おすすめ本紹介:「ノマドのマドvol.36」より

ノマドプロダクションのメンバーが、ノマド界隈の皆様におすすめしたい情報を紹介していくシリーズ。今回は11/14に配信したメールマガジン「ノマドのマドvol.36」より、2冊の本をご紹介します。

旅の効用 人はなぜ移動するのか

コロナ禍において、潜在的な移動(旅)への衝動や放浪の精神性などへの関心が高まり手にした書籍。結果として、外出制限によるストレスを増大させる要因となった。内容は、スウェーデンのジャーナリスト・作家であり、バックパッカーとして世界各地を旅した著者のエッセイ集である。体験した旅の様子がリアルに表現されていると共に、著者の思想、それらを裏付ける歴史的な背景の記載などもあり、旅を起点とした哲学的書籍という感もある。私は、磨かれる感性、経拡大する視野など、旅から得られる効用に共感し、遊牧生活の記憶や宗教的な行動としての放浪などに、探していた衝動・精神性への入口を得たと感じている。エッセイであるためとても読み易く、読み進めることにより、自分の中にある「未知なるものへの憧れ」が高まるだろう。中扉(全18ページ)で購入すべきか判断ができる。各章のタイトルと共に本文から抜粋された1文が記載されているのだが、そこにときめいた方は一読の価値があるだろう。(佐藤卓也)

声めぐり
COOK

選べなかった。「おすすめ本の紹介」と言われたら普通は一冊に絞るものだろうに。『声めぐり』は、大好きな写真家・齋藤陽道さんが、音声ではない「声」についてめぐる人生という旅の記録。涙なしで読めたことがない。『COOK』は、レシピに頼らずに料理に挑む坂口恭平さんのセンスと、「すべての創造の源が料理なのではないか」と核心を語るあとがきが何度開いても爽快だ。はたからみても性格もまったく違うけれど親しいこの二人。どちらかの本に選べなかった理由は二人の「つながるなにか」によるものなのかもしれない。まもなく、齋藤陽道さんの一家は熊本へ移住する。そう、坂口恭平さんのいる熊本へ。すっごくさびしい気持ちとこれからが楽しみな気持ち、どちらかに目をつぶるのではなくどちらも正直な気持ち、大切にしよう。(米津いつか)


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