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眼球綺譚

出勤前、ゴミ出し。
ゴミステーションに向かう道。

向こうから歩いて来る人。
めっちゃ手を振ってる。

時間ギリギリでメガネかけてないしコンタクトも入れてなかった。

手を振る人がどんどん近づいて来る。

誰⁇

なりちゃん!

久々のなりちゃんだ!!

こんなに急いでいる時に。

でも嬉しい。

髪短くなったから誰だかわかんなかった。

「おはよう!久しぶりだね」

急いでいるのでバイバイと手を振りそのまま通り過ぎようとした。

が、

右腕をなりちゃんにがっちりホールドされる。

左手にゴミを持ち自分は急いでいる為ゴミステーションへ向かう歩みを止めることなく、右腕になりちゃんをくっつけたまま進む。

「白内障の手術して目がねぇ、まだこーなってて(ピントが合わないって言う意味のジェスチャー)LINEしたくても文字見えなくてさー」

なりちゃんいっぱい喋るなぁ。
しかも情報量多すぎだよ。
仕事行くのやめて話聞きたいけどな。

なりちゃん興奮して喋るの止まらないけど曲がり角まできて自分が急いでることに気づいてくれてやっと右腕は解放された。

遅刻することなく無事出勤出来た。

なりちゃん、目の調子良くなったらまた飲みに行こうね。


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