宇多田ヒカルと“落とし物”と“孤独”
「落とし物を見つけるのが好き。
I like finding things in the street.」
これは、宇多田ヒカルのInstagramの自己紹介に書かれている一節です。
彼女は、自身のInstagramアカウントにて、しばしば落とし物の写真を投稿しています。
宇多田ヒカルと”落とし物”
宇多田ヒカルは、2020年に出演したバラエティ番組で、“落とし物”について以下のように語っています。
彼女は、“落とし物”という、本来たどるはずの運命から外れた存在に、自身の姿を重ねているのです。
自身にとっての“作詞”について、宇多田ヒカルは以下のように述べています。
彼女は、“落とし物”への自己投影のその先に、何を見ているのでしょうか。
宇多田ヒカルと”孤独”
プロデューサーの宇多田照實を父に、歌手の藤圭子を母に持つ彼女は、幼少期より特殊な環境で育ちました。転居や転校も、よくあったそうです。“宇多田ヒカル”と“孤独”は、常に背中合わせでした。
全ての落とし物には、本来たどるはずだった運命があります。運命から外れなければ、いまごろは持ち主の家にいたかもしれないし、持ち主が身につけていたかもしれません。
彼女は、置いていかれてしまった“落とし物”に、Instagramの投稿を通じて、居場所を与えているのではないでしょうか。
これは、孤独と向き合い続けてきた彼女にしか送れない、落とし物へのラブレターように思えます。
日曜日の昼下がり、ヘッドホンから流れる『For You』を聴きながら、私はこんなことを考えたのでした。
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