか。

文について
1. わかりやすく、内容を正確に伝えているか。
2. 文学的かおりの高い文章であるか。
3. 内容の展開に不自然さはないか。
4. 文の長さ、リズム、間などについて、十分な配慮がなされているか。
5. こどもに理解できることばで書かれているか。
6. 洗練された用語が用いられているか。
7. 文字、かなづかい、わかち書き等に適切な配慮がはらわれているか。
8. 読んだ結果がつぎの段階へ発展するよう配慮されているか。
9. 科学的題材を扱ったものにおいては、内容が体系的に扱われているか。

造本その他について
1. 装てい、用紙などが作品を十分に生かしているか。
2. レイアウトは適切であるか。
3. 判型は内容にふさわしいものであるか。
4. 製本は堅牢であるか。
5. 開き具合は自然であるか。
6. 用紙は丈夫であるか。
7. 印刷は鮮明であるか。
8. 文字の大きさ、書体は適当か。
9. 価格は適切であるか。

https://www.j-sla.or.jp/pdfs/sla-ehon-senteikijun.pdf

対象年齢

対象については、乳児(0~3歳未満)、幼児(3歳~就学前まで)、小学校低学年(1・2年生)、小学校中学年(3・4年生)、小学校高学年(5・6年生)、中学生高校生と7段階に分けられています。

選定図書一覧

公式サイトから、PDFファイル・Excelファイルをダウンロードすることができます。

繰り返しとなりますが、「えほん50」が1年間に出版された絵本から選ばれたリストであるのに対し、「よい絵本」は長い間愛されている名作・定番の絵本が含まれているため、最後の選定である第28回「よい絵本」のリストもぜひチェックしていただきたいです。

表紙画像・内容紹介付リーフレット

2024「えほん50」 表紙画像・内容紹介付リーフレット

「えほん50」については、表紙が掲載されたポスターが毎年作成されています。
題名と著者、出版社、絵本の表紙、あらすじなどが掲載されており、図書館で本を探す際にも便利です。

補足

「えほん50」は、1年間に出版された絵本の中から優れた絵本を顕彰する「日本絵本賞」をふまえた絵本リストとなっています。
「日本絵本賞」については、以下に詳しくまとめています。

読み聞かせの記録について

私は、読み聞かせの記録にmi:te(ミーテ)というアプリを使っています。ミーテは、公文教育研究会が運営しているアプリで、「読み聞かせ記録アプリ」と謳っているだけあって、読んだ絵本の記録が非常にしやすいです。

mi:te(ミーテ)アプリ

読み聞かせした回数の記録も非常に簡単なので、「3歳までに絵本1万冊」のお供におすすめですよ。


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