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サメシマの楽曲解説 #3 『ジャックとブナの木』

SNSも友達とおなじで、気のあう場所、界隈が分かれているものですが、
解説の反応ひとつとっても着眼点の違いを感じられるのは嬉し&楽しいです。

第3回は『ジャックとブナの木』。
(音声版はこちら↓)

コンセプト

「どんぐりの背比べ」を続けていたら、そのどんぐりは地面に落っこちて、芽がでて、天までのぼる木になった。

どんぐりはくだらない自尊心やプライドの比喩です。

意地の張りあいやマウント合戦を続けたら、いつか

「人より愚かである」
「人より心が醜い」

ことを自慢したり、ステータスにする時代がきてしまうんじゃないか、という歌です。

制作の経緯

まだバンド名が『NOMAD POP』に決まる前、最初期に制作した曲です。

『パブロハニー』と『ジャックとブナの木』のラフデモができた段階で
「またバンドやりたいんだよね」って袋に話した気がします。

当初はもっとBPM低くて低音寄りの曲でした。

狩野くんが加入して5人でアレンジした最初の曲です(多分)。
バンドっぽい肉感が増していった感覚とか、
当時の興奮ふくめて思い入れの強い一曲です。

音像について

Moses SumneyのEP『Black in Deep Red, 2014』にインスパイアされました。

来日公演も行きました。
素晴らしいアーティストです。

自分たちにこのフィジカル感は出せないので
いかにオタクっぽく、クスッとする塩梅に持ってくかがテーマでした。

高かったりおぞましかったりいろんな声が入ってますが
全部ボーカルエフェクトで加工したもので、イントロのサンプリングを除いて歌ってるのは鮫島1人です。

メンバーに色々注文出した記憶があるんですが、
どれもヒョイっとやってくれたり音色作ってくれるので、改めてみんなのスキルの高さに驚かされました。
そんなわけで個々のフレーズで「ここ好き」ポイントが多いです。

ラストサビの轟音感は狩野くんがオルガン等々を使って演出してくれてます。
2番サビ以降、ノイズミュージックに造詣の深いエンヤコーラーズ上田くんも参加してくれました。 

詩について

押韻主体、気持ちいい言葉の響きを優先してお話をつくりました。

「可愛さあまって憎さ100倍」といいますか、
思うように気持ちを伝えられないもどかしさが、いつのまにか恨みに変わったりする。
プリンスの『Eye Hate U』聞いたときに「コレコレコレー!」って情熱がかき乱される感じ、ガッツリリスペクトしました。
最後のソロとかいつ聞いても「オワーッ!!!」てなります。


MVについて

この曲について語ることはMVについて語ることでもある。

「今のうちに好きなことやっとこうぜ」みたいなノリでした。
鮫島は昔からAC部が大好きで、某アニメで中毒者が続出したこのタイミングならいける!と意気込んで作りました。
僕らのMVの中でひときわ異彩を放っております。

主役の柳亭楽ぼうくんは僕の友人です。
MV内の映像はすべてNOMAD POPが撮影、編集、またはしかるべき場所から拝借しました。

受け入れてもらえたかといえばかなり怪しいですが、
周りのミュージシャンやクリエイターからの評価がすこぶる高く
「やってよかったな」と自己満足しております。

終わりに

『move / ジャックとブナの木』終了。
次回は『355』から『スーパーソニック』をお届けします。

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