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オンラインイベントの成否は「準備」で決まる(➀準備編)

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。

お正月はずっと仕事だったので、まだ明けた気がしませんが、高校サッカーでお正月気分を味わっています。今年もよろしくお願いします。

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さて、2020年12月31日にThis is 嵐 Live が開催されました。

私が最近だいたいすべてのことを嵐と照らし合わせながら話しているので、周りでも何人か一般チケットを買ってくれた方々がいて、とても嬉しかったです。

チケットを買ってくれた方々の中の一人でもある「場づくりやファシリテーション」を専門にされている経営者の方が、ミーティングの中で「オンラインイベントの成否は準備にある」という話の例としてThis is 嵐Liveについて話してくれまして、みんなでディスカッションしたので、忘れないうちに残しておきます。
場づくりの観点から見ても、やっぱり嵐はすごかった!

そして、書いているうちにめちゃくちゃ長くなったので記事を分けました。今回は「準備編」です。「進め方編」もいずれ書きます。たぶん。


今回のライブの位置づけ

2020年末で活動を休止することを決めていた嵐。
休止前、最後の機会として大晦日に開催されたのが今回のThis is 嵐Liveでした。初めての生配信ライブということで、嵐にとってもファンにとっても「新たな挑戦」でした。(という文脈を共有するところから、今回のライブ準備は始まっていたと思いますが、詳細は「進め方編」へ。)

11月3日にも「アラフェス」を配信ライブを実施していますが、こちらは元々リアルに会場に人を入れてやることを想定していたので、事前収録したものを当日配信したというかたちでした。


大晦日なことも相まって、通信環境や、オンラインならではの環境整備(例えば、会場からのコール・合いの手がないなど)について、本当の意味での「オンラインライブ」として実施するのは今回が初めてでした。
そうした状況の中で、2020年12月31日の20時か23時過ぎまで開催された、生配信のオンラインライブ。

そこに向けて、嵐とファンがどんな「準備」をしてきたのかを振り返りながら、リアルイベントとオンラインのギャップをどう埋めていくのか、などについて考えていきます。


「みんなで準備だTV」

2020年11月30日にyoutubeに「みんなで準備だTV」と題した動画が投稿されました。

#0の概要欄にはこのように書いてあります。

2020年12月31日(木)大晦日の生配信ライブ[This is 嵐 LIVE 2020.12.31]を楽しむための準備を、嵐とみんなで一緒にしませんか?
みんなで準備だ!TVでは、嵐がみんなにお願いしたい準備を発表していきます。
ライブ当日はもちろん、ライブの準備も一緒に楽しみましょう!

嵐に限らず、ライブはアーティストだけでなく会場全体で生み出す雰囲気や空間が醍醐味だという人も多いのではないかと思います。
リアルであれば、当日会場に行って、歌に合わせてコールをしたり、周りの人に合わせて踊って生み出されていたものが、オンラインではなかなかできません。

しかし、おそらく「その一緒に生み出すもの」がなければ本当に実現したいライブはできないと感じたからこそ、今回の「みんなで準備だTV」が生まれたのではないかと思います。
これまでの多くのライブで得ていた知見を活かして、オンラインで必要な準備に落とし込んでいった結果、今回「みんなで準備だTV」のコンテンツに繋がっていると感じました。

リアル/オンラインに関わらず、イベントに参加する側の「準備」は大きく以下の2つに分けられていると思います。
➀不安を解消するためのもの(機会に参加するハードルを下げるもの)
②ライブをより楽しむためのもの(より機会を活用するためのもの)

これを今回のライブにあてはめて、リアルのイベントとオンラインでマトリクスにしたものがこちら

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どこまで自覚しているかは別にして、イベントを主催する側も参加する側も、リアルで開催するときも多くの準備をやっていたと思います。

ただ、オンラインの特性上「当日・その場で、周りの人に合わせて動く」ことが出来ません
なので、オンラインの機会を楽しむための「準備」が必要でした。


「当日・その場で」できないから、「事前に」やる

リアルライブでも事前に準備することはもちろんありますが、当日その場に行ってやればよかったことも多くありました。たとえば、コール(合いの手)をする、一緒に踊る、うちわでメッセージを伝える、などです。

でも、オンラインでは同じ空間にいないのでその場でやることは出来ません。
しかし、それぞれの要素はすべて、「ライブを成功させるため」には必要なことでした。
だとしたらどうするのかを考えた結果、「事前に送ってもらう」という方法をとったのではないでしょうか。

当日のライブでは、おそらくたくさん送られてきたであろうファンからのコールが見事に歌の合間に入っていて、「私が参加したいと思っていたあのライブ」を感じるのと同時に、自分がやったことが届いたんだな、と思えたことがとても嬉しかったです。
コールをすることが目的ではなくて、自分がやったことが「届いた」と感じられたことが何より嬉しいことでした。

<まとめ>オンラインイベント成功のポイント

➀実現したいゴールが共有されている
これまで多くのライブを実施してきた嵐とファンにとっては、「ライブではこうしたい!」「こんな風に楽しみたい!」という共有されているイメージも多かったと思います。(例えば、この曲のこのタイミングでは、絶対にコールしたい!など)
ライブにいったことが無くてもDVDなどで成功イメージを共有できていたことは、「準備」に対する大きなモチベーションになりました。

リアルでもオンラインでも、「終わったときにどんな状態になっていたらいいのか」が明確なほど、どんな準備しなければいいのかを明らかにしやすいです。まずは、成功イメージを持ち、それを共有することから準備が始まるのではないでしょうか。


②参加者にとってのハードル/価値を感じている部分を自覚して「事前に」準備する

リアルライブであれば、同じ会場内にいるので、「その場で何とかする」ことも多少はできます。
でもオンラインでは、一人ひとりバラバラな場所にいて、通信環境も違うため、参加している側の一人ひとりが対応するしかありません。
そのための不安材料を解消するための機会を提供しているのはとても大きかったと思います。

オンラインでのイベントが普通になったことで、ついつい「みんなこれぐらいわかるでしょう」と思ってしまうことも、改めて丁寧に伝えることの重要性を思い出しました。

逆に、リアルの機会に参加するときの価値をどれだけ自覚し、オンラインに落とし込めるのかもとても重要だと思います。

今回、アイコンの準備だ!と題し、無料でオンラインのアイコンフレーム機能をつくってくれていました。
この動画内の機能説明の際に、「SNSアイコンに使うことで、(リアルライブで)会場に向かうときにライブグッズを持っている人を見て、『あの人も会場に行くのかな?』というわくわく感を味わってほしい」と言っています。

つまり、「会場に向かうあいだに会う人たちのわくわく感」もライブの価値だと分かっていたからこそ(実際、会場に行く間にコンサートのグッズを持っている人に会うとめちゃくちゃ嬉しい)、今回の企画に上がり、準備だTV内で意味を伝えることが出来たのだと思います。
これが何の意味づけもされずただ提供された機能であれば、こんなに思い入れることもなかったかもしれないけれど、事前に意味づけされることで、めちゃくちゃ思い入れのあるアイコンになっています。

自分たちが提供している価値を自覚して、事前に意味や価値も含めて伝えるからこそ、「準備」も含めて参加したいと思える仕立てになっていました。

オンラインの準備は同じ空間を共有できないからこそ、「事前に」「参加者する人、一人ひとりがより主体的に取り組んでもらう必要がある」ところが今までと大きく違い、いかにそこに主体的に参加してもらうかがとても重要になってくると感じました

③時間を超えて、お互いにコミュニケーションをとる

 準備は「事前に」実施するため、その場ですぐに反応を返すことは難しいです。でも、今まで自分が含めてやってきた準備がすべて集まってライブという空間をつくっていたことで、同じ空間にいなくても自分がやってきた事前準備には意味があったんだと感じることが出来ました。
 当日同じ会場で、自分たちの声に、うちわに、本人たちが反応してくれることはもちろん嬉しいですが、事前準備は、時間を超えて自分たちの声を伝えてくれる機会だったと思います。

つい、当日だけで何とかしようとしがちですが、事前に準備をしているからこそ、参加した人たちに「届いている」ことを伝えることはなにより重要ですし、そのプロセスを繰り返すことで、お互いにコミュニケーションを深め、実現したい状態に近づいていけるのではないかと感じました。


今年も引き続きオンラインイベントは継続されると思うので、今後自分たちで開催するオンラインイベントでも、少しずつ取り入れていきたいです。

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ということで、オンラインイベントで行ってきた「準備」が当日どのように結実したのか。
気になった方は、ぜひ今週末のリピート配信をご覧ください。
それぞれの配信日の前日23:59までチケットが購入できます。

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前後編に分けたのに、めためたに長くなってしまった…。。。。😞

全て個人の見解かつ、いつも通り勝手に嵐の活動から自分の仕事に落とし込んで励まされています。
もっといろいろな人の話も聞きたいなと思うので、「『This is 嵐Live』から見るオンラインイベント成功のコツ」っていうイベントを一緒に企画してくれる人を募集したいです。(笑)

ありがとうございます。喜びます。