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世の中で起こっているあらゆる問題について

最近のニュースを見ていてモヤモヤしたので、自分の心の整理がてら書きました。

会社に犬がやってきた

ある会社の社長が職場に自分の犬を連れてきた。

「職場が殺伐としてるから、動物がいたらみんなもっと穏やかな気持ちで仕事できるかと思って」

犬を連れてきたことは会社や社員にとってとてもいい効果があった。みんな、仕事の合間に犬を触ったり、遊んでいる姿を見ているだけで癒された。職場に犬を連れてきたことは正解だった。

数ヶ月したある日、社員の一人が自分の犬を連れてきた。

「うちも犬がいるから連れてきたいと思って」

社長が連れてきた犬はゴールデンで大きい犬だったが、今度はチワワでとても小さくて、これはこれでまたみんな喜んだ。

それからしばらくして、今度はまた別の社員が犬を連れてきた。

「うちの犬も」

そうして、次々に社員が犬を連れてくるようになった。会社は総勢30名程度で事務所は一気に狭くなった。

ある日、一人の社員が怒り狂い出した。

「もう我慢できない!自分は本当は犬がとても苦手なんだ。1匹くらいならがまんできたが、こんなにいるのは我慢できない!もう犬を連れてこないでくれ!」

彼は、実は犬アレルギーだった。1匹くらいでは、広い事務所だったので影響がなかったが、これだけいるとさすがに身体に支障をきたし始めていた。しかし、彼はこの段階でもまだ、犬アレルギーであることを伝えていなかった。犬がいなくなれば済む話だからだ。

犬を連れて来ていた社員は彼を非難し出した。

「彼は犬を飼ったことがないから、このかわいさがわからないんだ。動物にひどいことを言ってかわいそうだ」

自分のことを上手く話せない彼は、売り言葉に買い言葉で返してしまい、犬なんてどこかへやってしまえ!と言い、みんなから嫌われてしまった。

正確には、犬を連れて来ていた人及び、その人たちと仲のいい人たちから。

実は、彼にアレルギーについて知っている人が1人だけいたが「犬をどこかへやってしまえ!」と言い放った彼に、もう加担ができなくなってしまっていた。

次の日、アレルギーを持っていた社員は辞表を提出した。

数日後、別の問題が出てきた。

ある社員がドーベルマンを連れてきたのだ。ドーベルマンはとても力が強く、甘噛みでも指くらいだったら折れてしまう。他の犬もこわがってしまった。

「そんな怖い犬は連れてくるな!」

「怖くない!とってもいい子なんだ」

「じゃぁ、その犬は鎖で繋いでおいてくれ」

「そんな、この犬だけ繋ぐなんてかわいそうだ。こいつだって他の犬と遊びたい」

ある日、そのドーベルマンが小さいチワワにじゃれたが、襲っていると勘違いした飼い主に殺されてしまった。

「正当防衛だ。怖い犬を連れてくる方が悪い」

ドーベルマンの飼い主は怒ってその社員を殴ってしまい、全治2週間の傷を負わせてしまい、傷害罪で捕まってしまった。

社長は困ってしまった。

なんでこんなことになってしまったのか。あんなに仲の良かった社員たちが、いまではいがみ合い、攻撃しあっている。人間関係が悪すぎて、全く仕事が進まないし、お互いが足の引っ張り合いをしてしまっている。

これでは統制を取れない。主に攻撃をしている社員をクビにするか、いや、攻撃されている側の人間は主体性がないから負けてしまうので、会社の存続においてはこっちの社員をクビにするべきじゃないか。攻撃している方も間違ってはいないし、いったいどうすれば。

「とりあえず、犬は全部鎖につないでください。」

「鎖を持っていない」

「会社の命令なのに自分で用意しないといけないの?」

「それでは、鎖代は会社が用意します」

「そんなことに会社のお金を使うな!」

社長は困り果て、自分のゴールデンと一緒に近くの公園のベンチに1人座り込んでいた。

するとそこに、ひとりのおじいさんが来て話しかけてきた。

「かわいい犬だね、お利口さんだね」

「はい、ゴールデンはもともと優しい性格で、賢いんです。人にもとってもよくなつくんです」

「こんな昼間に犬を連れて、お休みかい?」

「いいえ、会社に犬を連れてきているんですが、どうも会社に居辛くなってしまって、、、」

「へー、会社に犬を、それはどうして?」

「はい、会社がもっとよくなるように、社員がもっと笑顔で仕事ができるよう、少しでも日頃のストレスを減らせればと思って、、、!」

そこまで話すと社長はハッとした。

「すみません、僕は会社に戻らなければ」

そう言い、犬を連れて会社に走って行った。

最近起こっている様々な問題について

今って、なんかいろんな問題がこじれに拗れて、問題の本質を見失ってしまっているようなこと多くないでしょうか。私はそう感じています。

ある問題に対し物申した人がいて、その人の言うことも分からなくはないんだけど、場当たり的にそれだけ解決したら今度は新たな問題が勃発したり、それは差別だ!と差別を訴えたその訴え自体が当事者からしたら差別だ!ってなったり。

根本として、みんな社会を悪くしたくて言っているんじゃないってところがまた難しくて。

先に書いた会社の話。みなさんは、どうしたらいいと思いますか?

答えは様々だと思いますし、どれが間違いで正解も、ないと思います。ただ、少なからず自分の中での正解は、持っておいた方がいいと思いますし、それを基準にどうしたらいいか考えられるようにしといた方がいいと思います。自分の生きやすい社会は自分しか分からないので。

で、私が考えるさっきの会社の答えは、今一度原点に立ち戻り、なぜ犬を会社に導入しようと思ったかをきっちり説明し、社員に理解してもらうことだと思います。

おそらく、社長は会社の空気を良くしたいと思った時、ちょうど家にいた犬がゴールデンで、ゴールデンの特性も踏まえて「この犬なら会社に連れて行ってもいいな」と思ったと思います。そこのあたりを説明せずに導入したもんだから、本質がぶれてしまったのだろうと。

本質は、説明不足や時間の経過、浸透できる人数により、うまく伝わらなくなります。

問題に対し、場当たり的に対応するのではなく、本質を伝え直すことも必要だし、自らことの本質は何かをしっかり考えることも大切ではないかと思います。


日々ラーメンを食べることができたらそれだけで幸せです。