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サメシマの楽曲解説#9 『さよならオープンワールド』

作曲は狩野、作詞は鮫島のロックチューン。

最初のデモからハモりが印象的で、
これはビートルズ風のコーラスワークができるとワクワクしました。

狩野くんの作る歌はニューウェーブの匂いがしたり、
アンサンブルの構築が緻密で面白いです。
未発表デモにも素敵なものがたくさんあります。

(↑音声版はこちら)

コンセプト

コロナ禍の世界をオープンワールドゲーム(箱庭ゲー)に例えた一曲。

オープンワールド(Open world)とは、英語におけるコンピュータゲーム用語で、舞台となる仮想世界を自由に動き回って探索・攻略できるように設計されたレベルデザインを指す言葉である。
定められた攻略手順の遵守を要求されないゲームプレイは、「Sandbox(サンドボックス:砂場・砂箱の意味)」ともよばれる。”
-「オープンワールド」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%B3%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89)。2021年7月16日 (金) 13:54(日本時間)現在での最新版を取得。

グラセフやスカイリム、最近だとゼルダBotWあたりが有名だと思います。

僕も大好きなゲームデザイン、
というかもはやオープンワールドであることは珍しくもなんとも無いんですが、
自由度と広さゆえに世界の端っこを認識した瞬間の切なさ、みたいのは個人的にあり。

コロナ禍で目に見えない壁を意識して、今の世界ってオープンワールドっぽいなと思ったわけです。
ゲーム性を否定したいわけじゃなく、
誰かに用意されたものや固定観念から抜け出したい、という想いで書きました。


音像について

こちら狩野くんのメッセージです。

①ソウル・ファンク好きが作ったロック
②めちゃくちゃキャッチーなメロディだけど、よく聴いたら音楽理論的に変な事をしている

という2つのテーマを念頭に置いて作った曲。
 人それぞれ曲の作り方があると思いますが、僕のやり方は基本的にメロディが思い浮かんだときにそれを元に作るというものです。なので、コードから作るとかメロディを無理やり作るという手法を使った事がなく、あまり得意ではありません。
 この曲も思い浮かんだメロディに対してコードやアレンジを加えていきました。
テーマ①に関して
 中学生のときに聴いていたBlurを改めてじっくり聴くうちに、ロックなサウンドの後ろに電子音がたくさん散りばめられていることに気づき、ロック+電子音というコンセプトを目指す事にしました。
 Blurの曲はコード進行も好きで、個人的にはロックの曲だけどソウルも感じています。僕は70年代、80年代のソウルも大好きでめちゃくちゃ聴き漁っていたので、『さよならオープンワールド』のコード進行にはソウルやファンクの要素が根強く入っていると思います。
テーマ②に関して
 ちょっとマニアックな話になります。この曲はAメロのキーがマイナー調、Bメロはキーが転調しまくっていて(自分でも分かっていません笑)サビはAメロとキーは同じだけどメジャー調になっているんです。中々変な進行。
 僕的に作った当時1番好きだった音楽が反映されているのがBメロ。当時コンテンポラリーゴスペルをよく聴いていて、それらのコード進行ってめちゃくちゃ面白くて興味深かったんです。
 これってキーから外れてる?と思う進行が沢山あったり。でも格好良いから良しとされていて、聴感も良いものが溢れていて。
 僕はその要素をこの曲のBメロに入れていて、結果的に1小節ずつパワーコードで半音ずつ上がる進行になりました。嬉しいことにこの部分は曲を聴いてくれた周りのミュージシャンに絶対に突っ込まれます。
 理論的にはかなり際どいところを攻めていますが、この部分は革新的な事が出来たかなと割と自信を持って言えます。

サビのコード進行がキラキラ。

聞いてるとすごい気持ちいい。
でも歌いながらギター弾くのすごい大変。
ただ慣れてくるとすごい楽しい。
そういう曲です。


詩について

たぶんプリズマの曲で一番時間かかりました。
一度完成したものを書き直してます。

最初は『ピンポン』のイメージが強くて

そのまま書いてったらヒーローものみたいな印象が先行して
「これじゃねー」という話になり
先述したコンセプトへ。

メンバーはスタジオでレコーディング、
僕は近くのファミレスで作詞の日が続きました。
(完成したのはREC当日の朝 @駅前のプロント)

内容については↓こちらで。


MVについて

監督は気鋭の若手アニメーターNitroさん。

大人になると自分が特別でもなんでもないことに気づいて
ゲームの中のプレイヤー2みたいだな、と感じたり。

でも誰かに役割を与えられること(=ロールプレイング)自体が間違っていて、
カオスの中でもこんがらがってまた会おうぜ、
みたいな想いを映像にしてもらいました。

「そもそも箱庭ゲーでプレイヤー2とか、残機とか関係ある?」
っていう感想もあると思うんだけど、
それは2番Bメロ
「なんて格好つけたりして
生きていた12の頃」

と繋がっていて、
今と昔で遊んでいるゲームの違い=現実と理想の乖離
として描いたつもりです。

ラストの爆発がグレンラガンっぽくて最高。


終わりに

タイトルの候補がいくつかありました。

・残機0、プレイヤー2
・レディプレイヤー2
・箱庭ロストチルドレン
etc.

次回は『にんげんさんか』です。

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