纏まることのない害悪
私は害悪ファンなのだろう
とあるバンドが好きだ
もう10年近く追いかけている
ただ数年前から路線が少し変わってきたような気がしていた
UKみが強かったものからJ-POPよりになってきた
この間はついにメンバーが変わった
致し方ない理由だったのだが
変わっていく部分が多くなった
好きだと思っていた部分からどんどん離れていくような気がしていた
でも彼らのやりたいことだから
彼らがそうなりたいと望んだのだから
そう考えて応援していた
しかし、いつしか私は胸を張って彼らが好きだと言えなくなっていた
10年近く1つのバンドを好きでい続ければ
自ずと曲だけでなく音楽以外の部分にも愛着を持つようになる
バンドメンバー
バンド名
よく使う言葉
よく着ていた服
彼らを構成するひとつひとつが愛おしかった
それゆえに変わらないでほしかった
変わることを嫌がっているのではない
変わらないでいてほしかっただけだ
私はそんな変わっていく彼らについていくことができなかった害悪ファンだ
変わらないことを望み、昔と比べる
前に進む在り方が昔のままであってほしいと望む有害なファンなのだろう
それがわかっていても、私はまだ彼らに縋り付いてしまう
それは彼らの音楽と過ごした日々は偽りではないからだ
その日々は変わることなく私の中に残り続けてしまうからだ
私はもう彼らのファンだと声を大にしていうことはできない
彼らを盲目的にかっこいいと思うこともできない
愛してるの言葉さえも軽く聴こえてしまう
でも今の私にはその変わらない思い出の日々が必要だから
もう少しだけ害悪ファンでいさせてください
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