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『午前4時、東京で会いますか? パリ・東京往復書簡』(シャンサ×リシャール・コラス ポプラ文庫)



いつか午前4時に、会えるといいなと思っている。

北海道に友達がいて、時々本を贈りあったりしている。

これは、彼女からもらった、たぶん最初の一冊じゃないかと思うのだけど、定かではない。

中国人フランス語作家、シャンサと、フランス人日本在住ビジネスマン、コラスが、長い手紙を交わしながら文化について考えを添わせていく。

お互いの持つ歴史は、経験としてかけ離れているように見える。

なのに、二人は、まるで魂の双子のように、接近していく。

けれども、決して同化せず、出会うべき接点を探していく。

これは、大きく捉えれば文化の話なのだけど、肌をすり合わせるような、個人の物語でもある。

私はその北海道の友人と、一度も会ったことがない。 話の端々から、ずいぶん生まれも育ちも 考え方も感じ方も、違うらしい、と思う。

それでも私は、こんな本を贈ってくれる彼女が好きなのである。

シャンサとコラスは、ある一つの意味で、自分たちは東京で会ったのだ、と言う。

私たちはもちろん彼らのような関係ではないけれど、思いを添わせることは難しいのかもしれないのだけど、

いつか、午前4時に、東京で会いたいな と思っている。

『午前4時、東京で会いますか? パリ・東京往復書簡』(シャンサ×リシャール・コラス ポプラ文庫)

(いつか、と思うことは心を温めるよね。某バーのカウンターにて弱虫な私は)

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