見出し画像

『アンナチュラル』 タイトルと死因。

こんにちは。さがのです。
今回はドラマ『アンナチュラル』の話です。
ちなみにトップ画像は、5話で中堂が立っていた波止場です。
三浦海岸の方です。聖地巡礼するオタク。

本題に入ります。
タイトルに全てのエピソードが
集約されていることに気がついた。という話は
以前の記事でしました。

さらに「死因もモチーフも細かくリンクしてるのでは?」
と思い至って放映当時に
まとめておいたメモを貼ります。


◻︎タイトルと死因とストーリー

第1話 「名前のない毒」感染症による死  不安の伝播
第2話 「死にたがりの手紙」凍死 心が凍える
第3話 「予定外の証人」刺殺 ハラスメントの言葉が刺さる
第4話 「誰がために働く」 動脈破裂 労働環境のパンク
第5話 「死の報復」溺死  復讐の感情飲み込まれる
第6話 「友達じゃない」 感電死 ?窒息?
第7話 「殺人遊戯」失血死 生きる気力が底を尽きる
第8話 「遥かなる我が家」焼死  帰れない人たちへ火葬
第9話 「敵の姿」ホルマリン中毒死 法医学の盲点 
第10話 「旅の終わり」有希子殺し犯人高瀬が認める


【第1話 名前のない毒】

このタイトルの中に入ってる「名前
これがテーマ。
これが第1話に来てるのがすごい意味ある。
舞台設定とキャラクターの自己紹介の回だものね…!

一番始まりのセリフもミコトの「名前?」だし。

ボードに自分の名前を貼ってくだけで
役職と自分の名前をテロップなんか入れないで紹介してるのが
鮮やかでこんな演出かっこいいなー!って部分的にしか思ってなかった。
全体に「名前」が行き届いてたわ…。

「名前」それが何であるか認識するために必要

死因に名前を与える
末次と六郎が居酒屋で「三澄ミコト」って書いて
名前を連呼してたのも石原さとみが「三澄ミコト」なんだよって
覚えさせる意味があったのでは。
そんで最後の本当の名前「雨宮」を出してくる。

結婚のエピソードも
本当の名前を教えてないのに
違う名前にはなれないとか
そういうことなのかな。

今更気づいたのかって感じだけど
今更震えたわ…!


【第2話 死にたがりの手紙】

死にたがりの手紙=助けてのメモ
「助けて」がテーマ
名無しの花ちゃんのSOSを拾いに行ったら
ミコトがピンチになって中堂にSOSを投げて
中堂が拾って助かる
「ユキオトコノイエ」というメモも
「雪男?」凍死にリンクしている。


【第3話 予定外の証人】

これはタイトルそのまんまな気がして
それ以外の要素は私じゃあんまり上手く拾えなかった。

【第4話 誰がために働く】

最悪の労働環境 雇用主からの脅迫→露見

これとリンクさせて中堂が脅迫されている件
中堂が秘密にしていることをミコトが知る。
中堂が「誰のために働いてるのか」っていうのも
かかってるっぽい。
あと脅迫の話で
東海林と神倉さんのエピソードも。


【第5話 死の報復】

ここがたぶんドラマの折り返し。
タイトルそのままの回だったけど
この回「恋人」の回なんですよね…!

しょっぱな解剖医が2人体制になってることといい
ミコトが中堂の「永遠の問い」の言葉に共感してしまって
二人で行動することに。
男女にまつわるアレコレ。
嫉妬する六郎…六郎可哀想!骨は拾ってやる!
東海林合コン話。

中堂が鈴木が
「恋人の復讐をしたい」という自分の気持ちの
波に飲み込まれてしまった的な。

【第6話 友達じゃない】

「じゃない」=「欺く」回
レイプドラッグ
友達とビットコイン詐欺
強姦の手口を友達とグルになって欺く
その友達も「友達じゃない」騙して殺しちゃう

捜査2課を欺く神倉さん
宍戸の「友達」という言葉
中堂の反応を見ていないという六郎


【第7話 殺人遊戯】

※この回だけ当時の感想残ってました

毎度、前回の話を受けたエピソードと
次の回への要素が入ってる。
6話『友達じゃない』で性暴力を働いた
「加害者」が社会的に認められるような
職業について反省する様子もないって描写があった。

それの後に今回の話を並べてくるのが素晴らしい。
ミコトの台詞の
「貴方の人生を奪ったことなんてすっかり忘れて生きて行くの」
先週居た!そいつら見た!
視聴者が実感としても感じてることを
構成でも強化してる。

箸休め、癒し的な坂本さんと中堂のシーンも
実は「いじめ」の構図だよね…!
ハラスメント→居場所変える→弱い立場でなくなる
「アイツ生き生きしてたぞ」っていう中堂の台詞

ハラスメントから逃れようぜっていうメッセージを
こんなに面白く書けますかねっていうね!
ミコトもこの時「あっちらさんの方のが地獄だったと思いますけど」って
中堂の味方はしてないし。


今回の話見てやっぱり
死因も話とリンクしてるのではと思った。
失血死。

1回目見た時に
「白井君が居たのにどうして…孤独ではなかったはずなのに」って
思ったんだけど
やっぱりこれは外野の感想だったわ。

側に誰が居たって、
実際に体に受けた痛みが和らぐわけではない。
大元の傷口が塞がる(暴力が止む)ことがないと
暴力で受けた心の穴から
生きる気力が徐々に失われていく様子。

流れ出てった生きる気力がある日底を尽きてしまった。
それとリンクさせての「失血死」

いじめについての高校生達の話が濃厚すぎて
全体の流れを見失いそうなんだけど、
横山くんは「復讐自殺」しようとして失敗。
白井くんを苦しめた。
「誰かが復讐しようとしたことで誰かが苦しむ」姿を
目の当たりにした中堂。
白井くんにかけた「赦されるように生きろ」って言葉。
中堂自身にも響いてると思いたい。

ミコトにもちゃんと響いてた。

中盤にあった六郎との「生存者の罪悪感」の話
あれはミコト自身の話でもあると思う。

ミコトは一家心中の被害者だけど加害者でもあるんだ。
「練炭を準備する手伝いをさせられた」って2話で言ってたし。
当時、それが何を意味するのか理解してなくても
記憶があったわけだから罪悪感に苛まれたはずなんだ。

「名前を変えて 新しい人生を生きて行くの」

これはミコトが自分のことを語った台詞だと思うし
だからこそ中堂の「赦されるように生きろ」で
人前で泣きたくないミコトの涙をこぼしてしまったんだと思う。


【第8話 遥かなる我が家】

雑居ビルで焼死した身元不明の男性

奥様の死を認められないゴミ屋敷の屋敷さん
ご遺体を引き取れない

東日本大震災で帰れないご遺体

帰れない六郎

野木さんの「すべての帰れない人たちに捧げます。」というツイートで
今回の死因の焼死は「火葬」だったんだと気付いたらもう…


【第9話 敵の姿】

本当の死因がわからない

UDIにとっての敵 六郎

口の中の金魚 連続殺人の犯人 高瀬


【第10話 旅の終わり】

逃げ続けた高瀬の旅の終わり

中堂の犯人を探し求めた旅の終わり

六郎の自分探しの旅の終わり

アンナチュラル、最後の法廷のシーン。
母親から加害を受けた人間の対比になってたんだ。

2話で何気なく六郎と中堂が交わしてたような
一家心中の生き残りの少女(ミコト)についての会話。

「クソ親に殺されかけた。その子供今頃犯罪者になってるかもな。絶望するには十分だ」


まさにその人物像の高瀬が夕希子を殺した犯人だったとは…。
そんで自分の過去に絶望してる暇もないように
生きてきたミコトが 犯人に引導を渡す。

おわりに。

各話タイトルと死因とストーリーのまとめは以上です。
『MIU404』3話目で気がついた
「ビジュアルのモチーフで韻を踏む」
「関係性の韻を踏む」という視点では当時見てなかったので
もう一度見直したらまだまだ詰まってると思うんですよね。

パッと思い出すだけでも4話目とか、
死んでしまった男性の家族の話で
三澄家全員出てきて「家族」の関係で重ねているし。

あ〜!ずっとこと話をしたかったけど
タイミングが無かったからまとめられずにいたけどようやくできた。
スッキリした〜!

#アンナチュラル
#テレビドラマ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?