8月11日の日記「俺の知らない物語」


 犬が死んじゃったよ……。

 アプリゲーム、「renal summer 」の話です。昨日も説明したけど、おじいさんと病気の犬を見守るゲーム。プレイヤーはパズルを解いて犬の腎臓を血の巡りを良くすることで、犬の寿命をを延ばすことができる。半日ぶりに起動したら、タップしても全然反応がなくなった。「あっ……」て思ったのも束の間、腎臓の中身がどんどん灰色になり、犬は完全に動かなくなる。その後、おじいさんが墓を立てるムービーが流れ、このゲームはエンディングを迎える……。

 わけではなく、「犬が死んだので、日付が1日前に戻りました」との表示。また、おじいさんが犬と共に生活している日々にループする。なるほど、そういうゲームなのか。これはきついぜ。何がきついかって、「今度こそ犬を救ってやるぜ!」ってモチベーションにはなれないこと。どうあがいても、この犬は絶対に死ぬわけだから。これから犬は、何度も何度も死ぬことになる(「殺す」ではないと思いたい)。その度に僕は憂鬱な気分になるとしたら最悪だし、憂鬱な気分にならないようになっても、それはそれで最悪だと思う。……みんな、このゲームにどうやって折り合いをつけているんだろう?


 

 今日は火曜日なので、ジャンプの発売日だ。……今まで10年以上、毎週ジャンプ読んできたけれど、火曜日発売はあんま記憶にないな。月曜祝日なら土曜に出る、ってのは定番だけど。なんなら、月曜祝日の嬉しさは、土曜にジャンプが出ることだったりする。なんならなんなら、土曜にジャンプが店頭に並んでいるのを見て、「あっ、月曜日って祝日だったんだ」って気づくまである。

 チェンソーマン、だいぶハードな展開だぜ。登場人物のメンタルも読者のメンタルも、ゴリッゴリに削ってくる。チェンソーはキャラクターの機微の描き方がすごい魅力的だな。最近だとデンジ・アキ・パワーの関係性が変化していく様子が、すごいよかった。キャラクターそれぞれの心の許し方、ってのが丁寧に描かれてたなぁ。……まあ、結局その関係性も変化(物理)してしまうんですが……。 

 アクタージュ、正直僕は流し読みしかしてなかった。でも、どっかの機会でまとめて読んだら、確実にどハマりするんだろうな、という予感はビンビンにありますね。今ジャンプで人気のある呪術とかチェンソーは、「ジャンプらしくない」と言われたりするけれど、アクタージュはそれらが霞んで見えるくらい、ジャンプでは異質の作品に感じますね。主人公が女の子で、テーマが演劇ですもん。それでもジャンプであれだけ人気だったの、本当に作品の質が高かったんでしょう。『バクマン。』で佐々木編集長が「漫画は面白ければいいんだ」と言っていたけれど、面白くさえあればそれはもう、ジャンプらしいと形容して差し支えないのかもしれない。

 今号の話を読むと、そんな熱心に追っていない自分ですら、物語がなにもかも道の途中であることがわかる。そりゃ、1週間足らずで今回の話を最終回っぽくすることなんて無理だから(そもそも、原作者がいないんだから)、続く前提の話をそのまま掲載するしかなかったんだろう。でも、ここから続きはないですよ、ってなると、そりゃないよって気持ちになるのは、わかる。どう見てもまだ生きてるじゃないですか! とお医者さんに縋り付きたくなるような。今回の話を読んで自分は、切ないを通り越し、ちょっとグロテスクだとすら思った。

 でも、「作品に罪はない」からこそ、こういう終わり方にするしかなかったんだろう。読者の多少の納得のため、無理に物語を歪ませることは、作品が罪を背負い、贖ったことの証明になってしまう。でも、こういう風に終わることで、アクタージュの世界は外的な力に歪まされることなく、これからも続いていくことになった。ただその続きを、我々が観測できないだけで。 

 小説だったり漫画だったりを読んでいて、ちょっと思うこと。作品中の登場人物は、二度寝をしたり、歯磨きをしたり、ご飯をちょっと残したり……みたいな、些細な日常が全て描写されることはない。けどそれは、描写されていないだけだと思っている。小説にトイレの描写が出てこないからって、この登場人物は小説内の時間で1度もトイレをしていない、と思うのは、むしろ不自然でしょう? 描かれてないけど存在する物語、というのは、きっとあるんじゃなかろうか。ゆえに小説や漫画って、それ自体が世界なのではなく、とある世界を覗き見るための装置なんじゃないか、なんて思ったりする。……なんか自分でもなに言ってるか、よくわかんなくなってきたな。このあたりの感覚は、また別の機会で言語化に挑戦してみよう。日記でまとめるには重すぎる。



 冷たいシャワーを浴びるとき、頭とか手足の末端部分は普通に気持ちいいけど、体の中心部分に当てると拒否反応が出ちゃうの、なんでだろうね。そのあたりの境界線を探りながら、シャワーを浴びておりました。……他にやることはないのか?




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