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【栄養学】生きる知恵!!

●はじめに

栄養学とは、食べ物と健康の関係を研究する学問です。私たちが健康に生きるためには、必要な栄養素をバランスよく摂取することが大切です。

栄養とは、食物の摂取・消化・吸収・代謝 体内で行われる一連の営みのこと

『栄養学は生きる知恵、食事学は生きる力』


●目的

栄養学の目的は、健康な生活を維持するために必要な栄養素の知識を身につけ、それを実践できる。
そして、「個人または集団の栄養状態を客観的に評価すること」栄養アセスメントができること。


●歴史

栄養学は、古代から人々が経験的に培ってきた食事と健康に関する知識の集積です。19世紀以降、科学的な方法を用いて研究が進められ、現在では栄養学は医学や公衆衛生において重要な学問となっています。


●5 大栄養素とエネルギー産生栄養素

栄養素は、大きく分けて「エネルギー産生栄養素」と「微量栄養素」の2つに分けられます。

栄養素と3大生理作用

【エネルギー産生栄養素】
私たちの体内でエネルギーを生み出す栄養素のことです。炭水化物、脂質、たんぱく質の3種類があります。

・炭水化物
体内で最も効率よくエネルギーに変換される栄養素です。主食や菓子類などに多く含まれています。

・脂質
エネルギーの蓄えや、細胞膜の構成成分として重要な役割を果たします。油脂類やナッツ類などに多く含まれています。

・たんぱく質
筋肉や骨、臓器などの構成成分として重要な役割を果たします。肉や魚、卵、大豆製品などに多く含まれています。

エネルギー産生栄養素は、バランスよく摂取することが大切です。厚生労働省の食事摂取基準では、炭水化物:脂質:たんぱく質 = 55:25:15が目標とされています。

※炭水化物
炭水化物は、糖やデンプンなどの単糖類や多糖類からなる栄養素です。体内で消化・吸収されると、ブドウ糖になります。ブドウ糖は、私たちの体の中でエネルギー源として使われます。

炭水化物は、脳や神経、筋肉などのエネルギー源として欠かせません。また、食物繊維も炭水化物の一種で、腸内環境を整える働きがあります。

※脂質
脂質は、油脂や脂肪酸からなる栄養素です。体内で消化・吸収されると、脂肪酸になります。脂肪酸は、体温を保つ、細胞膜の構成成分となる、エネルギー源となるなどの働きがあります。

脂質は、体内でエネルギー源として使われますが、炭水化物よりも効率が悪いです。そのため、エネルギー源として主に使用されるのは炭水化物で、脂質はエネルギー源として使われる場合と、エネルギー源として使われず、体内に蓄えられる場合があります。

脂質は、過剰に摂取すると、肥満や生活習慣病のリスクが高まるため、注意が必要です。

※たんぱく質
たんぱく質は、アミノ酸からなる栄養素です。体内で消化・吸収されると、アミノ酸になります。アミノ酸は、筋肉や骨、臓器などの構成成分となる、酵素やホルモンなどの材料となる、エネルギー源となるなどの働きがあります。

たんぱく質は、体内で合成されるものもありますが、一部は食事から摂取する必要があります。たんぱく質が不足すると、筋肉量が減少したり、免疫力が低下したりする可能性があります。

エネルギー産生栄養素は、私たちの体にとって欠かせない栄養素です。バランスよく摂取して、健康的な生活を送りましょう

【微量栄養素】
体内で少量しか必要とされない栄養素のことです。ビタミン、ミネラル、食物繊維が含まれます。
ビタミンは、体内で合成できないため、食事から摂取する必要があります。ビタミンには、水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンの2種類があります。

  • 水溶性ビタミンは、水に溶けやすい性質があります。ビタミンB群やビタミンCが含まれます。

    • ビタミンB群は、エネルギー代謝や造血、神経系の働きに欠かせません。

    • ビタミンCは、コラーゲンの生成や抗酸化作用に役立ちます。

  • 脂溶性ビタミンは、脂に溶けやすい性質があります。ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKが含まれます。

    • ビタミンAは、視覚や免疫機能の維持に欠かせません。

    • ビタミンDは、骨の形成やカルシウムの吸収に欠かせません。

    • ビタミンEは、抗酸化作用に役立ちます。

    • ビタミンKは、血液凝固に欠かせません。

ミネラルは、体内で合成できないため、食事から摂取する必要があります。ミネラルは、大きく分けて三大ミネラル、微量ミネラルの2種類があります。

  • 三大ミネラルは、体内で最も多く含まれるミネラルです。カルシウム、リン、マグネシウムが含まれます。

    • カルシウムは、骨や歯の形成に欠かせません。

    • リンは、骨や歯の形成やエネルギー代謝に欠かせません。

    • マグネシウムは、骨や歯の形成やエネルギー代謝に欠かせません。

  • 微量ミネラルは、体内でごく少量しか含まれないミネラルです。鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデンが含まれます。

    • 鉄は、赤血球のヘモグロビンを作るのに欠かせません。

    • 亜鉛は、免疫機能や代謝に欠かせません。

    • 銅は、エネルギー代謝や骨の形成に欠かせません。

    • マンガンは、エネルギー代謝や骨の形成に欠かせません。

    • ヨウ素は、甲状腺ホルモンの合成に欠かせません。

    • セレンは、抗酸化作用に役立ちます。

    • クロムは、インスリンの効果を高める働きがあります。

    • モリブデンは、エネルギー代謝に欠かせません。

食物繊維は、体内で消化吸収されない成分です。腸内環境を整える働きがあります。
微量栄養素は、体内でさまざまな役割を果たしています。不足すると、さまざまな健康障害を引き起こす可能性があります。そのため、バランスの良い食事を心がけ、微量栄養素をしっかりと摂取することが大切です。


●推定エネルギー必要量

推定エネルギー必要量とは、1日あたりに必要とされるエネルギーの量です。

・基礎代謝量
 呼吸や心臓の鼓動など、生命維持に必要なエネルギーの量です。  
 体重1kgあたり、約1kcal/hのエネルギーが必要です。 

・身体活動レベル
 
日常生活や運動によって消費されるエネルギーの量です。
 活動量が多いほど、活動代謝量は多くなります。



●摂取エネルギー量

摂取エネルギー量とは、1日あたりに摂取するエネルギーの量です。
・炭水化物 4kcal
・たんぱく質 4kcal
・脂質 9kcal

食事摂取基準
健康な人が1日あたりに摂取すべき栄養素の量を定めたものです。


●エネルギー消費量

エネルギー消費量とは、1日あたりに消費するエネルギーの量です。
総エネルギー消費量=
基礎代謝量+食事誘発性体熱産生+身体活動量

  • 体重

    • 体重が多いほどエネルギー消費量は多くなります。

  • 性別

    • 男性の方が女性よりもエネルギー消費量は多くなります。

  • 年齢

    • 年齢を重ねるとエネルギー消費量は少なくなります。

  • 活動量

    • 活動量が多いほどエネルギー消費量は多くなります。


●エネルギー産生栄養素バランス

エネルギー産生栄養素は、バランスよく摂取することが大切です。

  • 炭水化物:脂質:たんぱく質 = 60:25:15


●食事摂取基準

食事摂取基準とは、健康な人が1日あたりに摂取すべき栄養素の量を定めたものです。厚生労働省が定めており、5歳から74歳までの男女別に、エネルギーや各栄養素の摂取目標量が示されています。


●アルコール飲料

アルコール飲料は、エネルギー産生栄養素の一つです。ただし、アルコールは健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、摂り過ぎには注意が必要です。

・醸造酒 ワイン・ビール・日本酒
・蒸留酒 焼酎・ウイスキー
・混成酒 リキュール・梅酒

アルコールは、体内では酢酸に変換されて代謝されます。酢酸は、体内でエネルギー源として使われますが、その過程でアセトアルデヒドという物質が生成されます。アセトアルデヒドは、体に毒性があり、頭痛や吐き気などの二日酔いの原因となります。

アルコールの代謝には、主に肝臓が関わっています。肝臓は、アルコールを分解して無毒化する酵素を持っています。しかし、アルコールの摂取量が多いと、肝臓の負担となり、肝機能の低下や肝臓病のリスクが高まります。

アルコールは、栄養素ではありません。そのため、アルコールを摂取しても、体に必要な栄養素は摂取できないと考えられています。また、アルコールは、ビタミンやミネラルの吸収を阻害する働きがあるため、栄養のバランスを崩す可能性があります。


【アルコールの代謝】
アルコールは、小腸で吸収された後、肝臓で分解されて無毒化されます。肝臓には、アルコールを分解する酵素であるアルコール脱水素酵素が存在します。アルコール脱水素酵素は、アルコールを酢酸に変換します。

酢酸は、体内でエネルギー源として使われますが、その過程でアセトアルデヒドという物質が生成されます。アセトアルデヒドは、体に毒性があり、頭痛や吐き気などの二日酔いの原因となります。

アセトアルデヒドは、さらに分解されて酢酸になります。酢酸は、体内でエネルギー源として使われたり、脂肪酸や糖質に再合成されたりします。

【アルコールの栄養】
アルコールは、栄養素ではありません。そのため、アルコールを摂取しても、体に必要な栄養素は摂取できないと考えられています。

また、アルコールは、ビタミンやミネラルの吸収を阻害する働きがあるため、栄養のバランスを崩す可能性があります。

例えば、アルコールは、ビタミンB群の吸収を阻害する働きがあります。ビタミンB群は、エネルギー代謝や神経系の働きに欠かせない栄養素です。アルコールを摂取すると、ビタミンB群が不足し、疲労感や神経系の症状を引き起こす可能性があります。

アルコールの摂取量と健康
厚生労働省は、成人男性は1日あたり20g未満、成人女性は1日あたり10g未満のアルコールの摂取を推奨しています。これは、ビールなら中瓶1本、日本酒なら1合程度です。

アルコールの摂取量が多いと、肝機能の低下や肝臓病、肥満、生活習慣病などのリスクが高まります。また、飲酒運転や事故などのリスクも高まります。

アルコールを摂取する際は、適量を守り、健康に注意しましょう。


●まとめ

栄養学基礎編を勉強して、今後の食生活に活かすためには、以下の3つのポイントを押さえることが大切です。

1.栄養素の役割と働きを理解する
栄養素の役割と働きを理解することで、自分に必要な栄養素をバランスよく摂取するための意識を高めることができます。

2.食材と栄養素の関連を把握する
食材と栄養素の関連を把握することで、栄養バランスのよい食事を組み立てやすくなります。

3.自分の食生活を振り返る
毎日の食生活を振り返って、栄養バランスが偏っていないか確認しましょう。栄養バランスが偏っている場合は、食材や調理法を変えることで改善することができます。

栄養学基礎編を勉強することで、健康的な食生活を送るための知識やスキルを身につけることができます。ぜひ、これらのポイントを押さえて、栄養バランスのよい食事を心がけましょう。




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