小さな自由#67

春めいてきた。

桜のつぼみが我先にと青い空に向けて開いていく。

ちょっとだけの変化と、日常に揉まれ、自由も思考の幅もどんどん、どんどん、狭くなる。まだ、自分は減っていくのか。

SNSでつぶやく自分の言葉もすり減って、Instagramも子どもの投稿ばかり。少し気を抜くと自分の言葉が消えていく。

ああ、息苦しい。

窓を開けて換気する。風が爽やかでめまいがしそう。

小さな小さな自由を切り貼りして生きている。もう、子育てを始めて6年か。

子どもとやった方がいいことが100のうち5くらいしかできないまま、やつらはすごいスピードで背が伸び、意思がふくらんでゆく。

いつまでも受け身の子どもじゃない。

対等になりたいと願ってきたけど、そうなったら、遊んでくれる時間なんて一瞬なんだろうな。

スタバで甘いドリンクを頼んで一口目の甘い味が口に広がるときに感じる自由。

特に目的はないけど本屋やユニクロによって物色する自由。

好きな漫画や本を隙間時間で読む自由。

授乳や寝かしつけをしながら見るAmazonプライムのドラマや映画。

寝かしつけた後気力がなくて寝落ちするまでするswitch。

隙間隙間をぬって自由をつまみ食いする。

足りない足りない足りない。

でも、細切れの幸せの中にいるという矛盾。

パンをかじりながら、珈琲を流し込み、気力を埋めて、今日も生きねば。

子育てはまるで賽の河原の様だわ。