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「不正の撲滅は無理」 少し苦笑いしながら言ってましたね。ヒューマンエラーって何でしょうか?

 びっくりしましたね、この発言。

不正の撲滅は無理です

間違いが起きたときに立ち止まりすぐ直していく

そのサイクルを回していく事が永続的に企業活動をしていくという事になる

 
 しかもちょっと笑いながら言ってましたし。。。
 ただこれにはしっかりとした裏付けがあるから言える事であり、笑ってしまったのかもしれません。
 
 賛否はあるみたいですが私自身は納得の説明だと思ってます。
 今回は私なりの解釈でこの裏付けを説明してみます


ヒューマンエラーには大きく分けて2つあります

 判断のミス(100%に限りなく近付ける事しかできない)

 確認のミス(100%防げるもの)

 
 皆人生の中で
 「あの時は絶対こうだった」
 でも他人からみれば
 「いやいや、あれはこうだったよ」(笑)
 って事一度や二度はあるのではないでしょうか?
 
 人って判断を間違える生き物なんですよね 
 完璧な人間なんていないし人ってのがそんなんだと思います


この要素を盛り込んでいる良い事例があります

皆ご存じのISOです


 今回はISO9001、製造業での事例を挙げてみます

 製造において図面の通りに組む、これが基本です
つまりこれが意味するものはワーク(製品)に対して行っているのは確認のみであり判断はしていませんし、してはいけません
 (いつもと同じ製品が出来ていないのであれば自分の行動、設備、その他   環境の何かが違っているはずでそれらを疑っていく)
 
 検査も同様です。判断をしているわけではありません。確認をしているだけです。判断をしていると感じているならば検査基準が甘いか足りていないのどちらかになります

 ただ判断を必要とする時があります
 前例がない事案が発生した時です。
 この場合対策として基準を変える、追加する必要があります。故に
  ・図面
  ・検査表
  ・標準作業所
 製造部門では主にこの3つを変える、変えて頂く感じになります

 ここで注目したいのがこれらの書面の承認の印鑑の数です
 少なくとも3つ以上はありますよね? つまり

 判断を要するものは複数人でやろうって事です

 もう一つ大事な事、「人は判断を間違えてしまう」この認識がなければそもそも上記3つの基準を変えるという発想にたどり着きません



 この認識の有無は企業の業績や体質にも強く影響は出ているのではないでしょうか

認識のある企業だと

  • ~の後が大事。その後に重点を置き切り替えが早い

  • しっかり対策をうち再発しにくい

  • 指摘しやすい環境になる(助け合い)

  • 公平で公正な判断ができ屁理屈が少ない

  • ミスを言える環境作りが出来ている(不正の温床の排除)

  • 中長期において健全な経営ができる

 この認識の無い企業は上記の真逆になります。
 いつまでも責任追及したり人の上げ足を取る行為が横行したり。
 失敗するな的な感じになる為不正の温床になりかねません
 ミスするなと豪語されている方がミスった時かなり気まずいです(笑)
 ほんと何も変わらない、変えていけない企業になりがちです


苦笑いの真相は?

 人は判断を間違える、この認識がある方が良い結果がでるんですよね
 「永続的に~」という表現を使われたのもこの事かなと思います

 事案が大きいので説明責任を求める声も大きいと思います
 一定の説明責任を果たした後は対策をどうするかです
 
 この切り替えが豊田会長はものすごく速いんだと思います。くどくどずっと責任の追及みたいな事ををやっててもこれただの時間の無駄なんですよね
 
 人を責めるな仕組みを責めよという言葉もあります
 これはまさにその通りでどんな仕組みにすれば再発防止できるのかなんですがそもそも「人は完璧ではない」この前提がなければ中々対策が進みません(基準を疑うことができない、判断を必要としない基準って何だろう?)

 今回の事案が大ききいろんな方と話し合いを持たれたと思うんですがあまりにも「人の判断は完璧ではない」この考えを持っている方が少なかったのではないでしょうか?
 そこで思わず苦笑いをしちゃったのかなって思います


余談と問題提起

話は少し遡りますが少し前に起きたダイハツの不正問題ですがあれって

 判断のミスだったのでしょうか?
 確認のミスだったのでしょうか?

公表する必要はないですがどのくらい社内で原因追及ができているのかなって思いました。事案の数、質などから確認の遅れがあったことは間違いないでしょう

 非常に難しいのが判断のミスの方なんですよね

 気付いてから判断を複数人で行えているか否かです

 部下は責任の重みが違うので数に入りません
 出向していた社長とほぼ同等の責任を持たれている方とです

 ここで大きな矛盾が生じます

 日本の組織といのは「長」はほぼ一人です
 主任、係長、課長、部長、役員、社長など

 故に多くの事を一人で判断してしまっているのです

 
 これは非常に難しく私も良い案が浮かばないのですが例えば連帯責任制を取るような組織に変える
 少し大きめの課題が出た場合、同等の責任を持つ方の承認を得て対策、実行するとか


 今回、日本を代表するトヨタ自動車から不祥事が出ました。

 日本を牽引してきた企業と言っても過言ではないでしょう

 どれくらい踏み込んだ抜本的な対策を行うのか少し楽しみでもあります

 








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