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違いを力に。越境での学びで、自身の役割をアップデート

5年後に組織の中核となるチームで成果を出せる人材を育成することを目的に、複数の企業から次世代を担う社員が集い、企業の枠を越えて共に学ぶ『次世代リーダー育成プログラム』。今回は、静岡鉄道株式会社から参加した大山さんに、半年間の研修で得たものや受講後の変化について聞きました。

▼次世代リーダー育成プログラムのサービスページを見る
https://nokioo.jp/service/next-gen-leaders

静岡鉄道株式会社人事部 人財育成課 主任
大山 智世(おおやま ともよ)
茨城県生まれ、大学進学を機に静岡へ。卒業後に静岡鉄道株式会社に入社。不動産事業で管理部門や営業部門を経験。その後、会社の自己啓発休職制度を活用し2年間「地域おこし協力隊」として活動。地域住民や行政と共に地域資源を活用した観光交流客数の増加に取り組んだ。復職後は人事部として採用や人財育成を担当。


<受講背景>「個の成長」を推進する、会社の人財育成担当として

ーーー まずは、大山さんの自己紹介をお願いします!

大山さん:静岡鉄道は静岡市に本社を置き、鉄道事業や不動産事業、ホテル事業など多岐にわたる事業を地域密着で行っています。私自身は不動産事業での営業を経験したあと、自己啓発のため一時休職し、復職後は人事の仕事をしています。今年の4月からは人事部の中で人財育成課に異動となり、主に社内研修やダイバーシティ推進などを担当しています。

ーーー まさに人財育成がミッションなのですね。大山さんが今回、次世代リーダー育成プログラムを受講することになったのは、社内への活用を考えてのことだったのでしょうか?

大山さん:その通りです。静岡鉄道は「個の成長」を人財育成のコンセプトに掲げています。私たちは1人ひとりが成長できる環境をつくり、社員が成長することで会社へのエンゲージメントが高まり、その結果、会社や地域への還元ができることを目指しています。

そこで、自社で研修を企画する前に、まずは人事部の私自身が外部研修を受けてみることで、「個の成長」に活用できるか体験することにしました。

<効果>「期待役割」の考え方を学び、目標設定の仕方が根本から変わった

ーーー 研修を終えた今、ご自身で感じる「変化」はありますか?

大山さん:一番大きかったのは、チーム視点が身についたことです。

職場は課長を含めて4名のチームで、主任の私のほかに2名の後輩がいます。ただ、受講前の私は、自分の仕事を完結させることに注力しており、チームとしての成果を上げるところまで考えが至っていませんでした。

それが研修のケースワークなどを通して、チームを最適化するという意識が身につきました。以前はメンバーを管理することがマネジメントという意識がありました。そうではなく、チームの成果を最大化するために動くのがマネジメントなのだと認識が変わりました。

ーーー 研修で印象に残っているカリキュラムがあれば教えてください。

大山さん:「役割マネジメント」という期待役割について考える回は、自分にとって大変印象的でした。期待役割とは、組織が個人に期待している役割と、それを実現するために必要な要件のことです。

▼期待役割定義とは
期待役割とは、「組織やチームが、個人に期待している役割」のことです。
チームが目指す目標や成果に対して、チームメンバーに「どのように頑張ってほしいか」を役割や具体的な成果、さらに成果を実現するための要件について、メンバーそれぞれに言語化します。

弊社には年に2回、個人の目標設定を行うタイミングがあります。これまでの私は、自分ができそうなことを目標に置いてしまっていました。しかし、研修で期待役割という考え方を知り、チーム内の期待役割を意識したうえで目標設定する大事さを学びました。私の考えは改める必要があるな、と気づきました。

また、「2つ上の役職の視点で見ること」も教わりました。自分より2つ上の階層から見たときに、自分にどんな役割が期待されるかなんて、これまで考えたこともありませんでした。

ーーー ご自身の期待役割について、実際に言語化する機会はありましたか?

大山さん:はい。プログラムの中で上司へ期待役割をヒアリングしてくるという課題があり、会社に持ち帰って当時の上司に研修での学びを共有し、自身の期待役割について知りたいと相談しました。そこで部署のミッションを整理し、そこから落とし込んだ部署の役割や自分の役割について話し合えたのは、とても貴重な経験でした。

上司と話をすり合わせる中で、自分が本当にやるべきことが見えてきました。また、それまでは自分に期待される役割が明示されていないことを言い訳にしていた節もありました。しかし、期待役割がわからない場合でも、自分から景色合わせをしにいく必要があると感じました。

ーーー 研修での学びを上司との対話につなげ、さまざまな気づきを得たのですね。

大山さん:上司はとても理解があり、役割マネジメントの大切さに賛同してくれました。そして、研修で学んだ内容や自分たちのチームとしての期待役割を、課のメンバーに共有する時間を取ってくれました。

研修の中でチームメンバーと共通認識を持つことが大事だと何度も何度も聞いていましたので、実際に課のメンバーと共有できたことは非常に良い経験でした。

ーーー 『次世代リーダー育成プログラムは複数の企業から次世代を担う社員が集い、共に学ぶスタイルが特長です。多種多様な人と学ぶ体験はいかがでしたか?

大山さん:同じ組織にずっといると、言わなくてもある程度伝わることがあったり、同じ考え方の人が増えていってしまうと感じています。そのため、今回の研修でいろんな会社の方とご一緒し、まったく違う視点や考え方に触れることができたことは、とても貴重な経験でした。例えば、製造業の方のコスト管理の意識は、私にとっては大変新鮮で、勉強になりました。

また、初めて会う方たちとディスカッションする中で、日々、対話の重要性を感じていました。それまでは、自分の意見の背景をあまり伝えずにポンと話して、あとはくみ取ってほしいという感覚が自分の中にあったと思います。逆に、相手の発言に対しても、その意図や背景を確認せずに言葉を受け取ってしまっていました。

しかし、多様な人と学ぶ研修を通して、お互いに見ている景色は違うということを知りました。以来、自分の発言に対しても、相手の発言に対しても、意図や背景を伝えたり聞いたりすることで解像度を上げていくようにしています。

例えば、これまではチームメンバーに「この仕事は終わった?」と状況確認だけで済ませていたのを、「私はこの時期までにこれを終わらせたいと思っているけど、この仕事ってどんな状況?」というふうに、自分の進捗や意図と合わせて問いかけることで、推察の応酬を防ぐようになりました。

<今後への期待>1人ひとり”違う”からこそ、面白い。多様性をチームの強みにしたい

ーーー 大山さんは『次世代リーダー育成プログラムで学んだことを、今後どのように仕事やキャリアに活かしていきたいとお考えですか?

大山さん:2つあります。1つは、対話を大切にする人でありたいと思っています。

研修の中で「結局、物事がスムーズに進まないのって、日常のコミュニケーションが不足しているからだよね。やっぱり、日ごろからの対話が必要だよね」という結論にたどり着くことがあり、まさしくその通りだなと思っています。会社としても心理的安全性の高い組織を作りたいと考えているため、普段から報連相(ほうれんそう)レベルというよりは雑談レベルで気軽に対話でき、素早く動けるような組織を目指していきたいと感じています。

もう1つは、1人ひとりの強みや個性を掛け合わせてチームのパフォーマンスを最大化することを心掛けたいと思っています。メンバーの中にはチームを引っ張るタイプの人もいれば、新卒で入って1年目という人もいます。違うバックグラウンドの人たちの意見を合わせにいくのではなく、「違うからこそ面白い」というような視点を持って仕事に取り組んでいけたらと思います。

ーーー 4月から異動されたとお聞きしましたが、新しいお仕事で具体的に活かせているなと感じる点はありますか?

大山さん:今いる人財育成課には、実は静岡鉄道のメンバーだけでなく、社外から人事交流で来てくれている方もいるんです。そのため、研修企画について伝えるときは、当社が研修で何を求めているのか、なぜその研修を行うのかといった背景や目的をきっちり伝えるように心掛けています。

ーーー 対話を実践されているのですね!大山さんは研修で得た個人の学びを活かして上司と対話し、さらにチーム運営にも影響を与えられています。研修を組織づくりに活かしてほしいという私たちの願い通りの実践をしてくださったのは、とても嬉しいです。大山さん、本日は、ありがとうございました。

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