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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
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【ネタバレあり】「数分間のエールを」で情緒がおかしくなっちゃった話

はじめに

初めまして。のまと申します。特に他人を引きつけるような文才も無いのですが、先日観た映画があまりにも良すぎたため、1オタクの掃き溜めとしてnoteを書き留めます。
初めてこのような文書を書かせて頂きますので読みづらい点はごください。

さて、今回語らせていただきたいのが「数分間のエールを」というアニメーション映画です。
映画などは普段あまり見ないのですが、歌唱アーティストが菅原圭さんということで「推しの歌だけでも聞きに行こう」という意気込みでしたが、映画を見ていくうちにどんどん世界観に引き込まれていって最終的にはこの映画、そしてhurray!さんのファンになっていました。

本作はhurray!さんが制作した3DCG(恐らくblenderかな?)を用いた作品で、60分ほどで観れる中編映画です。
映画本編はちょうどいい長さなので芸術、美術、デザイン、イラスト、マンガ、アニメ、ゲーム、などのクリエイター、アーティスト業を志す、または正解が見えずに成果が見えない努力をしている方は見てみることをおすすめします。

「3DCGが苦手〜」って理由で視聴を控えてる方もいるかもしれませんが、3DCGを齧ったことがある私からすると

「こんなに3Dを平面的に表現することが出来るの?!?!?!?!?」

ってほどにレンダリングや外縁の工夫がされていました。なので、抵抗がある方も1度怖いもの見たさでもいいので見てみることをお勧めします。
映画公式サイトでもキャラクターやストーリーの概要が見れるので是非!!

〜この先ネタバレあります〜

きっと登場人物とストーリーの考察は他の人がやってくれると思うので省略します。




自我や合ってもないことを話してるかもしれないので浅めに読んでください…

〜プロローグ「今日も星を探している」〜
上映開始数分、もうここで心掴まれました。新しい作品、面白い作品、たくさんのアイデア。求めているものは確かにそこにある、だけど見えない。何かを道標に進む感覚、逆に何も無いまま暗闇に突き進む恐怖、本当にその通りすぎて首外れそうなくらい頷いてました。

〜彼方と萠美の会話〜

うわ〜〜〜〜!活きのいいギャルが来た〜〜!!」っていうのがファーストインプレッション。それはそれとして彼方の進捗の悪気ない偽装とハードルもっとあげるのってクリエイター業やりがち…やりがちじゃない…?ほんとに描写が細すぎる…

〜ストリートライブでの歌唱〜

力強くもあって若干しなやかさも兼ね備えてる感じの歌い方な気がした。悲壮感なのかな…?
なんか表現があってるか分からないけど周りに誰もいなくて雨が降っているところに逆境というか一匹狼感を感じた。てか足細くて長すぎない…?めっちゃ好みのキャラデザだぁ…

〜MV制作シーン#01〜

ここの創作系のアドレナリンが出てどんどんイメージと改善する感じほんとに分かる。やりたいことがどんどん頭に浮かんできて試行錯誤してる時が完成した時と同じくらい楽しいのよね…ブルスクするのもあるある。Ctrl+Sは数分に1回押そうね(戒め)。てかこの映画ブランドライセンスの商品多くない!?すごい!ワコムにクリスタ、ギブソン、SHUREなどなど、みんな知ってる商品が出てきて普通にアガる〜!

〜メルカリに出没する悪霊〜

作品の解像度をあげる表現なんだろうけどES335を5000円ってイカれすぎてる〜! あとちゃんと対応しててえらい。俺だったら無視してる。

〜保健室のシーン〜

倒れて起きると緑色のカーテンに囲まれてて9年間昏睡してたのかと思った。話を戻すと先生との会話で「あなたはどうしてものづくりをしたいの」的なニュアンスの言葉を喋った時目に光が若干あった気がした。彼方の「自分の作品で他人の心を動かしたい」って言葉きっと色んな人が持ってると思うけど何者になるのってむずいよなぁ〜…分かりすぎる。

〜ライブハウス訪問〜

入る時のムービー良すぎてビビった。ダンジョンみたいな感覚でダークな感じを上手く持った色んな工夫がされてた気がする。
ライブシーンの時の音止まる静寂表現大好き侍、最大限の賞賛を贈る。
(普通に隣の人が喋ってて悲しかったので入場者特典が2弾になった時にもっかい見に行きます…)
未明の歌い出しからずっと泣きそうな顔してて普通に心の中で「がんばれ〜〜!!!!」って叫んでた。普通に今考えると恥ずい。
彼方のどう表現しようみたいな感じに対してMCで「いい思い出にします!」って言った先生、先生…

〜ライブ終わり〜

こんな辞めますムードなのにMV次第だよな!とか俺の作品で心を動かせるかも!みたいな発言するのってほんとにエネルギーいるしポジティブじゃないと出来ないから普通に尊敬しちゃう…

〜MV制作後、公園にて〜


先生にMV見せるまでウッキウキな彼方、「何となくコンセプト違う気がするなぁ」と不安な私、そこから「歌詞、ちゃんと聞いてくれた?」と先生が一言。

ウワーーーー!!!ヤメローーーーー!?!?!

クライアントとクリエイターで1番あってはならないこと。それはクリエイターが「自我」を出すこと。作風やタッチなどではなく内容をクリエイター側が解釈し、作者の思惑と違う形で出力すること。このシーンかなりのトラウマ。心の中でごめんなさい…ごめんなさい…って言ってた…
今回の例だと彼方が直接先生とコンタクトしてたから「間違い」ではあったが、二次創作として別の解釈をするのは新しい正解でもある(作者からいい思いをされるかは知らないが…)ので、舞台のコンディションが悪かったって感じ。今まで既存のものにMVをつけてたからしょうがなくはある。

〜隙を生じぬ2段構え、トノぉ…〜

「いいよな、お前は才能あって」
馬鹿やってんじゃねぇ!創作系の分野に天才とか才能とかそういうのは、禁句なんだよォ!(秋山渉感)

何となく感じたのは「彼方って物事の好きな部分を主体で見るタイプの人なのかな〜」って感じ。今回の歌だとラスサビが軸になって作られていってた感じもそうだし、トノのことを才能人としてみてる部分も。きっと彼なりのリスペクトなんだろうけど空回り気味。気の所為かもしれないけど…

「絵が描けるからなんだ〜」

トノの言葉、結構自分と重ね合わせちゃうことがあって、きっと褒められることが好きだけど口下手寄りだから褒められに行くってよりかパフォーマンス(今回は絵)でもっと褒められるために努力するみたいなものを感じた。全く違ったらごめん…

誰かの期待が力にもなり得て責任にもなり得るからむずいよなぁ、、、

「あれは終わりの歌なんだよ!」
そうそう、欲しかったのはその言葉。同じような経験をしてるからこそ分かる作者の意図。無粋ではあるけどトノだったら先生の満足するもの作れてたのかな? 

夜の公園なんか星あった気がするけど気の所為かもしれないからなんとも言えない…もっかい観てきます…

電柱のライトの描き方が綺麗すぎてうるっときた。影とライトの後ろの光。いい感じに対比を表現しててエグい。大好き。

今回の喧嘩、お互いに今後の道を歩む上で必要不可欠なものだと感じた。お互いの葛藤とか悩みを理解し合ってより固い絆になってて欲しいなぁ

〜後日、美術室にて〜

大量のスケッチブックにペーストが塗られて余光が残るキャンバス。なんか…何がしたいのか迷走してた時の私に似てる。どの分野の何処を目指すのか。光を探してただひたすらに描き続ける。私の場合結果何も得られず中途半端に育っちゃったのであれなんですが…
先生の足ほっそ!(2回目)
それはそれとして周りの人みんな優しすぎるよ…トノも先生も萠美も…みんな…
本気で何かを目指して燃え尽き気味なのに背中を押せるのがほんとにすごい…
なんで作っていいって言ったんですか!
心の中で言葉を踏みつぶし、「なんでだろうね、」
すごい、綺麗だった…(語彙無し)

みんな見に行った方がいいよ…?

ここら辺から見入ってたので記憶がガバガバ

〜萠美と部室でMVを見るシーン〜

ここらへんのシーン結構気に入ってて、彼方の作品を真面目に見て、感動して、上手く言語化して。初めてまともに褒められたんじゃないかな?
自分の作品で苦しんで暗中模索してる彼方にやりたかったこと、「MVはさ、応援なんだよ」っていう行動指針を改めて明確に出してくれて、本当に…
活きのいいギャルとか言ってほんとにごめん…
きっと芯があってちゃんとした人なんだろな…

〜チャリで走り出す彼方vsN-ONE(軽自動車)に乗る先生〜

先生を追ってチャリで爆走する彼方。なんかこの映画全部の描写細すぎない?疾走感凄すぎて風を感じた。地理弱なので地名はわかんないけどとにかくめっちゃ彼方が頑張ったことは分かる。千里浜見たことないんだけど夕陽と重なる海ってそんなない気がする。気のせい?

砂浜のシーン、感動しすぎてて何言ってるか忘れた…とにかくいい事だったのは覚えてる…

未明を託されたあとの彼方、最初と比べて本気度を凄く感じた。最初と比べて、なんて言うか、、真剣な感じ。使命感なのかなぁ?

壁を乗り越えた彼方と過去を想う先生、これはもういい作品ができるに違いない…!

ギターの出品を取り下げる先生、スケッチブックを回収に出すトノ、間違いなく同じ星はそこにある。ハッピーエンド大好きマンだからみんな成功してて欲しいなぁ〜!

〜「未明02」〜


内容については表現が苦手なので控えるんですが、「未明01」がラスサビを軸に肉付けをしていく作品だとしたら「未明02」は全体を作ってから言いたい部分は多く盛る感じの作品でした。彼方の表現方法と解釈の変化を濃密に感じれたMVでした。
これが作れたのも先生やトノや萠美などの周りの人達のおかげ。凄い良い人達に囲まれてて羨ましい…!

普通にMVとして好きすぎるのでフルでyoutubeか映画のディスク特典とかにくれませんか…?(懇願)

〜エピローグ〜

退職届ドーン!!!今までの先生どこってぐらい勇気ある行動。彼方が人の心を動かしたんだ…!
私の歌を好きと言ってくれてありがとう」
彼方…!良かった…!エールが届いて1人の背中を押すことが出来て本当に良かった…!あんなシリアスな先生を笑顔に…!ものづくりの世界で会いましょうって…!握手…!感極まりすぎておかしくなってる…!

ーーーCYANーーー

本作の主題歌、「CYAN」。この曲単体でもいいから聞いて欲しい。フレデリック特有の軽いリズムでクリーンなカッティングがスッキリ入ってくる感じ、最高に青春してる。シアンのMVを見ればわかるのですが、色のCYANと思案が合わさっていて、まさにこの映画にピッタリだ〜!!ってエモ。


ーーーあとがきーーー

まぁうだうだ語ったりしましたが、ライトアップされた物だけが流れてくるこの世界の現実を痛いほど詰め込んでき、青春とかき混ぜた感じのめちゃくちゃいい映画でした。
細かな描写が多く、少し詳しい人なら絶対に知ってるような機材や事象が起きるため、世界観により深くのめり込めたのかなともおもいます〜!
ものづくりに関わると必ずぶち当たるような難問や葛藤をどうやって突破するか。痛い現実を直視してなお、なぜ創作を辞めないのか。そんな部分を再確認出来て、たくさんの勇気をくれた、とてもいい作品でした。


創作分野は足を踏み入れる以上、上見ればキリないし、自分が作った作品で苦しむ人もいます。しかもきっと踏み入れたあとにダブルワーク(クリエイターと会社勤め)になって辞めたくなることもあると思います。ただ、どうか諦めないで欲しい。きっとあなたの作品を求める人はどこかに居るから。失敗したっていいし、下手でもいい。ただ歩き続けて欲しい。そうすればきっと、あなたのうしろには立派な道程があるはずだから。

全てのクリエイター、アーティストに最大級のエールを。


ではまた。

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