#46 残るものを作りたい

日々生きる中で何を残しているか、ということをこの頃意識するようになった。

というのも毎日の仕事に忙殺される中で、あまりもあっけなく時間が過ぎ去っていまうからだ。1週間振り返ったときに「あれ、何してたんだっけ?」となることが多すぎる。

もちろん仕事をうまく回せる力がついたり、お客さんから信頼を得られるようになったり、社内で顔が効くようになったりと日々変化している部分はあるけれど、ネックなのはそれがすべて「会社」に紐づいているということだ。結局その会社の仕組みの中で最適化されていくだけで、一歩外へ踏み出したときにそのまま使えるものはほとんどない。

あれだけの時間と労力を費やしているのに、「個人」としての自分の手元に残るのが「お金」だけだとしたら、なんだか寂しくなってきた。バイトと変わらないじゃないかと思った。

もちろん、その仕事自体の面白さとかやりがいとか感動はあると思うけど、あくまでそれは一過性のもので、時間が経つとまるでなかったものになってしまう。だから、「時間が経っても残るもの」に意識を向けて、生産していった方がいいと思い始めた。

例えば、映画監督や漫画家などは良い。自分の費やした時間、お金、労力が「作品」として残っていく。直接的に収入に繋がるのはもちろん、自分の力を示すための名刺代わりになったり、何より後の世代へ影響を与えることができる。

一方で、アナウンサーとかコンサルとかの職業はある意味対極だ。華やかなイメージもあるし、頭の回転、瞬発力、思考を整理して端的に相手に伝える力などは圧倒的に磨かれるが、その仕事が終わった後に具体的に残るものがないんじゃないかと思う。ニュース番組や市場分析のレポートをお気に入りの作品として見返す人はいないだろう。言い換えるとその瞬間にはかなりの価値があるが、時間が経つと価値がなくなる作品しか生み出せない。

だから、ちょっと横文字を使っていうと、「フロー」ではなく「ストック」を生み出す仕事に力を入れた方がいいということだ。優れた漫画や映画のような作品は、時代を超えて価値を生み出す「ストック」だ。良くも悪くも作るほど積み重なっていく。

営業という仕事をしているため、気をぬくと毎月の売上を追うという「フロー」への意識ばかり高まってしまう。もちろん企業としての活動を回していくためにも、自分の収入を得るためにも安定した「フロー」を得ていくことは重要項目だが、それだけでは、いつか年老いて物理的に脳みその機能が低下した時にジリ貧になってしまう。

これは困った、しかし、何をしたらいいかわからない。

ということでこのnoteでの投稿を始めたり、オリジナルのアプリを作ったりと日々模索している。まぁただやってみたかった、というのがほとんどなんだけど。

まだまだそれによって目覚ましい結果が出ているとはまったく言えないけど、ふっと一週間をふりかえった時にnoteの投稿をみると、なんだかちょっと「ストック」を生み出せているようでうれしい。

「ストック」というのは、ある意味、生きた証みたいなものなのかもしれない。

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