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23.06.01

午前中は祖母の葬儀だった。

久しぶりに黒いスーツを着てネクタイをした。
とても真面目とはいえないが何度も就活でネクタイを経験したせいか結び方を忘れることはない。
スーツを着た自分は曲がりなりにも大人みたいな見た目をしていて、誰かを騙してるんじゃないかとチグハグな気持ちになる。

昼過ぎ、お世話になってるレコーディングスタジオに向かう。今日はドラムのREC。ひとつはずっと昔からある曲でひとつは今言いたいことが詰まった歌。

ドラムテックの小寺さん(ex.moke(s)、椿屋四重奏)とエンジニアの白石さんのおかげで素敵な音が録れたと思う。
(もちろん素晴らしいプレイをしてくれる高清水あってのことだ)

時間は前後するが火葬場でのこと。

お昼を食べてから姪がじゃがりこをたばこに見立てて遊んでいた。
僕は誕生日にメンバーからもらったココアシガレットをもっていたので「もっと良いのがある」と言って彼女に手渡した。
ハイになった姪は精一杯嘘のたばこをふかした。僕も負けじと嘘の煙を吐いた。

棺が運ばれるとき、姪は「あの中にいればもう安全だね、怖くないね」みたいなことを言っていた。
骨上げが終わったあとは「なにも怖くない〜」とレリゴーを歌ってくれた。彼女なりの鎮魂歌かもしれない。

子どもの言葉や仕草に救いを求めてしまうのは身勝手だろうか。
折に触れていつも考える。

彼ら彼女らの真っ直ぐさに、自分たちが答えを見出せない色々を委ねようとする僕らはずるいんじゃないかと思う。
でも多分これからも意味を見出すし、勝手な解釈をつけ加えるだろうと思う。

少しの罪悪感と希望が混ざらずに1日が終わる。

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