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映画「隣人13号」レビュー

⚠️この記事はネタバレを含みます
あらすじ→感想の順に記事を書いていますが
感想のみ見たい方は目次から飛んで下さるよう
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あらすじ

R15

小栗旬演じる「十三」にはもう一人の自分がいます。(分身役 中村獅童 ここでは以下,13号と呼ぶことにします。)
十三は小学生時代虐められていたのですがそのイジメはかなり酷く顔に塩酸をかけられたりなども。
(13号の顔はただれています)

ある日十三の住む部屋(アパート)の真上に十三を虐めていたアカイ(新井浩文)が引っ越してきます。
建設現場で新しく働くことになった十三はそこの上司が小学生の頃十三を虐めていたアカイだと気付きます。(もしくは狙ってのことなのかも?)

アカイには元ヤンの可愛い奥さん(吉村由美演じるノゾミ)と可愛い息子(ユウキ)がいて幸せに暮らしています。
アカイは新入りが辞めるか辞めないかの賭けをしており,建設現場でも十三はアカイにいびられますがただ一人「セキ」は十三の事を気にかけてくれます。

アカイに脚に角材をわざとぶつけられ
トイレに行った十三をアカイは外から閉じ込め「いつまで入ってるんだよ」と茶化しますが十三はその時13号の姿になりアカイを吹っ飛ばしてトイレから出てきます。ですが一瞬で十三の姿に戻ったのでした。

その日早退した十三の元にアカイの妻「ノゾミ」と息子「ユウキ」が十三の元に引っ越しの挨拶にやってきます。
(ここで十三は自分も越してきたばかりだと答えています。)
13号は挨拶を終え出掛けた二人を見てアカイの家に忍び込み,盗聴器を仕掛けます。

次の日,昨日の怪我で仕事を休んだ十三の元に「セキ」がやってにます。
セキと十三は仲良くなります。
(しかし途中で十三の不安定な心を表すような説明がアニメーションで劇中に流れます。セキに重人格の事を言ったのかどうかはわからないような演出となっていますがセキが怯えた様子で帰るシーンに飛んでいますし後の事を考えても伝えたのだと考えられます。)

セキが帰り暴れだした13号は隣の住人を刃物でめったざしにします。
刃物を洗っている最中に十三に戻り,十三は呆然とします。

そのまた翌日,建設現場で「セキ」はアカイに何か話そうとしますが(家に行った際に十三から聞いた話のことだと思われます。)ふと端に目をやると13号がこちらを見ています。
その後,皆がランチに出掛けた建設現場で十三とセキは二人になります。
「アカイさんの事なんだけど」と切り出すセキに13号は「相談にのってくれるのか,いいやつだな」と言いますが鈍器でセキを何回も殴り,殺します。
(死体は建設現場の下に埋められてしまいます。)

その日の夜,十三の元にお土産を手にノゾミがやってきますがお礼にと十三は映画のチケットを二枚渡し,ユウキくんを預かるのでご夫婦で出掛けてくださいと言います。

家に帰ったノゾミはそれをアカイとアカイのヤンキー時代の子分に話し二人は出掛けることになります。(アカイは下の住人が十三だとは知りません。)

ユウキくんと十三は二人で遊園地に行くことになりますが不審に思ったアカイの子分が十三をつけています。
トイレに行ったユウキくんに十三は手を洗わせますが水のたまった洗面台に13号に変わりかけた十三はユウキくんの頭を掴み顔を浸けます。

アカイの子分がそれを見つけ注意すると完璧に13号に変わった姿でアカイの子分をトイレで殺します。

ユウキくんはその場から逃げ出しますが十三が迷子のユウキくんを遊園地スタッフから引き取り連れていきます。(この時十三は十三の姿ですがユウキくんは怯えています。)

場面は変わり,アパートに。
帰って来たノゾミは13号室(十三の部屋)にユウキくんを引き取りに来ますがノックしても十三は出てきません。

夜も更けアカイとノゾミは段々不安になってきます。
ここでアカイは子供(ユウキくん)を預けたのが十三だと知り,十三の部屋に乗り込みますがそこに十三はいません。しかし血痕のついたカッターやノゾミの下着,更にユウキくんの着ていたパーカーやアカイの小学校時代の顔写真が印刷された紙などをそこで見付けます。

アカイは卒業アルバムを手に取り,やっと十三が自分の虐めていた「村崎十三」だと気付きます。
ビデオカメラには遊園地で楽しむユウキくんを撮ったシーンと泣き叫ぶユウキくんの姿が写ったシーンが入っていました。

日が経つにつれ,ノゾミはストレスのせいで髪が抜け落ちおかしくなってしまいます。
また十三の部屋の隣の住人を大家さんが発見し警察もきます。
(ここで2,3ヶ月は経っているものだと考えられます。)

アカイは知り合いから銃を借り母校の小学校に乗り込みます。
塩酸の事件があった理科室に十三はいたのでした。
ユウキはどこにいるのかと聞くアカイに十三は鞄の中だとボストンバッグなようなものに目をやります。
アカイが開けるとその中には解体された?ユウキくんが入っているのでした。

鞄の前に崩れ落ち泣き叫ぶアカイに13号は「初めてだろ?こっち側の気分は。」と言います。

ここからは現在のアカイと13号(十三),小学校時代のアカイと十三のシーンが交互に流れます。

アカイは銃を突きつけられながら真っ直ぐに13号を見て昔の過ちを謝ります。
その言葉を聞いて復讐に生きてきた13号はおかしくなって暴れだし,

シーンは全て小学校にうつります。
そこにはアカイに立ち向かい初めて反抗し,呆然とするアカイと涙を拭いた十三のシーン~二人でアパートの前を仲良く話ながら帰る卒業式のシーンがうつります。十三が立ち止まって壊されるアパートのほうを見ると13号がこっちを覗いています。
遅いぞ早くしろーと言う声が聞こえ十三はアカイ達の元へ走るのでした。


感想

良くも悪くも凄くインパクトのある映画でした。
ストーリーとしては先まで読めてしまう感じのありがち話なのですがシーンの分け方や撮り方がとても面白いです。
わかりにくい&私の文章力もあり,あらすじでは2つの空間(?)しか書いていないのですがこの映画には3つの空間(?)が登場します。
現在,過去(小学校時代ですね),そしてもう1つは精神世界です。
精神世界は荒野の中にぽつんとある小屋で表されています。
その中では血まみれの十三と13号がいつも対峙しています。映画の冒頭アパートの自分の部屋から十三が弾き出され呆然とするシーンの前のシーンでは小屋から13号が十三を引きずり出していますし,最後アカイには謝られ13号がおかしくなるシーンの後ろでは小屋で呆然とする13号を置いて十三は光のさす外の世界に出ていっています。

ラストシーンの考察がとても難しいのですがパターンとしては
①このストーリーは全て妄想で
小学校時代に十三とアカイは仲直りしている。(もしかすると塩酸事件も起こっていない可能性あり?もしくは起こっていたけどそんな酷い怪我にはならなかった?)
卒業式のシーンは真実。

②このストーリーが真実。
(十三の見た目は13号のような感じなのかも?
もしくはそんな酷い怪我にはならなかったから十三?)
だけど小学校の時一度でもアカイに立ち向かっていれば未来は変わっていたのかもしれなかったなという十三の後悔。

アパートの中からこちらを見る13号は一体何を指し示しているのかという点については
①の場合,この物語の世界の外側に私達観客はいるわけですがこの観客に対しての注意換気(メッセージ)かなと思われます。
こじつけですが‥。笑
人を恨むことは駄目だ,こちらからも歩み寄ろう的な?また歩み寄らないという点で虐められているほうにも何か問題がある的な?うーん難しい‥。


②の場合は①の場合よりはしっくりきます。
今を後悔する十三が小学校の時に戻ってやり直したいと願っているならばそれを考える十三の姿を抽象的に映画として表しているパターンですね。


まあカッコ書きの顔の見た目(13号と十三)は映画上わかりやすいようにしているということも踏まえ,そんな大事なところではないので少し辻褄が合わないところがありますが,そこは多めに見て下さい(>_<)
しかし結局現在が真実なのか小学校が真実なのかわかりませんが,映画というものは必ずしも結末が2つあってはいけないというものでもないと私は思っています
ですがやはり色々考えるのも楽しいですよね。笑

私的評価★3.3です!


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