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「#02 切なる願い」 感想

[前置き]

「#01 激突」の感想で書いた通り、
感情表現とキャラクター同士の関係性にめちゃくちゃ比重を
置いてるなと感じたので、
今回はより感情にフォーカスして『MIU404』2話目を見てみました。

前回より、さらに気づきが多くて感想を書いていくウチに結果
ほぼ書き起こしのようになってます。

シーンをキャラクターの関係性と感情を重視して要約して
シーンの終わりに感想を入れてます。
感想のみ読む場合は目次から飛んで下さい。

「#02 切なる願い」

みんなの切なる願い
謝りたい/謝ってほしい/信じてほしい/信じたい

・謝ってほしい
┝伊吹(志摩に殴られた)
┝加々見(父親の理不尽)

・謝りたい
┝田辺夫妻(信じなかった息子)
┝志摩(かつての相棒?)

・信じてほしい
┝田辺夫妻の息子(盗ってない)
┝伊吹(志摩に)

・信じたい
┝伊吹(過去の自分を投影した加々見のこと)
┝田辺夫妻(息子を投影した加々見のこと)

◻︎4機捜、志摩伊吹組。密行から戻った車内。

○伊吹が志摩にしゃべりかける
「毎晩志摩に言っておかないと」ということがあるのに
志摩の横槍で話が脱線して本題にたどり着けない。

気を取り直し真剣な顔で志摩に不満を伝える。
自分を殴ったことを謝ってもらってないと。
ごめんなさいは?と催促されるが志摩はスルー。

それよりどうしてこんな車に乗ってるんだ?と
「まるごとメロンパン」と車体に大きく描かれた
車に対して愚痴をこぼす。

○4機の分駐所に桔梗、志摩、伊吹が連れ立って入ってくる。
張り込みに使っていた警察車両を
前回、大破させてた車の代わりに貸し出されたメロンパン号。
他の機捜の車を貸してくださいよぉと桔梗にブーブー文句垂れる伊吹
伊吹の文句をスルーして志摩に話しかける桔梗

桔梗は本当に伊吹の面倒は志摩に頼んでるようで
基本、お叱りは全部「志摩!」と志摩に対して向けている。
伊吹が志摩に向けて言った「朝から良くそんなに口回るよねぇ〜」という
茶化しに乗る桔梗。孫ポジションの伊吹

3人の会話がどう聞いても雑談なことを嫌味を添えて遮る九重
「この部屋はなんですか?」

明らかに警察署内風でない部屋が映る。
ラフすぎて落ち着かないのか本部のほうが良かったと訴える九重。
窓からうどんの湯切りした件で使わせてもらえなくなってしまっていた。
「誰だそんなけしからんことをしたのは。あ俺だ」と
ひとりノリツッコミする陣馬
一緒に笑う伊吹

注意事項を伝えて去る桔梗。

<感想>-----------------------------

イントロ。ハンドクラップで始まるのがカッコいい。
これを毎回聞いてるウチにパブロフの犬のように面白いドラマが始まったぞと
期待によだれを垂らしてしまうようになる。

このメロンパン号は意表つかれたね!
今までの刑事ドラマとは違うことをやってやるんだぞという意気込みと
どうコレで遊んでやろうかと楽しんでるのを感じる。
どうみても警察車両と刑事に見えないからできるエピソードが
このあと出てくるし。

それに分駐所がオシャレ。
画面に華があるのは大事。
華がないと見てもらえないんだ…。
昔、すごく面白い刑事ドラマがあったんだけど
如何せん、華がなさすぎて周りに見てる人がほぼ居なかった。

そして画面映えのために最初から「こんな警察署ねーよ!」という
ツッコミを入れたくなる問題もスマートにクリアしている。

全員集合で話し合う場所として居酒屋がよくあるけど
今時の若者、九重がいる時点で無理でしょう。
キャラクター的に仕事外でつきあう訳が無い。
4人で食事して会話できる環境を作るためにカウンターキッチン付きの
分駐所という舞台を用意したのかなと。

いかにもリアル警察な車と分駐所(地味)を1話目でダメにしておくという。
凝り方がハンパねえ〜‼︎

◻︎メロンパン号で密行に出ている志摩伊吹組

○女子高生に本当のメロンパン屋と勘違いされたことから
メロンパンをいくらにするか議論を始める志摩伊吹
メロンパンにメロンが入っていない嘆きを
隣で走る車にぶつける伊吹。

その隣の車の後部座席に乗っている女性と頻繁に目が合う伊吹
目が合うと気になってしまう犬のようなキャラクター。
窓2枚越しなのも意に介さず話しかけ続ける伊吹。
よく見ると女性が何か目で訴えかけてきている。

青信号に変わると隣の車が走り出す。
反動で揺れた女性の体を後ろから伸びてきた
黄緑色の腕が掴む。

何か不穏なものを感じ取ったものの
そのままメロンパン号を発進させる伊吹。

そのことに気づいていない志摩は
未だにメロンパンの値段について考えていた。

すでに隣の車へ興味が移っていた伊吹。
志摩の会話を一蹴して前の車を追う。

事件の無線が入る。
殺人事件の容疑者が現場から逃走。
現場はメロンパン号から近い。
容疑者の特徴は「28歳男性、黄緑のジャンパー」「凶器を所持してる模様」

○殺人事件現場。
クリーニング会社の前に規制線が貼られる。
中高年男性が屋上で胸から血を流している。

○メロンパン号車内。
犯人の特徴がさっきみた腕を同じだと気づく伊吹
追いかけようとして信号無視しようとするが志摩に阻止される。

逸る伊吹に状況を訪ねる志摩
逃げた容疑者と着衣が一致。
見たのは一瞬、袖だけ。なんど聞いて袖だけ。
しつこく聞いてくる志摩に苛立つ伊吹

○先ほどの女性が乗っていた車内。
運転手している男がバックミラーで女性の顔を確認すると
目を閉じて息を飲んでいる。
その横には黄緑色のジャケットを着た若い男が
呼吸を荒くして凶器をつきつけている。

○メロンパン号の車内。
袖の特徴だけでは犯人と判断できないと志摩
運転手もおばちゃんも様子がおかしかったと言い張る伊吹
前回、伊吹の感覚から犯人逮捕につながったこともあり
無下にはせず、可能性を考える志摩
「走る、人質監禁立てこもり?」
志摩の言葉にブンブンと首を縦に降る伊吹

少し考えてから無線機にてを伸ばす志摩
本部の桔梗を呼び出す。
文句言いながらも本部に打診してくれたことに喜びを隠せない伊吹

「逃走した容疑者が乗っているかもしれない車両を
見つけたかもしれないって言ってる奴が隣に居ます」

ふんわりとした情報を伝える志摩。
桔梗から追尾許可が降りる。

○MIU404ロゴ

<感想>-----------------------------

冒頭の話が脱線する伊吹
あれってちゃんと意味があると思う。
脱線していくのってその瞬間の感情に流されやすい人。
」というその場で変化している
「流れ」のようなものに多分、敏感なんだ。

おばちゃんの目線に
伊吹がただ偶然気がついたというより
」というものに敏感だったからという設定あっての
事件きっかけだと思う。

逆に、一つの議題に対し集中するタイプの志摩
伊吹が別の興味に囚われてる頃、
真剣にメロンパンの値段について考えていた。
このズレが面白いよね!

前回は「
今回は「
伊吹感覚が活躍する。

◻︎タイトルテロップ 「#02 切なる願い」

○逃走車両の中で両手を握り合わせ怯える女性。

○事件現場に現れる陣馬九重組。
現場の鑑識と軽く言葉を交わす陣馬
足カバーが上手く付けられずもたつく九重

第一発見者、社員の仙田(我が家・谷田部)の証言を桔梗に連絡する九重。
被害者は専務の松村
逃走したのは8年前入社の加々見
遅刻や欠席のない真面目な人物
荷物はそのままで財布も持たないままだった

免許は所持しておらず運転もできない加々見が
通りすがりの人間を車ごと拉致した可能性があると判断した桔梗
志摩伊吹組の追跡している車両の持ち主の
住所をあたることを九重に指示する。

現場の違和感に気がつく陣馬
室内に「血の掌紋」が何箇所もあるのに加々見が最後に触れたはずの
扉のノブに血がついていない。

陣馬に言われて気づく九重
言った方がいいのではと提案する。
「機捜も捜査一課も見れば気づく」と言い
現場から移動し始める陣馬。

加々見が犯人じゃない可能性を導き出す九重
「初動は大きく見ろ。陣馬さんがおっしゃいましたよね」

前回、「財布が無くなっていたから金目当ての犯行か」と
決めつけそうになった経験から学んで
可能性を広く考えようとしてる様子が九重からうかがえる。
加々見の前に居た人物が犯人である可能性を語る。

九重の発言をジャッジせずに
血の掌紋次第だな」と証拠ベースにものを考える陣馬
「鑑識に任せておけ」と言い
桔梗からの指示があった、逃走車両持ち主の住所に
向かうという自分の仕事に集中する陣馬
自分の推理に未練があるかのように第一発見者仙田に視線を送り
現場を後にする九重

<感想>-----------------------------

陣馬九重パート。
ルーキーがちょっとずつ成長している姿を見せるけど
成長した九重の推理自体が物語全体のミスリードになっている。

あとキャスティングのサービス?というかいじわる?
『アンナチュラル』の「4話 誰がために働く」の時に
お笑い芸人「我が家」の坪倉が死亡したお父さん役ですごくいい演技
見せていたんですよね。
そして今回も「我が家」の谷田部
あれ?なんか重要な役で出てるんじゃないの?と
アンナチュラルファンには
より、ミスリードを誘う効果が。

アンナチュラル知らなくても谷田部演じる仙田は
この段階で少し怪しく、知ってると微量怪しさが増す。
話の邪魔にならないファンサービスありがとうございます!

陣馬のベテラン刑事ぶり。
室内の異変に気づいているけれど、
当然、自分以外の刑事も気がつくという態度がカッコ良い。
レギュラーメンバー以外がポンコツでないのがいいよね。
警察の仕事をドラマで描く上で、プロフェッショナルの部分はちゃんと
リスペクトして表現してる感じ。

前回、志摩が言っていた
「検挙率をあげるためのパーツとして働く。自分の満足のためじゃない。」
というセリフ。

それぞれが、それぞれの場所で自分のやるべきことをやる。
頼もしい。
縦割りの弊害ってのもあると思うけど
連携さえ取れれば自分の持ち場で力を発揮することは
大きな力になると思う。

『アンナチュラル』にもこれの仕事観からくるセリフが
ちょこちょこ出てくるんですよね。
しつこく『アンナチュラル』のネタを差し込んでいくスタイルぅ。

◻︎凶器を女性に突きつけている加々見

逃走車両
運転している男を離してくれるよう懇願するが
興奮している加々見は要求をはね除ける。

やや後方から追跡するメロンパン号
殺人の被疑者を刺激しないよう
安全策を取り様子見を続けようとしたが
検問が始まっていて逃走車両まで検問が回ってくる。

検問の警察官との会話で自分たちを監禁している男が
殺人の容疑者ということを知る夫婦

後方から様子を伺う志摩伊吹
何事もなく通過した逃走車両

メロンパン号に検問が来たところで
逃走車両を検問した警察官に事情を聞く。

運転していた男は、車内に居た若い男を息子だと説明。
詳細に息子のプロフィールを説明。
具体的であったがため警官は信用して車を通した。

警官の説明を受けても納得がいかない伊吹
ここで追跡をあきらめさせられるのかと思っていたが
引き続き追跡を続けるという志摩の言葉に笑みを浮かべる。

逃走車両
検問をパスして肩の荷が降りる夫婦
犯人を息子と称した自分に自嘲するかのような
先ほど検問の警察官に見せた家族写真を手に取り眺める
加々見はこの夫婦の間に流れる、自分に対する怯えだけでない
何かを察する。

2台の車は東京を過ぎ、神奈川へ入っていく。
志摩は本部へ広域捜査の許可を請う。

<感想>-----------------------------

2話目にしていきなり広域捜査!
刑事ドラマ好きの常識を打ち破っていきますな〜。
まだレギュラーキャラクターの関係性とか固まってないうちに
行動範囲広げちゃう??と思ったけど
そんな心配ないくらいキャラクターと関係性は
物語を進めながらもしっかりと描かれている。
しゅごいよーにほんごおかしくなっちゃう。

しかも見てる時は見てるだけだったから
ドキドキのシーンだなとしか思わなかったけど書き起こしてみると、
メロンパン号犯人車両の切り替えが細かくて
本当にめんどくさーい。
でもこの切り替えが緊迫感を生むんだろうな。

◻︎逃走車両持ち主の自宅前

表札に「田辺 将司 早苗 秀則」とある。
陣馬がインターホンを押すが誰も出てこない。

隣に聞き込みに行く陣馬と九重。
九重は伊吹からもたらされた
不確かな容疑者情報に「99%無駄だ」と愚痴をタラタラ漏らす。
「俺たちの仕事は99%無駄だ」と笑いながら言い切る陣馬
釈然としない表情の九重

陣馬、アパートのインターホンを押す。
住人が出てくるのを待つ間、九重の愚痴は続く。
「優秀だった志摩が伊吹の暴走に付き合うのか理解できない」

九重志摩には興味があるようだ。
優秀な刑事が捜査一課から失敗で飛ばされたことを
4機にくる前に調べたという。

九重の言葉にひっかかりつつも
志摩が失敗した内容を知っているのか訪ねる陣馬

九重が口を開く。
「志摩は相棒を殺した」

◻︎追跡を続けるメロンパン号車内

自分のこと信じて容疑者追跡を続行しているのか
志摩に問う、伊吹

あっさり信じてないと切り捨てる志摩
伊吹のことも、さっきの検問の警察官のことも信じていないという。
田辺宅を調査しに行った陣馬と同様、
可能性がゼロになるまで確認はするというスタンスの志摩。

前回の他人も自分も信じてないという志摩の言葉を受けて
伊吹は自分が信用されてこなかった過去の話を始める。

世を拗ねたように生きて自分も他人を信じなくなっていた時に
たった一人信じてくれた人と出会えたと話す。
志摩にも、自分を信じていいと言う。

結構ですと切り捨てる志摩
そのタイミングで志摩の携帯が鳴る。

陣馬からの連絡。
逃走車に乗っているのは田辺夫妻
確かに息子がいたが
12年前の今日、高1の時に自殺しているという。

◻︎逃走車内、加々見は手についた血を懸命に拭っている

運転手の男、田辺が話し出す。
今日は息子の命日であると。
本来だったら二人で墓参りに行くところだったと。

そんな話されて解放しないと撥ね付ける加々見

それでも息子の話をやめない田辺
生きていたら加々見と同じ年くらいの年なのだと言う。
改めて見てみると少しにてるなと続ける。
同調する、妻・早苗
車内に蔓延する空気を払拭したいかのごとく
手を執拗に拭う加々見

なんだか運命みたいだとまで言う田辺

「やめろ」と叫び、再び早苗を凶器で脅す加々見

「僕は今、あなたたちを脅してるんだよ」
姿とは裏腹に田辺夫妻の発する空気に
飲み込まれているのは加々見の方に見える。

早苗加々見に問う。
「本当に人を殺したの?」

○逃走車両後方のメロンパン号の中。
考え込む志摩の顔が見える。

早苗の発言に揺らぐ表情を見せる加々見

メロンパン号から急に下車する志摩

<感想>-----------------------------

ストックホルム症候群のようだけど
「永遠に不在の息子」を求める田辺夫妻の感情の方が強くて
加々見の方が気圧されてる。
加々見の方も自分がずっと得られなかった「自分を庇護してくれる大人」に
こんな形で出会うとも思ってなかっただろう。
警戒の表情から泣きそうな顔に変わるの。
松下洸平上手いなあ。
このキャスティングも上手いなあ。
まだ朝ドラ「スカーレット」の八郎イメージが強いから
「きっと悪いやつじゃない」って印象で見てしまうもの。
それ自体が事件の推理としてはミスリードになる。

『アンナチュラル』の時も
朝ドラ『ひよっこ』の三男のイメージがまだ強いうちの泉澤祐希を連れてきて
「悪いやつじゃないから踏みとどまるかもしれない」という視聴者の
期待の裏をかいて恋人を殺した相手を刺した。
あの時は度肝抜いたぁ〜!本当にいつも翻弄してくれてありがとう!

◻︎「本当に人を殺したの?」という問いに首を横に振る加々見

○田辺車内
早苗が自分の話を聞いてくれる相手だと認識したのか
自分のことを断片的に話始める加々見
殺していない」という言葉は言っていない。
しかし、加々見の話に
信じる」と力強く頷く田辺。同調する早苗

夫妻の反応に戸惑う加々見

そこへメロンパン号から降りた志摩が近づくき、運転席の窓をノックする。

警察が来たかと加々見より先に狼狽える早苗
「私にまかせておけ」と田辺
加々見に寝たふりをさせる早苗
瞬時に加々見を庇う連携をはかる。
言われるまま早苗にもたれかかる加々見
共犯関係、疑似家族になった3人。

ウインドウを開け、志摩に応対する田辺

バックドアが開いていると注意する志摩
言葉巧みにバックドアを開かせる。
後部座席に黄緑のジャケットの男が居ることを確認して
メロンパン号へ戻る。

服装一致、凶器らしきものを持っているのを確認。
容疑者の加々見だとあたりをつける志摩
自分の目が正しかったことがわかり得意げになる伊吹

車内にボイスレコーダー
盗聴ではないこと
Bluetoothの説明。
車内の様子を伺いながら尾行を続行することを決める志摩。

自分のスマホが音声再生で使えなくなった。
スマホを伊吹のポケットから拝借する志摩
くすぐったがる伊吹

陣馬へ連絡する志摩。
田辺の車の後部座席にあった花から
今日買ったものだと推理して
包装紙にあった店名を告げる。
前足を探ってくれるよう依頼。

<感想>-----------------------------

盗聴が違法かどうかと
Bluetoothの説明のくだり。
ただの情報だから退屈といえば退屈になりそうなシーンだけど
伊吹がくすぐったがるシーンを入れて楽しくしてくれている。
ただの情報を入れるときはギャグシーンにしろって
なんかで聞いたよ。

◻︎仕込んだレコーダーからメロンパン号へ田辺車の音声が届く

○田辺車
自分の身の上話をしている加々見
父親が毒親で高校卒業と同時に家を出て
東京で苦労していたところ、
同級生だったと出会ったという。

のおかげでまともな職に就けた加々見
人間らしい生活をできるようになったことで
に恩を感じている。

○メロンパン号車内
加々見に共感する伊吹

○機捜本部
をクビにしたのは被害者の専務
岸が専務を「天誅上等」とSNSで中傷していたという
情報が届く。
岸の実家が山梨。
田辺車も山梨方面へ向かっている。

○メロンパン号車内
加々見から語られる被害者の専務と岸の人物像。
被害者からのパワハラがひどく、岸が殴ったという話に
伊吹も、田辺車に居る早苗も殴っていいと共感する。

殴った岸がクビになったのを聞き
落胆する伊吹
「上司を殴ったらクビになるな」と志摩が言うと
伊吹は自分を殴った件を持ち出し
志摩がクビにならないのはおかしい」と意見する。

スルーする志摩

田辺が親身になって加々見の話を聞く様子で
田辺夫妻が人質なのか訝しむ志摩

すでに加々見寄りの気持ちになっている田辺
自分の思い描いたストーリーを口にする。
「それで岸くんが専務さんを…」

加々見はすぐには答えない。
止まめていた息を吐き出すのと一緒に
天誅だって…あいつは殺されても仕方がない人間だって」と
声を絞り出す。
岸がSNSで専務を中傷していたのと同じ言葉だ。

加々見が核心部分を話すかというタイミングで
Bluetoothが接続不良を起こす。

加々見の断片的な証言を聞いて犯人ではないと
思い込む伊吹
懐疑的な志摩
では、加々見はどうして逃げているのか。

加々見から語られた断片的な情報で
加々見に共感を寄せる伊吹は脳内でストーリーを
作り上げてしまう。
自分の無実を証明するために決まってるだろ」

田辺車、メロンパン号
2台の眼前には富士山が迫る。

<感想>-----------------------------

伊吹が志摩に殴られた件
最後に出てくる大事なシーンに関係があるから
忘れられないようにストーリーのちょうど真ん中あたりで出してきてる。
ちゃんと道しるべを置いてくれる優しさ。

視聴者はすごい前のことなんて覚えてる義務ないからね。
自分は読者さんが覚えててくれると思い込んで
やらかしたから、自戒自戒。

あと「断片的な情報」で「感情的になること」の怖さ。
SNS時代にありがちな負の側面。
「情」は人を繋いだり癒したりもするけど
その感情を呼び起こした情報が正しいかどうがを判断する
理性もないとダメなんだ。
両方が必要。
伊吹志摩、両方が必要。
これぞバディ!エモい!

◻︎田辺夫妻が立ち寄ったフラワーショップに赴く陣馬九重組

○フラワーショップ店頭
店は事件現の目と鼻の先だった。
防犯カメラを確認。

本部の刑事がホワイトボードに事件の概要をまとめている。
その映像に
伊吹が自分の考えた今回の事件における加々見のストーリーを語る。
「朝出勤すると、上司が死んでいて
別のスタッフに犯人だと疑われ、慌てて逃げる。」

志摩が「自分が来た時には死んでましたと正直に言えば良かった」と
加々見の行動にまだ疑問を持つ。

伊吹は疑われることの辛さを、刑事になっても職質される
自分の経験に準えて訴えて加々見の取った行動を肯定する。

志摩も自分の経験則から
「たいていの犯人はやっててもやってないと言うんだ」と主張する。

それでも加々見犯人じゃない説をごり押しする伊吹
伊吹の「たまには人を信じてみなよ」という
刑事の仕事を根本から否定する発言についヒステリーを起こす志摩

「刑事の仕事は疑うことだ」と志摩も譲らない。
意見が対立する二人

加々見犯人説を否定するために
容疑者候補として「岸」「第一発見者」と適当に人物を挙げていく伊吹

「冤罪を起こしたらどうするんだ」という志摩の指摘を
志摩がなんとかしてと責任をぶん投げる伊吹
とうとう脱力する志摩

車は視界いっぱいになるほど富士山に迫っている。

それでも加々見を信じたいという伊吹

何を言っても無駄なことを悟り、脱力する志摩
本部からの連絡に投げやりに出る。

志摩のやる気のない応答にツッコミを入れる桔梗
通信が届かない状態で「声が怖い」とこぼしてから
態勢を整え応答しなおす志摩

陣馬九重班が向かったフラワーショップの防犯カメラに
田辺夫妻を拉致する一部始終が映っていたという情報が入る。
桔梗は山梨県警と連携して加々見を確保するように指示。

伊吹の「目」から、犯人が割れた。
陣馬九重に言う。
「無駄じゃない1%の方だったな」
自分たちの働きで犯人が割れたのに晴れない顔の九重

<感想>-----------------------------

刑事ドラマ定番の中盤にホワイトボード。
志摩伊吹は本部に戻れないのでその作業は別のスタッフが行い
伊吹の語りで被せる。
情報の交通整理をしつつ自然で流れを止めないのすごい…。

あと富士山をいうロケーションを選んだの見事だよね。
霊峰富士。信仰の対象となっている山。
人々の切なる願いを一身に受け止める大きな存在。

伊吹は加々見が犯人じゃないと信じたい
理屈じゃなくて願いなんだ。
「犯人じゃないと信じたい」と言った伊吹は
富士山に願いをこめて視線を送る。

企画する時どういう連想ゲームしてるんだろう。
願い」ありき?「広域捜査」しようってスタート?
富士山」はどのタイミングで出てきたんだろう。めちゃ気になる。

桔梗からの通信を志摩が投げやりに出るくだり。
あそこサラっと出てもストーリーは通じるのに
なんであのやりとりになったんだろう?

仕事だとすぐに切り替えらられないくらい
普段冷静に努めてるタイプの志摩
伊吹に感情をかき乱されてる余韻ってことなのかな。
シーンごとで感情を分断しないようにしてるってことか?
めちゃくちゃちゃんと「人間」としてキャラが動いてるんだなあ。

◻︎富士山が見える道の駅に到着する2台の車

○道の駅駐車場
加々見が凶器で田辺夫妻を脅したまま車を降りる。
危害を加える可能性があると本部に報告する志摩

横から口を挟む伊吹
「それと確保の許可お願いします」

加々見が犯人でないと願いつつも凶器を持つ加々見を目の当たりにし
万が一を考えた伊吹
「変なことを起こす前に止めないと」

田辺夫妻加々見
車を降り立った先に富士山が見える。
田辺夫妻が亡くなった息子の3人で来た思い出話をする。

加々見と自分たち夫婦、3人でご飯を食べようと提案する田辺。
夫婦のペースに飲まれる加々見
そこには穏やかな空気が流れる。

戸惑っている加々見
田辺夫妻は加々見の行こうとしているところへ
最後までつきあうと約束する。
逃げないということを態度で示すように
加々見の腕を自分から抱える早苗

まだ戸惑っている加々見を促し3人で歩き出す。
側からみても楽しげな雰囲気を醸し出している。

後をつける志摩と伊吹。

◻︎トイレを済ませ、洗面所の鏡の前に立つ加々見と田辺

○男子トイレ洗面所前
自分たちのことを変な夫婦だとおもってるんだろうと
加々見に語りかける田辺

自分は田辺夫妻の息子ではないと吐く加々見

小さく苦笑いをして息子のことを語り出す田辺

当時反抗期だった息子が、
クラスメイトの財布を盗んだと疑われた。
息子の言い分も聞かずに怒鳴りつけて謝らせてしまったと。
息子が死んでから
本当は犯人は別に居て、息子は無実だったとわかった。

○女子トイレの洗面所
鏡の前で息子の写真を見ながら涙する早苗

○男子トイレ洗面所前
田辺は息子がどんな気持ちで死んでしまったのか
わからないままだと言う。
もしも時間が戻せるならば、息子を信じる
信じると言ってやりたかったと後悔の念を語る。

男子トイレまであとをつけてきた伊吹
踏み込むタイミングを伺っていると
田辺の息子へ言葉を耳にする。
信じてほしかった過去がある伊吹には田辺の言葉が沁みる。

感情をこらえきれなくなった田辺
そのまま洗面所に突っ伏し顔を洗った。

その姿を眺める加々見
険しかった表情が微かに緩む。
田辺に対して何かの感情が芽生えたのか、
肩に手を伸ばそうとする。

「はい、ストップ」とそこに割って入る伊吹
ちゃんと話しを聞くから大人しく出頭しろと言われて
一気に表情が険しくなる加々見

伊吹に対して凶器を突きつける。

男子トイレに向かう一般人を外で通行止めする志摩。

凶器をはたき落とされて、伊吹に簡単に捕まる加々見
伊吹に摑みかかる田辺
自分は警察だと主張する伊吹。
それでも田辺伊吹を離さない。
「行け!無実を証明しろ!」加々見に向かって叫ぶ田辺

伊吹を振り切って逃げる加々見
進路上にいた志摩に飛びかかる早苗

夫婦加々見に逃げろと叫ぶ。

一般人を無理に振り解けずに加々見を取り逃がす志摩と伊吹。

山の中を一目散に逃げる加々見。

<感想>-----------------------------

このトイレのシーンを見て
「加々見」イコール「鏡」だと気がついた。
脚本の野木さんはキャラ名決めるのに相当考えるとどこかで読んだ。
鏡像が実体の無いものとか投影するとか、たぶんそういう意味から。

死んだ息子がどういう気持ちで死んでいったのか
わからないことに苦しむ田辺を見て『アンナチュラル』に通じるって思った。
なぜ死んだのかが分からないと、残された人がずっと苦しむことになる。

書き起こして気がついた。
田辺は一度も「自殺」という言葉を使ってない。
口にすることができないんだ。

あと、名前でいうと「岸」と田「辺」。同じような意味。
溺れそうに生きていた加々見が掴まって救われたとか
そういうニュアンスかな?
オタク特有の深読み。

◻︎本部の桔梗と連絡をとり合う志摩

○機捜本部
加々見の実家は警官を手配。

○道の駅駐車場
保護された田辺夫妻は人質ではなく合意の上だったと言い張っている。
富士山をバックに響く早苗の悲痛な訴え。
「加々見くんは無実なんです」

○メロンパン号
保護された田辺夫妻。加々見の無実を訴える二人。
警察の伊吹が、加々見の無実を証明するために
加々見を確保したいと言って田辺夫妻を混乱させる。
割って入る志摩
加々見は現在、殺人事件の容疑者で
知っていて逃がしたなら犯人隠避の罪に問われることになると
田辺夫妻に警告する。

◻︎「犯人隠避」の言葉に神妙な面持ちになる田辺夫妻

その空気を吹き飛ばすかのように割って入る伊吹
「加々見が無実なら隠避にならない」
言葉尻にかぶせて志摩が訂正する。
「犯罪の嫌疑を受けて捜査中なら隠避になるんだ」
警察のルールにケチをつける伊吹
伊吹の態度に混乱する田辺夫妻

このタイミングでが見つかったと九重から連絡が入る。

陣馬と九重が東京にいる岸を発見。
加々見の元へは向かっていないと察する志摩

を見つけたとの声に志摩に駆け寄る田辺夫妻

志摩田辺夫妻に詰め寄る。
加々見の本当の目的は何か。どこに向かっているのか。
夫妻は岸の元へ自首を進めに行くものだと思っていた。
志摩は当の岸が東京で発見されたことを伝える。

その言葉で岸の犯人説が消え、
加々見犯人説が濃厚になってきたことを察する伊吹
それでも他に犯人が居ると思いたい伊吹

頑なに加々見犯人説を信じたく無い伊吹田辺夫妻を一喝する志摩
「人は信じたいものを信じるんだよ!」

富士山を背に志摩田辺夫妻の説得を続ける。
犯人がやっていないと言う時誤魔化すためと
本人がやっていないと思いたい場合があると。
自分がやってしまったことを認めたく無いからだと。

山の中を走る加々見の足がもつれる。
地面に倒れこむ加々見の表情は苦悶している。

志摩田辺夫妻に向かって言葉を続ける。
「できることなら罪を犯す前に戻りたい。」
「でも時は戻らない!」

田辺がトイレで話していた
「もしも時間が戻せるならば、息子を信じる
加々見息子を投影することで時が戻せたような気持ちで
居たのであろう田辺志摩の言葉を拒絶する。

志摩田辺に掴みかかる。
「彼は自殺するかもしれません‼︎」

田辺夫妻は自分たちで言葉にすることすらできない
自殺」という言葉。
加々見にその可能性があると聞かされショックを受ける。

メロンパン号の中で涙を拭う伊吹

志摩に問い詰められても言葉が出ない田辺
伊吹田辺夫妻を促す。

田辺に常に同調していた早苗が涙ながら先に口を開く。
洋品店に向かったこと。
その先は自分で歩いていくと言ったこと。
最終的にどこに向かったかは知らない。こと。

田辺夫妻にお礼を言う志摩伊吹
早苗を抱締める田辺

◻︎用品店で黄緑色のジャケットを脱ぐ加々見

○用品店内
万引きした包丁をジャケットにくるんで胸に抱える。
店員に呼び止められるも走って逃げる加々見。

○メロンパン号車内。
本部と連絡する志摩。

加々見の行く先に見当をつける住所を要求する。
現場にあった「血の掌紋」の鑑定結果が出た。
加々見の掌紋と一致。
加々見が犯人であることをが疑いようがなくなった。
車のギアを上げる伊吹。

メロンパン号の加速に呼応するように
逃げる加々見は必死に両腕を振りスピードを上げる。
胸に拡がる血痕があらわになる。

<感想>-----------------------------

初見の時、加々見に犯人でないで欲しかったと
自分も思っちゃってたよ。
松下洸平の庇護欲を掻き立てるフェイス、卑怯ですよ!
人を殺したと知ってもなお、加々見に同情してしまう。
してしまうように作られている!

◻︎一軒家にたどり着く加々見

ドアを壊して侵入する。
手には包丁を持っている。
土足で歩き回るここが、加々見にとってどんな場所か伝わってくる。

加々見のスマホにから連絡が入る。
自首をすすめるの言葉には答えずに
言葉を絞り出す加々見
アイツ殺して 僕も死ぬ」

の「アイツ?今ドコだよ」という質問に
鋭い目つきになり返答する。

「ウチ。十数年ぶりの懐かしの我が家
同級生だったに辛かったとの思い出を語り出す。

殴られた 反省文書かされた ゲーム壊された 漫画も捨てられた
物を壊したのはでも怒らせたことを謝罪させられた

包丁を手に室内を練り歩く。

一度も自分に対して謝らなかったを許せなかった加々見
そのは殺害した専務の松村にそっくりだった。

専務は人だった岸をクビにした人間だ。
そんなこと頼んでないと電話越しに訴えかける

アイツのせいだ!」と錯乱して叫ぶ加々見
男性が写った写真の束が視界に入る。
薙ぎ払って撒き散らす。

松村を殺害するに至ったことが「アイツのせいだ」と
それを教えるために実家に戻ってきたと家探ししながら
話し続ける加々見

しかし、叫びながら探しても誰も出てこない。

ガランとした居間に加々見が出たところで
伊吹が話しかける。
「お父さん死んだんだって」
驚いて尻餅をつく加々見

加々見の父は2年前に交通事故で既に他界していた事実を伝える。
この家には誰も住んでいない。

包丁を構えながらも這って後ずさりする加々見に近く伊吹
「今朝、上司を刺し殺したのはお前か?」

逆サイドから志摩が回り込む。
手には先ほど加々見が撒き散らした写真を持っている。

加々見に問う志摩
「父親へのあてつけで上司を殺したのか?
そんなことのために自分の人生を棒に振ったのか」

違うと否定しながら
志摩の手の写真をはたき落とす加々見。

今朝の事件がフラッシュバックする。

専務の松村加々見の頭を机に押さえつける
手元にあった道具箱の中のアイスピックが手にふれる。
何度も頭押さえつけられ謝罪を要求される加々見
松村の行為が過去のと重なる。
掴んだアイスピックを松村に突き立てる加々見

「僕はただ許せなかっただけだ」
実家の畳の上にへたり込む加々見。

松村の胸から噴き出る血を抑えて留めようとする加々見
息絶える松村。
自分の手についた血を必死に洗い流す加々見。
なぜ、どうして。こんなはずじゃない。なんでこうなった。
放心状態で座り込む加々見。
やがて第一発見者の仙田が出勤してくる。
逃げる加々見。
ドアには血がついていない。

加々見の話に耳を傾ける伊吹と志摩。

実家の畳の上に落ちた父親の写真を
包丁で何度も突き刺す加々見
「始まりはコイツせいだ」と。

「それが死んだ?」
悔しいとも可笑しいとも言えないような顔を見せ
さらに言葉を続ける加々見。

「自分の子供が人を殺したことも知らずに
なんの復讐にもならないよ!!」
激昂する加々見。
伊吹と志摩は黙ったまま加々見の様子を伺っている。

感情のやり場がなくなり周りを見回す加々見
父親の写真を鷲掴みにし
「まだ一度も謝ってもらってない!」と畳に投げつける。

加々見を見つめる伊吹

畳に刺さった包丁を抜く志摩
加々見の名前を呼び語りかける。
「あなたは人を殺した」

その言葉が表す現実が
加々見を信じたかった伊吹にものし掛かる。
伏せ目がちになる伊吹

志摩は冷静に言葉を続ける。
「理由はどうあれ命は取り返しがつかないんだよ」

加々見に近づき襟首を掴む伊吹
殺しちゃだめなんだと
相手がどんなにクズでも殺した方が負けだと
情をもって加々見を諭す。

堪えきれなくなり泣きじゃくる加々見
慈しむような手つきで加々見の顔をつつむ伊吹
無実でいて欲しかったと小さくこぼす。

スクリーンショット 2020-07-24 14.32.41

手錠を伊吹に差し出す志摩

志摩の方へ顔を向ける伊吹
その顔には一筋の涙が伝っている。

無言のまま手錠を受け取るように促す志摩

伊吹は観念したように口を尖らせ加々見に手錠をかける。
その様子を見つめる志摩

<感想>-----------------------------

実家に入ってからのシーン
松下洸平がすごすぎてな…それしか言えんのよ。
伊吹の前で泣き崩れる顔、何度も止めて見ちゃうでしょ。
スクショしたよ。描きたい。ってか描いた。
書き起こしてるだけでも感情にあてられてヘトヘトになる。

あと志摩伊吹の表情だけの微細なやりとり。
こんだけスピード感あるエンタメ全開の作品で
これだけ細かく感情のやり取りのシーンいれられるんだね。
いちいち志摩のアップと伊吹のアップを交互に入れてるって
気持ちが疎通があるということだもんね。

なんか志摩に落ちそうなんですが。
好きになっちゃいそう…!

◻︎連行される加々見の元へ駆けつける田辺夫妻

○道の駅駐車場
パトカーが止まっている向こう側から加々見くんと呼びかける早苗
志摩が加々見を制服警官へ引き渡す。

加々見ごめんと声を掛ける田辺
最後までつきあうという約束が果たせなかったことを
何度も何度も謝り続ける田辺夫妻
離れていく加々見の背中に
「いつかまた3人でドライブしよう」
「いつかまたね」と口々に声をかけ続ける。

その状況を見守る伊吹と志摩。

何度も繰り返される
自分ではない「息子」への
「父」からではない人たちからの「ごめんね」の言葉。

その虚しく哀しいファンタジーを
人々の切なる願い
夕暮れでやさしくピンク色に染まった美しい富士山が受け止める。

田辺夫妻の言葉が少しだけでも加々見を癒したのだろうか。
深く一礼をして加々見はパトカーに乗り込む。

その姿に安堵したのか少しだけ口の端を緩めた伊吹

<感想>-----------------------------

絵面が最高!
ピンクの富士山、パトカー、加々見の横顔のショット
ずっと見てられる。
モチーフ選びってやっぱ重要だな。

◻︎腹が減ったなと山梨名物ほうとうの店に立ち寄る志摩と伊吹

○食堂店内
向かい合わせでほうとうを味わう二人。
素直に美味いなと味の感想を言う志摩
乾麺のことを「乾いたの」と言い表す伊吹
たわいもない会話をしつつ、
志摩伊吹に「一つ言わしてもらう」と丁寧に前置きする。
また小言かと身構える伊吹

志摩「殴って悪かった。ごめん

意外な志摩の言葉に笑みをこぼす伊吹
からかうように志摩をちゃん付けで呼び
頭を撫でようとする。
ひとしきり志摩をからかったあと
「俺たちいい相棒になれそうじゃん?」と同意を求める伊吹

ご機嫌で調子に乗った伊吹に「結構です」と拒否する志摩
やいのやいのと朝にしていたメロンパン談義がまた始まる。
志摩が醤油に手を伸ばそうとすると伊吹が取り志摩に手渡す。

浮かれすぎてる伊吹に対し
さっきの謝罪を撤回すると告げる志摩。

「遅い遅い。時は戻らないよっ」と返す伊吹。

少し考え込み伊吹の言葉に同調する志摩。
「そうだな。時は戻らない」

言葉を続ける志摩。
「人の命は返らない。どんなに願っても」
「お前は長生きしろよ?」

志摩の言葉の意味をはかるように少し顔を上げるてみる伊吹。

食事を続ける二人。

end

<感想>-----------------------------

対面でご飯を食べるのは、
腹を割って話そうぜということですよね!

乾麺を「かわいたの」というこういう伊吹の可愛いおバカは
重い話の後にホッとさせてくれるよね。

「お前長生きしろよ?」という言葉の前には
「(俺の前の相棒は死んでしまったが、今度の相棒の)お前長生きしろよ?」
という意味が含まれてますよね。
「相棒」と認めてるじゃん!認めてるじゃん!

あーもーヤダ〜
志摩のこと好きになっちゃうよ。
この先、志摩が辛そうな気配するから好きになったらキツそうなんだが!


ここまでお付き合いくださった方。
大変お疲れさまでした。

#MIU404

#アンナチュラル

#テレビドラマ



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