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道満晴明を読む

道満晴明のことは、名前だけは知ってたけどちゃんと読んだことない漫画家さんだったんですが、Amazonでこいつをオススメされて読んでみました。

地球崩壊後に拾われた最後の地球人が、持て余す種族維持本能(まぁ溢れる性欲)を持て余しながら、絶対生物と機械生物と一緒に宇宙を旅するっていう、藤子・F・不二雄「21エモン」とダグラス・アダムスの「銀河ヒッチハイク・ガイド」を足したみたいな設定のエロ(ってもマジエロじゃないですが)あり、パーセク単位の回転寿司ありのバカSFなんですが。
色々なSF作品のオマージュとなりつつ、ちゃんと伏線があり、大団円がありで、SF好きにこそオススメしたい佳作となっております。
うん、面白い。
藤子・F・不二雄とか、クラークとか、吾妻ひでおのSF作品好きな人は読んで楽しめる一冊。

で、これがあんまりに面白かったので、Amazonでこれをまとめ買い。

「ヴォイニッチ」ってホテルの名前が、もうわかる人はすぐわかるアレなキーワードなんですが(わからぬやつはググれ)クトゥルフ神話的な要素は全くなくて、むしろ「ブレア・ウィッチ」とかの方向の「魔女信仰(ウィッチストーリー)」に近いんですが、まぁそれはいいや。
「ホテル」っていう舞台が実にいい。
「ホテル」を舞台にした群像劇っていうのは、上手いことやると本当に面白くなるんですが(70年代のアメリカの幻想の喪失を歌い上げた「ホテル・カリフォルニア」が名曲だったり、村上春樹「羊をめぐる冒険」の「イルカホテル」だったり)。
南太平洋の辺鄙なスペインから独立した小国っていう、これで頭のおかしい独裁者とボコノン教があれば、ヴォネガットの「猫のあやとり」のサン・ロレンゾ的雰囲気のある舞台で繰り広げられるポップなエロスとバイオレンスとウィッチストーリーで、実に面白い。
不思議な余韻があって、一本の良い映画を観たような余韻が残る傑作でした。

で、最後に買ったのがこれ

エロ漫画雑誌に連載されていた4文字系4コマなんで、まぁエロですよ、エロ。エロネタ全開なんですが、ネタが一々クッソ面白い。
ネットで時々見たあの画像って、ああ、これが元ネタか!!とか思いながら、クスクス笑いながら一気に読んじゃいました。

呪田さんが可愛いw

道満晴明、実はノーチェックな作家だったけど、この感じはかなりハマリました。

あともう一冊↓も買ったけど、こっちは作者曰く「ゲロ吐きそう」な初期短編作なんだけど、ポップじゃなく、ガチエロ(っても、そこまでエロじゃないけど)なので皆様にオススメできるものではないんだけど、この作者のエッセンスが色々詰まっていて、良い初期作品集だなぁと思いました。

道満晴明、今後も要チェックのあなどれない才能の作家です。


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