#61 DIYから学ぶ"アート・クラフト・サイエンス"

友達と一緒に「DIYをしよう」ということになり、なかなか難易度の高そうな変形ベンチを作ることになりました。

結論、めちゃくちゃ難しい。笑

モノづくり難しすぎる。1日かけてもまだ完成しておりません。

会社経営とはアート、クラフト、サイエンスが混ざり合ったものだというミンツバーグの主張を思い出しました。DIYも同じではないでしょうか。それぞれのポイントに難しさがあります。

まず、デザインが良いかという点があります(アート)。いくら手作りとはいえ、デザイン的に気に入らないものを作りたくはありません。ただ、洗練されたデザインを考えるのはプロでもない限り至難の技です。

そして、仮にデザインが決まったとしても、それが構造的に耐久力のあるものなのかという計算が必要となります(サイエンス)。今回はこの部分ができていなかったため、ある程度組み上がったベンチをみて、どことなく不安感がこみ上げました。体重をかけたら破綻していまいそうな感じです。本来ならば、転倒モーメントなど物理的な安定性を示す指標を計算し、それによって安定性を担保した上で、デザイン部分と擦り合わせていくという作業が必要となるみたいです。しんどい。笑

最後、これがもっとも重要です。デザインも、構造的にも問題がなかったとして、果たしてそれが実際に作れるかという点です(クラフト)。木材のカットやネジ締め、組み付けなどを完全に手作業でやっていたため、誤差の嵐です。あっちをとれば、こっちがたたず。寸法通りにノコギリで木材をカットすることがここまで難しいとは思いませんでした。職人さんって本当にすごいんだなと謎に尊敬の念がこみ上げてきました。


アート(理想)、サイエンス(理論)、クラフト(実行力)と言う感じでしょうか。どれか一つでも欠けていたらダメです。理想を情緒的に語れる力、冷静にロジックで物事を分析できる力、それを形にする力、それぞれが揃わないと、いい作品、いい会社は作れない気がします。

本を読んだり、知識を身につけると、サイエンスの部分が伸びますが、それだけでは頭でっかちの批判ばかりするやつになってしまいそうです。見栄えにこだわったり、人に伝えることを意識していくと、アートの感覚は育つかもしれませんが、薄っぺらい人間にもなりかねません。そして、手を動かしてひたすらモノを作っていくのは、もしかしたら自己満足で終わってしまうかもしれません。

結局何を作るにあたっても、大事なのは届けたい人のことを思い、どんなモノなら使いやすいかな、楽しいかな、安心かな、ということを考え、あとはひたすら手を動かすことなのでしょう。

奥が深いぜDIY。

ps. 完成しました。※写真は友人




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