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母なる漫湖

沖縄県、そして南西諸島における最大都市・那覇。

それは南西諸島の政治・経済の中心地にして空と海の玄関口、日本有数の観光地として、また多くの人たちの故郷として知られ、さまざまな人々が行き交う。

実は那覇には、ラムサール条約と環境省の「日本の重要湿地500」に登録された干潟がある。

その名は、漫湖という。

漫湖とは、沖縄県の那覇市と豊見城市にまたがる干潟である。
漫湖の名は、17世紀にその満々と水の恵まれた光景を見た清朝の冊封使が感嘆し、「漫湖」と称した故事に由来する。
以来、漫湖はその名が今日まで脈々と受け継がれた。

漫湖は沖縄の戦後復興と都市化に伴う1960〜70年代の埋め立てによって、干潟が形成され、その後はマングローブの植樹により、今に至る。

とよみ大橋と漫湖
SIGMA fp Lで撮影

この記事を読む人がイメージする「那覇」とは、お土産屋さんが並ぶ国際通りや、かつての琉球王朝の王府であった首里城などが意識されているのかもしれない。

先月、泊まりがけ漫湖に行ったので、多くの人が意識しなかったであろう漫湖の写真をお見せしたい。

環境省 漫湖水鳥・湿地センター
(写真からHPにアクセスできます)

漫湖に立ち入るには、まず環境省の漫湖水鳥・湿地センターに入り、そこから木道へと進んでいく。

木道の入り口
ペットボトルに植えられたマングローブの苗木

木道は、メヒルギを中心としたマングローブ林へと繋がっている。

マングローブ林の入り口

さらに進むと、漫湖全体を見下ろせる展望台がある。

展望台
展望台と漫湖
とよみ大橋と展望台

展望台の真下は、より水平に近い角度で漫湖を眺め、水鳥の観察もできる。

展望台の真下から見た漫湖
左手に漫湖水鳥・湿地センターが見える
干潟を歩くアオサギ
展望台の真下で撮影
マングローブに乗って羽を休めるアオサギ

しばらく展望台で水鳥を観察した後は、木道をさらに進んだ。

マングローブに覆われた木道を歩くと、両脇の干潟が、水鳥の足跡やカニ・ハゼなどの作った穴が見える。

水鳥(おそらくアオサギ)の足跡やハゼ・カニの穴
穴から出るハゼϵ( 'Θ' )϶
マングローブ(メヒルギ)の実

その後、漫湖水鳥・湿地センターを出て、国場川沿いに位置する漫湖公園へと向かった。

漫湖公園とカニの像(写真右側)
漫湖公園から眺めた国場川

漫湖公園には、不思議な空間がある。
それは、だ。

漫湖には、鯨がいる

鯨の内側は遊具であるものの、施錠されていて、利用することはできない。

鯨の内部

鯨を見ていると、興味深い人物の名が記されていた。
「剛腕」、「自民党が服を着た男」、「国王」、「既得権益の守護神」など、数多くの異名をほしいままにした政治家、翁長雄志(元沖縄県知事)である。

さすがは黒幕。
どんなところにも、その影が付き纏っている。

彼とその名は「歴史」となった
それは漫湖とともに

鯨を見ているうちに、「シュー」と、何かを噴き出すような音がしたので、周囲を見渡してみた。
すると、目の前で驚くべきことが起きていた。

漫湖のクジラが、潮吹きをしていた。

沖縄名物🏝️
「漫湖の潮吹き」🐳💦

県立高校の前で、白昼堂々と潮吹きするとは、レベルが高い…!

県都・那覇には様々な一面があるが、この漫湖の衝撃は何者にも代え難いものがある。

今後も機会あれば、漫湖を訪れ、撮影したい。

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