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サメシマの楽曲解説#11 『銀河鉄道の夜』

『PRISMATIC〜』の制作期間は最初の緊急事態宣言時でした。
エンタメ業界への風当たりが特に強かった時期です。

いろんなカルチャーに育てられた自分としては「なにくそ」という想いがあり、
Twitterで影響を受けた音楽や映画を紹介しまくってました。
特に意味はないですが「”好き”を形にしなくては」みたいな強迫観念があったんだと思います。

この曲もその発露です。

(↑音声版はこちら)

コンセプト

宮沢賢治『銀河鉄道の夜』に影響を受けていますが、メンバーには
「宇宙を舞台にしたアニメの主題歌」
で通しました。

アレンジの判断基準になったので
「そのフレーズだと流れ星が見えない」
とか
「”提供:サン○イズ(ガン○ムの会社)”って映りそうな終わり方にしたい」
とか
雰囲気全振りの要望を投げていました。
(僕の要望は基本雰囲気です)


サウンドまわりについて

冒頭(00:00〜00:06)で列車が到着したようなパートがありますが
あれは完成直前に急いで作ったもので、
当初はアニメ『銀河鉄道999』のワンシーンをサンプリングしてそのまま使っていました。

めちゃくちゃ気に入ってたんですが「さすがにまずいっしょ」ってことで渋々作り直したのです。

そして列車でギターといえばオジーのCrazy Train。
プラスで宇宙っぽさが出るよう和田くんと話し合いを重ねました。

この楽曲のハイライトは02:17〜のキーボードソロですが
録りの日の早朝、狩野くんはサウナをキメていて
そのおかげで超絶プレイができたみたいです。

AM9:00、スッキリした顔とすごい体勢で弾き倒してました。
(キーボードと体が並行になるくらいのテンションです)

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詩について

日本語の美しさやひびきの楽しさを意識したつもりです。

賢治の『銀河鉄道の夜』がモチーフですが
そこに縛られすぎず、聞いてくれた人が自由な銀河鉄道をイメージできたら素敵だなと思って書きました。
(もちろん読んでいるとニヤリとできる仕掛けはあります)

昔お付き合いしていた人から
「人と人が手を繋いでいるとき、中心部分の粒子が溶けあってひとつになっているんだって」
と聞いたことがあります。

それが科学的に正しいかどうかはわかりませんが
本当だったらロマンチックだなと思います。
この曲のイメージのひとつになりました。


終わりに

余談ですが小学生のころニコニコ動画にどハマりして
「カオスなものってキャッチーだな」と
いまに至る趣味嗜好がつくられました。
『銀河鉄道の夜』もその系譜と思われます。

次回は『PRISMATIC〜』収録曲ラスト
『SHIOSAI -潮騒-』です。


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