ミュージカルはなぜ歌うのか?


「うしおととら」や「からくりサーカス」で知られる、漫画家の藤田和日郎先生のXを見ていたら、とても興味深いポストがありました。
TLに流れて埋もれてしまってはあまりにもったいない気がしたためnoteに残します。
 一つ目が藤田先生の疑問です。

 ミュージカルはなぜ歌うのか?これはミュージカルが好きな人よりも嫌いな人のほうが疑問に思うことでしょう。とはいえミュージカルが好きな人であればはっきり答えられる疑問というわけでもないことでしょう。私もスッキリと腹落ちするような答えは持っていませんでした。
 しかし、藤田先生は演出家のスコット・シュワルツさんから答えを得ます。

「それは、言葉にできないから歌うのです。」
 そうだったのか。私まで疑問に終止符を打ってもらえました。ミュージカルだけではないでしょう。バレエは言葉にできなから踊り、オーケストラは言葉にできなから楽器を奏でるのです。
 ところで小説家はすべてを言葉で語れるのでしょうか?思うに言葉にできないから物語にするのではないでしょうか。こう考えると、なぜあらすじだけでなく小説を最初から最後まで読むことに意味があるのかも説明できる気がします。
 あらすじでは削ぎ落とされてしまうであろう、ただストーリーを言葉にしただけではない、言葉にできない作者の思いが小説にはあるのです。
 私が小説を書きたいと思うのもここに理由がある気がします。


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