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大阪 危急存亡の秋

3月23日に大阪府知事選挙、本日26日に大阪市長選挙が告示され、統一地方選、いわゆる大阪ダブル選挙の火蓋が切って落とされました。31日には大阪府議会、大阪市堺市の両政令市議会議員選挙も告示を迎えます。まずは、皆さま必ず投票に行っていただきたいと思います。

今回の大阪統一地方選挙は間違いなく大阪の歴史に深く刻まれる大きな歴史の節目となるでしょう。
私は、今回の選挙の結果が大げさではなく大阪の今後100年を決定づけるものになると考えています。

個別の政策で言えば争点は間違いなく「カジノ誘致の是非」、もう少し広く言うと「夢洲開発」についてです。

「カジノ・夢洲問題」については、私は今まで何万字にも及ぶ原稿の執筆や、何十時間もの演説や講演をやってきましたので改めてここには書きません。
しかしこの問題は、個別の政策への賛否にとどまらない、「大阪をどのような町にしていくのか」という大きな方向性を決定するとてつもなく重要な争点なのです。
そしてそれは、町の風景や景気の良し悪しなど目に見える部分だけではなく、大阪という都市のイメージや街場の空気感や大阪人の気質に至るまでを決定付ける歴史の転換点になると思われます。

大阪カジノは、地域経済を壊滅させ、行政をカジノに依存させ、大阪を退廃的な背徳の町に貶めます。
ギャンブルが良いか悪いかは小学生でも答えられる明快な問いであり、各種調査でも7割以上が反対していると言われます。
大阪カジノは国が想定した「統合型リゾート」と全く別物であり、外資やネオリベ、グローバリストが日本人の金を吸い上げる事業モデルです。
行政手続き上にもいくつもの疑義があり、住民合意は完全に打ち捨てられました。
選挙の結果が、この流れを看過することになれば、「いわゆる維新的な政治」に対する批判は今後もう日の目をみることもなくなるかもしれません。そうなれば大阪は一気に貧しく下劣で腐敗に満ちた都市に後退するのは確実です。すでにその兆候は複数顕れています。

大阪カジノの契約期間は65年(かそれ以上)です。今回の選択で65年後、大阪の町がどのように変わっているか、是非想像力を働かせて欲しいと思います。

しかし私は、ダブル選挙においてこの重大な争点に関する議論が全く盛り上がっていないことに強い危機感を感じています。

その理由は明らかです。
維新側の候補者がカジノ議論を徹底的に避けていることに加え、対峙する「非維新」の支持を最も広く集め得る可能性のある候補者から、カジノ・夢洲問題を絶対に阻止するという強い姿勢が感じられないからです。
私はこのことが不思議でなりませんし、憤りに近い焦燥感を覚えています。

自らの意志を示さず、政策を語らない政治家に有権者はついてきません。

このままカジノ計画が進んでしまえば、影響を受けるのは私たち住民の生活や、子どもたちの未来なのです。

今回の選挙がカジノを止める最後のチャンスであることは明白で、各候補者には極めて重い責任が課せられていることを、どうか真摯に受け止めていただきたいと心の底から望みます。

告示直後の現在、選挙情勢は巻き返しが急務であると仄聞しています。
今からでも遅くはありません。府民市民の心を大きく揺さぶる活動方針に舵を切ることを強く、強くご提言申し上げます。

私はこの提言を生半可な気持ちで公開しておりません。
政治事情に少し詳しい方であれば、直後に控える堺市長選挙にプラスにならない行動であることは容易に理解できるはずです。

しかし私は、私たちの生活や財産や生命が、何より子どもたちの未来が、無茶苦茶にされることに我慢ができません。

自分の政治家としての立場など4年前に堺市長選挙に立候補した時に捨てました。あの時は、政令指定都市が潰されることで多くの市民の生活が犠牲になることを心の底から憂慮したからこそ、当選したばかりの議員の職も、それまでお世話になった自民党籍も、私財も、すべてを投げ打って住民のために戦ったのです。

現在、私は無所属の政治家です。今回の大阪ダブル選挙においては、大阪カジノに反対するすべての候補者、すべての陣営を応援します。
取るに足らないレッテル主義や、大局観を欠いたセクショナリズムには与しません。

「大阪危急存亡の秋」です。

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