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とんでもない所に行った話①偽ブランド工場

かなり前、友達4人グループで激安ツアーを利用し某国に行った。
その際、一通り観光名所を巡った後、
一見普通のお土産店に連れて行かれた。
そしてツアー客がズラズラとガイドさんに導かれながら、細い廊下を通り過ぎて本棚しかないだだっ広い、広間に出た。

「はて?」と疑問に思っていたら、
本棚が観音開きの戸になっていて、中には当時も流行していた高級ブランドバッグのスーパーコピー品とやらが、ズラーーーーッと見事なまでに陳列されていて、ツアー客のうち主に女性がキャーキャーと歓喜して隠し部屋に入っていくのを眺めた。

スーパーコピー品とやらよりも私は映画のワンシーンみたいな本棚の観音開きに感動して、
「本棚の観音開き!隠し部屋はすごいね!」
と、興奮気味に話したらガイドさんや友達から失笑くらった。

が、友達のうち1人、
Aが「私もバッグ買う!欲しい!」
と言いだし部屋に向かい出したが3人がかりで偽物だからダメ。
と必死に説得し、その場はおさまり夜のフリータイムになったので夜の市場に出掛けた。

が、市場に並ぶ粗悪な高級ブランドコピー品をやたら覗くA子に現地の人が
「近くにもっといいのがあるよ。見る?」
と、流暢な日本語で話しかけてきてAがついていくので、3人がかりでまた、
「A! ついて行くの夜だしマジやばいって、諦めて!」
と制止したにも関わらず、物欲と虚栄心でいっぱいのAは、止めた友人の掴んだ腕を振り切ってその人について行くので、1人じゃ危ないから皆で行こうと腹を括ってついて行くはめに。

内心、また本棚の観音開きに隠し部屋を見られるかも…と密かに期待した私だったけど、流石に夜の海外は危ないかもと、怖かった。


そしてハイキング並みの長い迷路になった細い路地や店の階段を行き、工場に着いた時、
「いい加減もう疲れた。ホテルに戻りたいわ。」俯いてボヤいた瞬間、薄暗い工場の床に高級ブランドコピー生地の散乱に気づいて、ビックリ仰天。
と、とんでもない所に来てもうた。
と思いつつ、3人ともAに呆れ何度も首を振って買うな!帰ろうと合図した。

現地の人は目をギラギラさせた食いつきの良いAに営業しまくる。そしてAは親にも買うと言ったけど、
「コピーはダメ!もし買ったら縁切る。」
と現地の人が席を外した隙に、3人でガチで怒って、Aは諦めどうにか購入をスルーして帰られてホッとした。

ほんと、とんでもない所に行ったなあと今でも思うのでありました。

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