乃木坂46『あと7曲』の話
UCのミネバ様、たまにビジュが瑠奈ちゃんっぽいときあるなって最近思った
こんにちは。
少し前にnoteがなんか洒落臭いことを言ってきたので、
林瑠奈の画像に「画像1枚きりで連続投稿を継続される気持ちはどうだい?!?!」みたいなコメントでも付けて投稿してやろうかと思っていたんですが、35thシングルのカップリング曲『あと7曲』が望外に良かったので感想をちょこっとだけ書くことにします。
『あと7曲』
作曲者の一人がCrahsの久保卓人氏と話題になっていた一曲で、実際に聴いてみると大当たり。リセマラなら終われます。
メロウでチルエモなヒップホップ(カルチャー野郎みたい)で、トラックに乗る素朴な美メロも良い。全体的に星野源の『喜劇』のようなサウンド感が心地良く、それでいてサビはkiki vivi lilyを想起させる譜割りで締めるという、ここ数年の乃木坂楽曲では考えられない令和の音楽が奏でられているように思う。
イントロ、Aメロ、サビのコード進行の基礎はテンション(9th)盛り盛りの丸サ進行。私が愛してやまないマイスイートなやつですね。中でもイントロの1ループ目とかは2つ目のコードのベース音がEではなくDに聴こえたりして難解な味わい。全体的にコードが複雑でよく分かってはいない。
テンションが盛られていることで楽曲から湿気が出ている気がする。アトノマツリから続く後悔の湿度。前髪とかは崩れます。
Aメロは前後半で歌メロにおけるアクセントの位置が変化している(揺らいでいる)ことはCrahsさんの動画で紹介されていた。個人的には後半部分がリズムにヨルシカの『盗作』と同等の快楽を得られて好きなんですね(ちなみにn-buna氏は歌詞とメロディを同時に作っているらしい)。曲先でこの聴き心地は奇跡。バッキングがチャキっとして旨味たっぷりなBメロでは、その後に一転してモーダルインターチェンジ(転調みたいなやつ)でまどろむような弓木ちゃんパートが出てくる。サビに向けて情緒が忙しくなってきてる。
サビ直前の4つのコードが印象的な(『喜劇』みたい)セクションを再現したくてA♭M7(9)→Gm7(9)→B♭(9)→A♭(9)で弾いてみたりしてるけどいまいち上手くいかない(頭二つはベース音がG→Fになってるんでしょうか)。理論的にこの部分がどう成立しているのか知りたくなる、夢から覚めるような、不思議なコードです。
その後、E♭メジャーからCメジャーに戻っていく(地に足がつく/想像の世界から現実に引き戻されるように)。
サビに入ると歌唱に厚みが出て歌メロの美しさが際立っている。サビはメロディはほぼそのままに前半のコード進行が丸サ進行、後半が王道進行という構成で、似たようなところではあやめんセンターの4期生曲『ジャンピングジョーカーフラッシュ』がカノン進行(風)→王道進行で形成されていた。そちらの楽曲では極めて無謬なカノン進行を活かして後半の王道進行パートで青春の幕切れを視界に収めた憂いが演出されていたが、『あと7曲』は前半が暗めな進行なので、後半のパートが相対的に暖かくて明るい印象を覚える。むりやり歌詞にこじ付けると朝焼けを予期させるような感じ。サビの後半はアウフタクト(メロディが食い気味なやつ)がキャンセルされているために、より地に足が着いている感じがして、歌メロが素直にキーの主音(ド)で終わるのもイノセントな日常系の物語っぽくて好きなんですね。
間奏のギターとエレピのユニゾンは絶品すぎて、しれっと転調してることに気づかなかった。ラスサビ前の不思議コードなセクションを介してAメジャーから元のCメジャーに復帰する。通常サビのE♭メジャー→Cメジャー転調と比較して音域が自然な感じがする。
ラスサビのエレピが入ってくるパートでは丸サ進行の2つ目のコードで♭9の響きが強調されていて否応なしにエモい。パターン化されたエモなんでしょうが仕方がない。田村真佑が出演していた舞台「たぶんこれ銀河鉄道の夜」のクライマックスで流れていた曲も、確か同様のデザインだったと記憶している。舞台でいうと鴨川ホルモーの配信を観たい。ほんとは現地で観たかった。
瑠奈ちゃんブログの解釈を読んで主人公がなんか瑠奈ちゃんにしか見えなくなった。内省的な負けるなしょげるな人格の瑠奈ちゃん。まつおさんやみっちゃんが居てよかった。
歌詞がやたらとカラオケの「説明」に拘っているのは素朴と言えるのか。どうせ情景描写のスペースで単調な説明を入れるなら鈴木ジェロニモみたいな攻め味が欲しくなりつつも、非建設的などうしようもないモラトリアムはこっちな気がする。24時間営業のカラオケを異様にありがたがる世間知のなさも愛おしい。てか知らないけれど東京ってそんな田舎なんですか?
さくちゃんが発する「俺」はひらがなの「おれ」。文豪なので。さくらごよみのさくちゃん。
やっぱり賀喜さんは優等生。有頂天猫(1160万回再生)に出てくる賀喜さん。8番出口実況がキヨみたいなコテコテの実況者スタイルで感動した賀喜さん。
弓木ちゃんの歌声のつたなさを優しさに変換している。明日のラヴィット楽しみ。
あーやは普通にシンガーとして立派で、蝶よ花よな全肯定可愛がりで雑に消費されるにはもったいない人だ。
瑠奈ちゃんが個人的なMVP。特に2サビ「快感だ」のイキリ方が絶妙で、高校時代に軽音部で丸サ歌ってた経験が活かされてると思います。
バスラの『アトノマツリ』で北川悠理ちゃんリスペクトを語っていた名誉4期生のさくたん。「もう一軒行こう」との歌詞に逆らって「もう一軒行く?」とお誘いする策士。
最終日だけ観たバスラで『アトノマツリ』が割と一番クラスで良かったと感じた一方で、やっぱり私はアイドルのライブ向いてないんじゃないかと思った。スタ誕ライブとかあまりに楽しかった。
(コードとか知りたくて普通に楽曲単体で動画ほしかった…笑)
(このセクションは少し楽曲の内容から離れます)
乃木坂純正のコンテンツに触れるのはいまだに少し抵抗がある。これは相性じゃなくてアーティストのケアに最善を尽くそうとしない運営に対する話ですが。演出家パワハラ疑惑のときの不誠実な対応を境に精神的には結構無理になってしまった。とはいえ今でも日常的に乃木坂の提供するコンテンツに触れているし、その活動に加担していることになるわけで、どうしたらいいのかは分かっていない。メンバーを質に取られているので組織として何とか正しくなってくれないかな……と思うくらい。それくらいのバイタリティしかない、というか熱意がそんなにない。厄介な惰性だけが残っている。みたいな幼稚な言い訳をたくさん思い浮かべている。
連続投稿2ヶ月とかほとんど意味ないんですが。モラトリアムは終わりましたが月1ペースで何かしらnoteは書きたいと思う。なんか定期的にアウトプットするのとか何かしらプラスの効果ありそうじゃないですか。とっても卑しいですね。
後味最悪なnoteになってしまいましたが、それでは。
金髪碧眼の瑠奈ちゃん一回だけでいいから試してみてほしいな お試しあれ