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2024年2月の記事一覧

少しだけ疲れたから
ちょっとだけ夢みがちだから
大きな期待をしたから
悲しい

ああ、
最初からわかっていたこと
それなのに
私の心は
何も見ようとしなくて
何も見えなくて

あなたの瞳をまっすぐ見つめられたら
少しは変わっていたのかもしれない

いまさら、いまさらのこと
この感情は一瞬で永遠のもの
だから忘れられないだろうし
忘れる事を許してくれない

不意に誰かが泣き始める
やっぱりみんな悲し

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待ち人来ず

もう帰ってこないってわかったとたん
心のどこかに空白があったと理解する

寒空の下
プラットフォームで
どこかのだれかを待つ
それが君なのかどうか
僕にはわからない
本当はわかっているのに
わからないふりをする
わかろうとしない僕がいる

来ないかな
来てくれないかな
来てくれない方がいいのかもしれない
あと10分、20分待とう

そしたら来るかもしれないし
来ないかもしれない

結果がどうであれ

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やっぱり

来ないかな
来ないだろうな
来ないかな
来ないだろうな
そんな馬鹿みたいな期待が
行ったり来たり

信じたいものを信じて
信じたくないことを信じない

人間って馬鹿な生き物ですね

哀れな私はプラットフォームで
行き合う人々を見送って
数限りないドラマを知る

今日は晴れです
とっても気持ちのいい空です
絶好のお出かけ日和です
なのに、なのに
私は灰色の壁を眺めて
いつまでも悲しい夢を見ています

正しさ

この世の中には
正解なんてなくて
不正解なんてものもない

だから
僕は良いとか悪いとか
正しいとか正しくないとか
好きとか嫌いとか
考えずに

ただ思った通り
行動し
実行していくだけ

それが間違いだとは思わない

諦め

「なぜ?」
を考えても
しょうがない
しょうがないよ
しょうがないよね

多分
答えなんかないだろうし
言葉になるものが全てじゃないし
直感って結構大事だから

だから
「どうして?」
なんて考えない

君がそう判断したなら
僕はそれを支持するだけ

本当はわかってほしいって思うけど
もういい
もういいよ
もういいよね

さようなら

ピリオド

無言のお別れ
あなたに会っても
さようならも言えない私
けど、これでいい これでいい

春一番が闇夜を貫き
何かを失った痛みだけ 痛みだけが
ポツンと残されている

きっと明日
素晴らしい朝を迎えられる

心の中に傷を携えて
少しずつ前へ 前へ
立ち上がって

もう少しだけ頑張ろうよ

憂鬱

言葉の端々に疲れて
伸びる布団
さざめく夢は
ブレーキの効かない車
向こうからパトカーがやってきて
私を追い詰める
さんざめく赤は幻か
それとも何かの警告か

ゆらゆら揺れる視界の中で
白い朝を迎える
また今日が始まった

──もう逢えない夢を見てしまったの

そんなあなたの言葉が悲しくて
私は田んぼに映る
青空を眺めていた
おたまじゃくしがうじゃうじゃと
茶色くて水色で透明な水の中を這い回る
なんでこんなに必死なんだろう?

とてもいいお天気なのに
冷たい水が私の心臓にかかる

多分それは夢じゃなくて
近くにある現実だから?
遠回しな言葉がグルグルと反芻し
ずっと頭の中で回り続ける

私は早くこの夢から目を覚ました

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あなたを追いかけても
影は逃げていくばかり

──捕まえて離さない

そう強く抱きしめて
しがみついても

スルリ、スルリと
影は逃げていく

どうして離れようとするのか
どうして離れてしまうのか

後ろを振り返れば私の影はなく
ただ真っ白な太陽が
暗い部屋を照らしていた

悲痛

この胸の奥の空白を何に喩えればいいのだろうか
切ないとも、悲しいとも言えない
けれどもこの空白は必ず存在する
逆らえないから
不可抗力だから
不条理な世界で
理解できない人間関係
夢が墜落し
それでもまだ何かに縋りついて
私は泥の川を渡る
何かあると信じて
あなたを信じて…

ざわめき

一個の告白がひと段落すると
どこまでも精神は安定に向かっていく
この心がどこまでも自由であれたら!
飛翔する鳥はどこまでも飛んでいき
空中をぐるぐると旋回する
地の底、空の向こう
またどこかに着地する
ああ、人間はなんて孤独なんだ!
誰かを助けようとしても
あなたを助けようとしても
強く強く願うことしかできない
ふいに涙が溢れる
ずっと昨日の情景を思い浮かべ
ずっと昨日のあなたを思い浮かべ
どうし

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