【不登園記録#13】3歳6ヶ月、保育園お休み1ヶ月目。3歳児検診で他の子と比べる
公教育(保育)について、我が子を受け入れてくれないと批判的に嘆いていた。
すると夫が、「普通があるから特別もあるんだよ。」
「その普通を維持しているのが公的なものじゃない?」と言う。
確かに。20年30年前と教育現場は変わらないと批判的に思っていた。でも変わらないことで社会や子どもの変化と比較しやすい側面もある。
物差しのようなものか。
基準となるものがあるから、それと照らし合わせて位置を知ることができる。
その先の選択肢は自分で選ぶ必要はある。
どんなニーズも公的なもので賄って欲しいと思っていた。
それが公平な社会に繋がるとも思っていた。
でも選択肢が増え続ける今においては、見方を変えていっても良いのかもしれない。
◇ 3歳半検診での確信
2歳半検診をすっかり忘れていたので、行政の行う集団診査は1歳半ぶりだった。
最初の受付では書類と尿検査の処理をする。ここには20~25組程の親子がいた。
そこから2つの部屋を移動しながら3歳半検診は進んでいく。
この機会で初めて、彼と月齢が全く同じ子たちを見ることになった。
集まる子達の背格好は、成長曲線の幅を表したように、大きい子もいれば小さい子もいる。
彼の身長はど真ん中。体重は一番下ギリギリのほっそりした体格だ。
幼稚園帰りで制服を着ている子も数名いて、保育園児よりもなんとなくお姉さんお兄さんに見えた。
ちなみにお父さんと来ている家庭も20%くらい居た。パパの育児参加に、勝手に心の中でイイぞ!と思う。
3歳半の子たちはみんな自分で歩いていた。
兄弟児を連れている家庭もあって、1,2歳の子たちも靴を履いて、自分で歩いている。
一方の彼は、ずっと抱っこだった。
抱っこをしているときに、私の腰と彼の靴があたって脱げそうになった。
「ダメだよ!ママのせいだよ!僕の足とママのお尻があたったんだよ!!」
不安でストレスが強いと攻撃性が増すのか。
かわいそうだ。と思いながら落ち着かせる。
待ち時間が20,30分と経過すると、少しずつ疲れてきて椅子の上に座った親の上に抱っこされる子が3,4組と増えてきた。
彼は「なんでまだ僕の番こないの?今何番になった?」とずっと気にしている。
数字が最近好きだから、今は何番だよ。多分あと何番目だね。と声をかける。
アンパンマンやジブリのエプロンをつけた保健師さんたちが、8人体制で忙しく聞き取りをこなしていた。
親子への聞き取りが終わると、受付番号が入ったファイルを棚から取っていき、待合室にいる親子に、次は〇番の方どうぞ〜と呼ぶ。
私達の番を待ちながら、「名前を聞かれたら答えてね。」と彼に言う。
「嫌だ。」とすでに拒否をされる。
他の子達は、親と子ども用に並べられた椅子に隣同士に座り、机越しの保健師さんの質問に子どもは受け答えしている。
順番を待っている間に、彼の疲れはピークに達していた。
私達の順番が来る頃には、私が抱っこして立ったままゆらゆらとしないと、その場には居られない程になっていた。
2つ並んだ大人用の椅子の横に、私は立ち彼を抱っこして保健師さんと話をした。
◇ 目が合わない
彼は保健師さんと一度も目を合わせなかった。
ここ最近は、家族以外の大人と目が合わなくなってきている。
0〜3歳ごろまでそんなことはなかった。
3歳児半検診で行う、聞き取りも全てペケが付いた。(そもそも聞き取りができる状況ではなくて、実施されなかった。)
保健師さんからは生育歴や育児での困り事などのヒアリングを受けた。
最後に心理相談を勧められた。
そのまま心理相談の個室へ行く。
そこには2組が心理相談を受けられるようになっていて一日4,5組までが可能な枠があった。
心理士さんが、遠城寺式乳幼児分析的発達検査を実施してくれた。
「運動」「社会性」「言語」の発達の程度の差を把握できる。
積み木やクレヨン、イラスト紙を活用しながら、日常生活のヒアリングも親に対して行われて1時間ほどで終わった。
結果はだいぶ高低差が出ていた。
やってよかったと思った。
私の違和感の正体を他の人と共有できる指標が見つかった。と思った。
それまでは、だいぶ孤独だった。
この違和感をなかなか周りと共有ができないし。
かと言って何かしらの診断名をつけることで我が子にラベルを貼りたいのか?と自問したこともあった。
でも、身長体重を測るように成長段階の記録として付ければ良いし、その数値を見て何か本人の困りに対して大人ができることがあれば援助したら良いだけだった。
一番良かったのは、私が運動や社会性、言語についての2歳〜4歳半頃までの発達ラインを知れたことだった。
例えば、視力に左右差があると疲れるのと同じように、それぞれの発達にも差があると日常生活の中で、疲れやストレスが蓄積されると思えた。
だから、その差を認識できて良かった。
その後は、身長体重計測があった。
ここではパンツ一丁にならないといけない。
8割くらいの子は何も思わずスッと脱ぐ。
でも嫌な子は泣いて訴える。親は怒鳴りながら無理矢理脱がす。
私も心理相談をしていなければ同じようにしていた。
だって皆んなが当たり前にできていることに、いちいち突っかかる我が子への理解ができないと、イラつくのだ。
私は、着衣でいいですか?と聞いた。
すんなりOKが出て、着衣で〇〇kgと母子手帳には記録されてすっと終わった。
怒られる必要も、怒る必要も、できないんだと自信をなくす必要もないんだ。
結局3歳半検診が全部終わったのは2時間半後だった。
最後まで、縦抱っこは我が家一組だけ。
彼は自分の理解ができない場にいるのは、すごく不安でストレスがかかる。
何を話されているのか、わからない場面も苦手。
今はそういう時期なんだね。とそのままを一旦受け止めて帰路につく。
◇ 家に帰ってからの彼の様子
帰り道、コンビニに寄った。たべっ子動物のホワイトチョコソースでコーティングされたお菓子をご褒美に買った。
車の中で食べて、玄関に着くと「ゴミ捨て日和だよね〜」と言いながら手に持っていた箱のゴミを廊下にポイッと捨てる。
その後、廊下を歩き進みながら「日和っていうのは、洗濯日和とかにんじん日和とか、お誕生日日和とか、なんとか日和って使うんだよね〜」と話し続けた。
ポイ捨てしたのを注意する暇も与えずに、話していて面白くてつい笑ってしまった。
私もだいぶ疲れた3歳児半検診は、家の廊下に着く頃には、フッと肩の力が抜けて、またいつもの日常に戻っていった。
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