強さの基準って?

昔、会員さんと話していてこんな話がありました。

その会員さん曰く、

「自分の階級だと大会で強い人たちはこのくらい挙げているから、今の自分の状態と比較するとマックスはもう少し上だと思う。だから、今の重量で伸び悩んでいるのはおかしい。このくらいの重量で伸び悩むはずがない。」

私はこのことを聞いたとき「その考えはどうなの?」と思いました。なぜなら強さの基準や伸び率というのは人によって違うからです。

大会である程度強い人たちが挙げている重量を基準に、自分のトレーニングの伸び率を比較しても意味はありません。大切なのは今の自分の現状から少しでも伸びるかどうかと言う事なのです。それはレベルが高いとか低いとか、扱っている重量が重いとか軽いとかという事ではないのです。

その会員さんの様な考え方だと、例えばサイクルトレーニングやトレーニングの目標設定をするときに、自分が確実に出来る現実的な数字と言うよりも、「多分このくらいは挙がるはずだ。」とか「このくらい挙げれたら良いな。」という希望的な数字を設定しがちになります。

当然、それではクリアの確立はかなり低いので大抵の場合は目標をクリアできません。クリアできなかった時に再度現実的な設定に戻してトレーニング計画を練り直すのであればまだ良いのですが、設定重量が悪いにもかかわらず、なぜ挙がらないんだ?と首を傾げてしまう人は要注意です。

その考え方を改めない限り目標クリアはなかなか難しいでしょう。そして、怪我のリスクも大きく上がってしまいます。

自分よりも強い人レベルの高い人に追いつこうとする姿勢は非常に大切だと思います。しかし、そこに向かうためには一歩一歩確実に自分自身を高めていかなければならないのです。

今まで正しい身体の使い方や意識をしていなかった人などは、それを学べばある時期は一気に記録が伸びることも大いにありますが、基本的には飛躍的に伸びるなどと言う魔法的なものはほとんどないと思った方が良いでしょう。

正しいフォームつくりと地道なトレーニングしか強くなる道はないのです。

(その正しいフォーム作りが難しいんですけどね・・。)

また、よく素質について言う人もいます。人それぞれなので素質のある人もいれば劣る人もいることが事実です。しかし、最大限まで努力して頑張ってもいないのに素質がないの一言で自分の弱さを正当化している人が非常に多いように思います。

素質云々を考えるのではなく今の自分から少しでも強くなることを考えるようにしてください。そうすればいずれは自分が想像もしていなかったほど強くなっているかもしれません。

大会で好成績を収めることができる強さの基準と言うものはあります。しかし、実際には強さの基準と言うものは非常に曖昧であってないようなものだと私は思います。

世界クラスのリフターに「自分は強いと思う?」と質問をしたときに、ほとんどの人はこう答えます。

「まだまだ弱いです。」

強さの基準・・・難しいですね。

ノーリミッツ 三土手大介

#三土手大介 #ウエイトトレーニング #ノーリミッツ #パワーリフティング #強さ #基準

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