泡とあなた
期待を裏切らない
グラスの中にはたくさんの泡とアイスクリーム
しゅわしゅわと小さな音を立ててる
今のあなたを見てる
美しい指先にハープの音色をぶら下げて
止まり木から金星を眺める
その瞳は金星よりも大きくグラスの中の泡より小さい
半月の夜 霧のかかる苔の森を歩く
肺の中に湿気をたっぷり含んだ苔の胞子を入れ込む
わたしの体はそこにいないあなたとひとつになる
少し冷たい湿度はわたしを熱から救ってくれる
そのまま眠るあなたと
グラス越しにあなたを見る
アイスクリームはもう溶けて
ソーダの泡はさらに細かく細かく見えないくらいに細かく
あなたの中に入り込む
クリームとソーダの泡で少しだけ膨張したそのあなたを
深く深く知りたいと思う
抱きしめて頬から徐々に食べて見たいと思う
そろそろ冷蔵庫が鳴く時間
🍫