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oViceを使った日本語サマーコース実践記録- SDGsについて考えよう!-

実はちょっと前から柳川高校のASEANオフィスの実験プロジェクトのお手伝いをさせていただいています。今日はその実践報告です。

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8月3日〜5日にかけて、柳川高校の留学生とASEANオフィスの学生を繋げた3日間のオンラインサマーコースをデザイン&実施しました。
生徒の出身国はインドネシア・タイ・ミャンマー・韓国・台湾・日本!
出身国も日本語レベルもバラバラな中、SDGsについてみんなで考える。しかも使うプラットフォームはファシリテーターも初めて使うoVice、というなかなかチャレンジングな条件で、ワークショップを行いました。

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oViceって何?

oVice(オーヴィス)とは、いつでもふらっと立ち寄れるバーチャル空間で、リアルと同じように話している人に近づいて話の内容を立ち聞きしてから会話に入るかどうか決められたりします。

Zoomだと、まずホストが時間を指定してミーティングを立ち上げないといけませんし、まずはメインルームに入って、そこからホストが作ったBreakout Roomに入るという感じですよね。
一方、oViceはホストがいなくても、ルームのURLさえあればいつでもアクセスできます。そして、自分のアバターを話したい人に近づけると相手の声が聞けたり自分の声が相手に届くようになります。

例えば、AさんとBさんが話しているところに近づいていって立ち聞きをするというのもOKです。で、Zoomのようにビデオや画面共有を使ってミーティングしたいな〜という時にはミーティングポイントというところに繋げるとZoomと同様に話すことができます。

今回使ったoViceのページはこんな感じ↓
デザインも自由に選べます。

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↑上の写真では、生徒たちがA、B、Cグループに分かれてミーティングポイント(テーブルの真ん中にある白地に黒い人の丸いアイコン)に繋いで話しています。ミーティングポイントに繋いでいる人同士はビデオで顔が見られたり画面共有ができたりします。

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ミーティングポイントに入るとこんな感じ↑(写真掲載の許可はもらっています)

Zoomでは手をあげたりアイコンで拍手したりする機能がありますが、oViceでもできます。プラットフォーム上でhandと入力すると下の写真のように手が挙げられ、clapと押すと拍手マークと共に「パチパチパチ〜」と音声も出て楽しいです。

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今回は、母語も日本語レベルも異なる13人の生徒のミックスだったので、インストラクションについて行けていない生徒も時々いましたが、そういう時は同じ国出身の生徒が困っている生徒の近くによって母語で説明してあげたりしていました。こういうことができるのもoViceならではですね。

oViceに興味のある方はこちらのサイトから詳細をご覧ください。

コースデザイン

<1日目>
1日目の目標はSDGsについて知ること。母国で学んだことがあるという生徒もいれば、聞いたことがないという生徒もいました。まずは自分ごととして捉えてもらうために、17のゴールを紹介した後、どれが好き?自分の国にとってはどれが大切?というのを考えてグループで話すというアクティビティをしました。
グループワークにはカードや付箋を自由に動かせるJamboardを使用。

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ミャンマーの生徒は「平和と公正を全ての人に」、タイの生徒は「貧困をなくそう」、日本の生徒は「質の高い教育をみんなに」や「住み続けられるまちづくりを」等、選ぶゴールにもそれぞれの国の現状が反映されたものが多く、「なんでそのゴールを選んだの?」「ミャンマーって今どうなの?」等生徒たちは活発に話していました。

1日目はoViceの使い方に慣れていないということもあり、細かいトラブルはたくさんありましたが、さすが高校生たち。1日目が終わる頃にはほとんどの生徒が使いこなしていました。

そして、授業が終わったあともいろんなところに移動して雑談している様子が見られ、リアル空間の休み時間みたいだな〜と、改めてoViceの良さを感じました。

<2日目>
2日目はそれぞれのSDGsの17のゴールがお互いに関係し合っていることを学んだ上で、グループでトピックを選びます。そして、そのトピックに関して自国ではどんな問題があって今どんな取り組みがされているのかをグループの人にシェアするというアクティビティをしました。

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面白かったのが、「平和と公正をすべての人に」を選んだグループ。グループにミャンマーの生徒がいたので、このトピックに決まったのですが、日本にいる生徒は、「自分の国(日本)で平和と公正が問題になっていることってある?」「考えたことないから分からない!」と結構調べ学習に苦戦していました。日本語ができるからといって簡単なわけではない、というのがこのようなContent Based Learningの面白い部分でもありますね。

<3日目>
3日目はこれまで学んできたことの集大成。グループでポスターを作ります。
SDGsについて学んだことのない生徒やあまり知らない生徒に、今回サマーコースで学んだことを知ってもらうためのポスター、ということで、グループで自由にトピックを選んでもらい、伝えたいメッセージを考え、オンラインポスターを作ってもらいました。

ポスター作成には私も個人的に良く使っているCanvaを使ってもらいました。完成したポスターがこちら。

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ディスカッションとポスター作成で1時間半弱しかなかったにもかかわらず、立派なポスターを作り上げてくれました。作成したポスターは、学校やASEANオフィスに飾ってもらう予定をしています。

今後もこのようにoViceの空間を使って、留学生が楽しく日本語を使いながら学べる授業をいろいろ企画できたらなあと思っています。
そして、日本語教師や英語教師を対象にoVice体験セッションとかもできたらな〜と思ったり。
また詳細が決まり次第、Twitter(@sgs_natsuko)でお知らせします!

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