キコリの生態(「林業」という業種について)

こんにちは、ノマドフォレスターです。

キコリという人たちの仕事を皆さんはどれほどご存じでしょうか?今回は、そもそも論から始めたいと思います。

私は、「キコリ」とキャッチーなフレーズで呼んでますが、私個人の「キコリ」の定義は、第1次産業の「林業」で働く人間を広く指してます。

しかし厳密に言うと、「キコリ」は、「樵」という漢字を書き、樹木を伐採する人やそれを生計を立てる人を指します(参考:wikipedia)。

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所謂こういう人です(ちなみに、2013年頃の私です)。

「林業」に対する世間一般のイメージは、主に「木を切る仕事」や「木を植える仕事」であると思います。

…正解!

日本の林業は、スギ、ヒノキ、アカマツ(本州、四国、九州)、カラマツ、(北海道、本州の一部)、トドマツ(北海道)等の、主に「針葉樹」と言われるカテゴリーで構成され、ある程度の面積を一斉に木を植え、木の年齢や高さや太さが揃っている林(単層林)を対象に作業をする事が多いです。

木を育てるのに必要な工程は、大きく「植栽」→「下刈り」→「間伐」→「皆伐(主伐)」→「地拵え」という大枠での作業が必要になります。最終目標は、木を切って木材にする事です。

一歩つっこんで説明すると、「植栽」=「木を植える仕事」、「下刈り」=「植えた木の苗が育つように周りの草を刈る仕事」、「間伐」や「皆伐(主伐)」=「木を切る仕事」、「地拵え」=「切った跡地に次の植栽をするための準備作業」の事です。

ちなみに、「間伐」と「皆伐(主伐)」の違いは、「間伐」は林が成熟前の”間引き”作業を指します。「皆伐(主伐)」は、すべての木を伐る”収穫”の作業を指します。

さらに、地域や植えた樹種、木材の使い方より、早春に苗木を雪に押されないようにする「雪おこし」や、下刈りと間伐の間の時期に、自然に生えてきた木を切る作業の「除伐」という草刈りと木を切るのの中間で行う作業、植栽した苗木に絡みつくツル植物を外してあげる「ツル切り」、節の無い木材(所謂”無節”と言われる柱材として見栄えが良いとされる材)を生産するために行う「枝打ち」等々があります。

一言に「木を育てる」と言っても、実は工程が多く、複雑です。地域による違いや、将来仕立てたい理想の木材の展望、収穫したい木の太さ、樹種により異なります。

私は、こういう将来性のある事にとてもワクワクします。素直にこういうの好きです。

これらの作業は、だいたい40年~60年の時間軸上で行います。なので、ざっくり言うと、「植栽」は、1年目。下刈りは、3~10年目。「間伐」は、20~30年目。「主伐」は、40~60年目という時間軸になります。

…木を植えて木材として収穫するまで、マジで時間が掛かります。

ちなみに1年を木の生長に有効な作業を当てはめると、以下の年間作業スケジュールになります。

春・・・→・・・夏・・・→・・・秋・・・→・・・冬・・・→・・・春

   植栽      下刈り    間伐、皆伐    地拵え

…察しの良い人なら分かると思いますが、上記の年間スケジュールは、同じ場所では成立しません。前述したとおり、1年の間で木の生長に必要な作業と樹齢がまちまちなので、同じ場所で1年間作業ができるという訳ではないのです。

と言う事は、各作業が必要な林が複数個所確保しておかないと、成立しません。

ではどうする??

実は、木を育てるための作業以外にも、山主さん(要は地主さん)と交渉したり、作業場所の位置、面積、樹種、状況を把握するための調査や測量をして、施業を行える山林をゲットしないと、キコリ仕事ができなくなります(もちろん、自分の土地の林なら問題無しです)!

キコリの仕事は、一言で「木を切る」「木を植える」という仕事ばかりではなく、木を育てるために色々な作業をしています。それでは。

【まとめ】

キャッチ―な言い方でまとめた「キコリ」ですが、「木を育てる」ためには意外とやらなくちゃいけない作業が多い。そのため、色々な事を知らないといけないけど、知的好奇心がそそられる!そして楽しい!!

今のところ、少し知識を得ておく必要があるとしても、キコリには誰でもなれます!

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