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2024年9月の記事一覧

蜘蛛の糸

風呂に落っこちた虫を助けようと
手で掬ったら指を噛まれてしまった
助けてやろうとしたのになんと恥知らずな奴

それが私の驕りなのだろう
それが私の物の見方なのだろう
それが私の全てなのだろう

必死さを嘲り
己は努力を怠り
現在がある

歪んだ脂肪のかたまり

どこに何が垂れ下がろうとも
掴まる気力がない

涙の理由

あなたがいなくなった
あの日
あなたは泣いていた

その涙の理由を
探そうとも
知ろうともせず

怖くなって逃げた

青空をじっと見つめていると
不意に涙が滲んだ
晴天の日の昼下がり

あなたを知ろうともしなかった私は
私の事すら知らないまま
揺れる想いを
じっと抱えたまま
ただ
なんとなく
扉の前に立っている

どんな人も生きてていい
「当たり前」
のことなんだけれども

どうやらそれが否定されることも
世の中にはあるみたいだ

僕は僕自身の事が恥ずかしい
存在が
言動が
見た目が

作り上げた言葉はみっともないし
思考も幼稚

苦い過去が不意に目の前を通過する
──あんな事しなければよかったのに
──どうしてあんな事をしたのだろう
──勇気を出さなければ
──あの時勇気を出していれば
...。

僕は決

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あの頃

人と人を結びつけた先に
一つの後悔が呼び起こされる

スイカがごろごろと転がって...
行き着く先は真っ暗闇

心の中で別れを告げたはずなのに
もう会えないとわかっているのに
傷んだ脳は後ろへ、後ろへ、後ろへ

誰かの話は退屈で
何度も聞かされて
けどそんな当たり前の話が
心の中に入ってきて

苦しみも
辛さも
みんな優しい思い出

スイカがごろごろ...
あれは昭和の話

これは今の話
どうにも

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たい焼きとたこ焼き

甘くもくどくもない

中間地点の無味無臭を漂う

さしずめ私は陸のクラゲ

おみくじ

私は凶
あなたは
小吉

あらかじめ決められた運勢
私達の未来は何処にもなく

自らその縁を断ち切った