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5時間、映画に溶かす

休日の早稲田大学のベンチにて書く。まばらにいる人、古いベンチ、木漏れ日、真っ直ぐに伸びる道。なんか、いい感じ。
歩いてみる。風、音、景色、感覚が研ぎ澄まされていく感じ。ニュースや英会話を`ながら聞き`している普段では感じられない感覚。世界が変わる、美しさを知る、重力とのバランスに想いを馳せる。

なんていうセンチメンタルな感傷に浸れるのも、映画の効果だったりする。良い映画であればあるほど、日常の見方を変えてくれると思っている。



数年ぶりに早稲田松竹に行ってきた。狙いは『濱口竜介特集』。noteでもなんども書いてきているが、以前、「村上春樹作品の映画化観たい!」という理由で鑑賞した『ドライブマイカー』に感服し、そこから作品を追いかけるようになった。今回は、前に観た『ハッピーアワー』よりもさらに古い時代の作品、ということでかなり楽しみであった。

早稲田松竹は2本立てで観れる。1本目は、『偶然と想像』。これを観るのは2回目だったが、やはりよかった。3本で構成される短編集だが、特にはじめの作品が好きで、その作品はちょっとしたどんでん返しがあるから、「返しが明らかになる前は、古川琴音はどんな表情で演じていたのだろう」という2回目的な楽しみ方ができた。

2本目の映画は、1時間映画×2本という構成だった。『永遠に君を愛す』と『不気味なものの肌に触れる』という作品。それぞれ2009年、2014年と少し前に撮られていて、第一の感想としては、「現在と比べてかなり荒い」
いい意味でも悪い意味でも荒さを感じた。いい意味では、表現から意図が伝わりやすく、変に勘ぐったり意図を想像してもどかしくなるようなことがなかった。悪い意味の荒さとは、「設定の無理」で受け入れにくい展開が多かった。「いやいや、ないでしょ」みたいな。
しかし、確実に後の作品への繋がりを感じられて、ファンとしては素直に嬉しかったのは事実。

正直、計5本の映画を一気に観ると消化しきれず、その結果として、冒頭のようなフワフワな感情で、寄る辺なく歩いたり座ったりしていたのだった。世界の感じ方を変えたい時は、早稲田松竹で映画漬けになるのがいいのかもしれない。せっかくなので、あとでちゃんと映画の感想は書いておきたい。

*ドライブマイカー の感想って書いてないんだ

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