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【不登園記録#5】3歳5ヶ月登園拒否。保育園の先生との面談、外部とのつながり

世の中は利害や損得が組み込まれたシステムだ。
その立場にいるから言う事、言えない事。社会的に求められた振る舞いがある。

相談する相手は、自分が何を求めているのか把握しながら選ばないといけない。もしくは相手の背景(ポジション)を差し引いて聞かなければいけない。

でも弱っている時ほど、私は自分を否定する意見に傾いてしまう。



◇ 彼の様子

保育園の帰り道、「車のハンドルは両手で握って!危ないから。」と言われる。道にもこだわりが出ていた。その道は細いから左に曲がって!と。近道をさせてもらえない。
朝から夜寝るまで不安に包まれているようだった。

YouTubeだって、今までは関連動画から初めての動画も興味を持ってたくさん見ていた。ここ最近はパウ・パトロールを永遠に繰り返している。
他の動画や遊びに誘うと小さな癇癪が起きる。画面を見ている時、身体は硬く無表情だ。

単調で明るいパウ・パトロールを横で一緒に見ていた。私の頭はなんだかおかしくなりそうだった。

大好きな屈託のない笑顔は消えていき、ユーモアさも無くなった。

このまま彼の「行きたくない。」という発信を、全力で無視し続けたらどうなってしまうのだろう。
きっと、これまで築きあげてきた親子の信頼関係も崩れてしまうのではないか。

今は言葉で『行きたくない!』と言えている。それを無視し続けたら、きっと言葉以外の手段を取るしかなくなる。もしくは殻にこもって心を閉ざしてしまう気がした。

どうだろうか、もう、私も彼も頑張り尽くしたのではないか。

そろそろブレーキを踏んでもよいくらいには、色々やったよね。努力したけど、無理だった。という痕跡は残せた、はず。

◇    面談

先生にお願いをして、お迎えの前に少し時間をもらった。

個室に通された。子ども用の小さな椅子に、小さなテーブルを挟んでお尻をはみ出しながら腰掛ける。
先生はノートを広げて細かくメモを取りながら真剣に聞いてくれた。

私は園での様子を聞きたかった。でも、ほとんどが家庭での様子の聞き取りとなってしまった。

最後に聞いてみた。「先生、これまでたくさんのお子さんを見てきた中で、うちの子はどんなことが課題だと思いますか?発達に問題がありそうか他の子と比べてを知りたくて。」と言うと

「お母さん。すみません専門家ではないので、そういった質問へのお答えはできないんです」と言われる。

ああそうか。先生の立場からは発達に課題があるとかの助言はできないんだっけな。聞き方を間違えた。

「うちの子はどんな事に集団の中で困っていますか?」と聞けばよかった。その時は先生と向かい合って話す緊張感で、頭が回らなかった。

聞きたいことはあまり聞けずに、先生からは保育園では楽しく過ごせていること。でも朝の大変さを少しでも軽減できるように一緒に考えていきましょう。という締めくくりで終わった。

多分、この相談はあと2ヶ月は早くすべきだった。いまさら一緒に考えてもらえても、私の心はもう折れているのです。先生、お時間をもらったのにごめんなさい。

◇ 子育て広場

次の日、保育園にお迎えに行く途中に知らない番号から着信があった。

出ると、以前電話相談窓口に相談した際に教えてもらった子どもの発達を見てもらえる病院からの電話だった。

看護師さんから1ヶ月半後の予約日時を伝えられた。
でも、そんなの待てなかった。子育てについて専門家へ相談するのはこんなにも列ができているのかと、痛感した。辛いと思ってから問い合わせをするのでは遅い。なんかおかしい。くらいで相談を始めるべきだった。

「あの、どこかその間に繋がれる場所はありませんか?」と聞いた。

するとその病院の近くに、平日0歳〜3歳向けの親子のための子育て広場があると言われた。

日替わりで専門家(作業療法士や小児の看護師、言語聴覚士)などが常駐しているとのことだった。そこに私も火曜日にいるから良かったら来てください。と言われる。

ホッとした。次の日は木曜日だったが行ってみることにした。

保育園と仕事をお休みして、子どもと一緒にスーパーでお昼ご飯を買って子育て広場へ向かった。

初めての場所が嫌いな彼。事前にHPの写真を見せて、ママの相談をするために行かせて欲しいと頭を下げる。

仕方なく付き合うかという態度で歩かない。抱っこされて連れて行かれる。

3階建ての築浅のアパート1階部分がスペースになっている。3組の親子がいた。小さな机と小さな椅子が出ていて、座ってみんなお昼を食べている。

初めての場所に固まって、彼はご飯を食べるどころではない。

職員さんが直ぐに好きなおもちゃを聞いてくれて、乗り物が入った箱を出してくれた。

小上がりに上がらせてもらって私が壁となり遊ぶ。私は20%OFFのラベルが貼られたパッタイを急いで食べる。

職員さんが話しかけてくれた。この日は作業療法士さんだった。お子さんが3人いてもう中学生と高校生。

色々と話した。優しく聞いてくれた。泣きながら話した。既にいる3組は常連さんのようで、新参者が泣いていても気にせず過ごしてくれる。

「お母さん、頑張りすぎちゃったね。一旦休もうか」と言われる。「お母さんがさ、好きなことやって一旦リフレッシュしてみよう。お母さんが笑顔でいることが子どもの幸せだから」と言われた。

私はそれを聴きながら、んーん。それも今の私にはプレッシャーです。と思っていた。

母が笑ってなくても、子は自由に楽しく過ごして欲しい。こっちを構わないで欲しい。そんなに敏感でいないで!!!

あぁ。私は自分が笑顔になることをやってみよう。という余裕も気力も、もう無かったのかこれはダメだ。と思って悔しくて、また泣く。

でもこの子育て広場で初めて会った作業療法士さんから、休んでいいよ。保育園、本人が行きたくないって言ってるならさ、もう頑張らなくていいよ。と明確に言ってもらえたことは大きな勇気になった。



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