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脳をぶち抜かれにバトルライブへ

「粗品に勝ったら10万円」というライブを配信で視聴。爆発的な満足感だったのだが、そもそも私はバトルライブというものが好きすぎるのかもしれない。

このライブは、霜降り明星の粗品が、(基本的に)粗品の後輩~同期に当たる芸人を14組集め、自身を含めた15組のネタを披露して順位を付けるというもの。

そしてタイトルの通り、客票と審査員票に基づく順位が粗品より上だったら10万円がもらえるという明快なバトルだ。

今回は、「粗品に勝ったら10万円」の感想と、そもそもバトルライブの良さみたいな部分について考えてみる。

「粗品に勝ったら10万円」感想

ただのバトルライブに140万円(一組あたり10万円の賞金を全組分用意されていた)が持ち込まれた時点でグッとひりひり感が増す。

全員お金が欲しいのは当たり前だと思うがそれ以前にこのライブは、「M-1、R-1チャンピオンと完全に対等にネタで戦う」という珍しい機会だ。

全員が「勝ち」にいく熱量で滾っているライブが、面白くないわけがなかった。

ネタ前に出番順抽選会を行い、その後5組ずつの3ブロックに分けてネタが披露される。出番順抽選会の時点で心のボルテージが上がりまくっていた。

トップバッターの茜250ccから、ただただネタが面白い。ママタルトのパワーに圧倒され、軟水はとてもとても好みだった。そして主催者粗品のネタ、会場を爆発させた性格悪すぎるフリップの中身が忘れられない。

Bブロックでは、ラストのオダウエダで記憶がぶっ飛びかけたが、フースーヤのあのネタを観ることができた嬉しさやストレッチーズの熱量のおかしさはよくよく覚えている。

Cブロック、真空ジェシカがつかみから物凄かったり、パンプキンポテトフライ、10億円の漫才には心掴まれたりしていたら一瞬で15組のネタが終了していた。

全組苦しくなるほど面白かったというのに、この中から3組選んで投票しなくてはならない。歯ぎしりしながら悩んで投票した。

こうも全組が面白いと、結局「他と違う」インパクトや「好きだ!!!」と脳をぶち抜く何かを与えてくれたものに投票するしかない。

決して年数で培われるものではないだろうが、今回のライブに限ってはやはり芸歴が上だったり賞レースで結果を残している人たちは、その組、その人にしか持ち得ない魅力で他と一線を画しまくっているように感じられた。

そしてライブ本編と同じくらい楽しかったのが投票集計中の大喜利。大喜利を得意とするメンバーも多くいたこともあり、すごいテンポで繰り広げられる強回答の応酬に呼吸が追いつかない。

また、どんな回答でどんな空気になっても粗品とMC昴生の手腕でどうにかなってしまうのも本当にすごい。

個人的には大鶴肥満とオダウエダの2人の回答が大好きだった。

そして集計が終了して結果発表。納得の結果と、問答無用で最下位まで順位を発表させる主催者に震えたりもしたが、とにかく120分ギュウギュウに楽しいライブだったからこれから配信で購入する価値は、ありまくる。

バトルライブがこんなにも楽しいのは

本来、面白さに順位とか付けるのは不可能だという思想はベースにある。よって、全員に順位が付けられることはそこまで喜ばしいことではない。

自分が投票をしないといけないときも、決めきれなくて死ぬほど迷って苦しむし。

ただ、私は「お笑い」というジャンルで括られる色々の中で特に「ネタ」が好きなので、とにかく「ネタ」の純度が高いバトルライブが大好きなのだと思う。

あと意外と、最近お笑いが好きになってライブにあまり行ったことのない人にもバトルライブをおすすめしたい。

個人的な感覚だが、コーナーライブとかは意外と上級者向けだ。しかし、バトルライブで次々繰り出されるたくさんのネタを見れば必ず新たに「面白い!」と思える出会いに繋がるし、その出会いをきっかけに他のライブを楽しむこともできるようになることに違いない。

漫才劇場のグランドバトル、無限大ホールのムゲンダイチャンピオンシップとも違って、こうして芸人自身が選んだメンバーで行われるバトルライブはより一層貴重で、本当に有り難いので第2回が楽しみで仕方がない。


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