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【メトロポリス】100年前に描かれた近未来の映画

今回はゲームじゃなくて映画の感想でもつらっと…。
実を言いますと、私は普段あまり映画を見ません。昔はあるアニメの劇場版だとか、ディズニーとかジブリとか見ていたのですが、ここ最近からっきしです。
あ、でも名探偵ピカチュウは見ました。

そんな私ですが、実はサイレント映画が好きです。
大学の図書館で見てからどっぷりハマり、いろんな映画を見てきました。
その中で1番のお気に入りがメトロポリスです。

手塚治虫のメトロポリスではないです。
1926年に制作されたサイレント映画で、100年後(当時から見てだから2026年くらい)の世界を描いたSF映画です。

私はSFが苦手で、宇宙とかロボットとか科学のあれこれとか出てきたらもうギブアップするタイプです。
ガンダムとかエヴァンゲリオンとか駄目なタイプです。

それでもメトロポリスにはハマったのです。
そんなメトロポリスのお話です。

2026年の未来都市ではたくさんの摩天楼が並んでいて、その上階に済む上流階級と、下層に住む労働階級で分かれてました。
そんな上流階級のフレーダーと労働階級のマリアが出会うところから始まるんですよね。
だけど、労働階級の人が反乱を起こさないように、フレーダーのパパが部下に命令してマリアを誘拐し、なんとマリアそっくりのアンドロイドを作るわけです。
マリアになりすましたアンドロイドが反乱を起こさせないように労働階級の人を説得させる的なことをするわけです。色々あって失敗しますが。
アンドロイドはとても良くできていて、金属の光沢具合も人工感溢れる体の動き、役者のなりきり感は見事なものです。

何がすごいかって、これ100年近く前の映画なんです。
まだアンドロイドだとかそういった科学要素が乏しい時代に作り上げているんです。
まぁ確かに100年前のものですから、現実のアンドロイドほどの正確さはありません。でも1926年の時代の人達が考えたアンドロイドの、今の時代と少し似ている感は見事なものだなと思います。

そして何より、エグいくらいのエキストラの数。
冒頭で労働者がたくさん整列してエレベーターに乗り込み、そして列を崩さずに働きに出かける。
100人を遥かに超えるレベルの人々が隊列を崩さないでぴったりと歩いていく様は凄いの一言。
これを完成させるのにたくさんリテイクしたのかなぁ…と考えてしまいます。

そしてこの機械的に動く労働者も、ある意味上流階級の手足になっているロボットそのものなのだろうなと思います。
つまり実際のロボットと比喩としてのロボットが混在していた映画なのだと実感します。

メトロポリスの前年に出た戦艦ポチョムキンという映画がありますが、こちらのラストシーンもたくさんのエキストラを使って歴史に残る名シーンを作りました。
当時はCGもなにもない、人の力だけで作り上げていくものだっただけに、一人ひとりの息のあった演技は圧巻です。


結果としてメトロポリスは円満エンドになるのですが、それに至るまでのストーリーが本当に濃厚なのです。サイレント映画でセリフも何もないのですが、何を言いたいか、何をしたいのかははっきり分かります。
SF要素はほぼアンドロイドが登場したくらいで、後はもう人間同士の諍い、争いというテーマですね。だからSF苦手な私でも気にならなくて見られるんだなと…。

サイレント映画なので好き嫌いが分かれるかもですが、おすすめの映画です。
パブリックドメインとして公開しているので、検索したら見られると思います。

ちなみにメトロポリスの世界は2026年。あと6年後の世界ですが、今の社会情勢を見ていると当然メトロポリスのような世界は起こらないなと…。
まぁ当時の人が描く未来予想図なんてそんなものです。

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