「親を支えない」、アイルランド

アイルランドに留学中なんですが、今日、アイルランド人の友達と、家族について話していて興味深かったのは、「アイルランドでは、年老いた親の世話をするという発想を誰も持ってないから、子供は成人したら何も気にせずに家を出ていくし、親も普通に自力で生きていく」という話です。

もちろん日本とアイルランドでは、色々と状況が異なるでしょうし、これがいいのか悪いのかはわかりませんが、この価値観の違いが面白いと思いました。

日本だと、「年老いた親の面倒は子がみる」ということがなんとなく義務として根付いているような気がします。20代くらいの世代だと、親の介護とかを考えることはそこまでないとは思いますが、将来的には考えなきゃいけないんだろうなぁという感覚は多少なりともあるのではないでしょうか。

まさしく、集団を尊重し、助け合いを前提とした東洋と、個を重んじる西洋の違いという感じで、どちらも一長一短あると思いますが、個人的には西洋の価値観の方が好きです。

別に親の面倒をみたくないからというわけではなく(多少ありますが笑)、なんというか、最初から誰かに頼ることを前提にして生きるという考え方が好きではないのです。

もちろん、苦しい時期に互いに支え合っていくことは間違いなく大切で、ひとりでは乗り越えられないことだって世の中にはたくさんあるので、誰かに頼らずに生きていくのは不可能に近いと思っていますが、誰かに頼るということは、自分でできる努力を放棄して楽をすることではないと思うのです。誰かに頼るということは、自分ひとりでどれだけ頑張ってもどうにもならないというときに、背中を支えてもらうことだと思うのです。

日本人って、「なんでこうしてくれないんだ!」というような他者に対する期待値がやたら高い気がします。それ故の不満やイザコザもたくさんありそうです。

それと比較して、「自分はこうやって生きていきたいから、今これをしている」というように、個人としてどうありたいか、どうしたいかを考え、そのための行動を積む、ということが当たり前の価値観として根付いているヨーロッパは、優しい環境ではないかもしれませんが、とても心地が良いです。

少し話が大きくなりましたが、そういう、自分の面倒は自分でみるという価値観が、冒頭の友達の発言の裏にはあるんだろうなぁと思います。日本人からしたら、薄情とか思いそうですが、そもそも他者に対する期待の前提が全く違うんですよね。

ちなみに、留学前に、家族で話していたときに、母親が「老後はめんどうみてね」と冗談っぽくポロッとこぼした発言に対して、「いや、将来どこにいるかも何してるかもよくわかんないから自力で頑張って」と返したところ、「薄情者」と大バッシングを受けました。笑

私としては、母親が、「親のことは気にせずに、自分の人生を生きてね!私たちは二人で頑張るから!」みたいなスタンスだったら、「いやいや!できるところは私もサポートするから!」みたいな感じでいきたいんですが、なかなか難しいですね。笑

とりあえず、当面は自分の人生を生きていきます。笑

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