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「今日から俺、チェンナイの人になる。のこのこと来ちまったけど。」

2015年7月23日。

僕は父親と一緒に成田空港にいた。

そう。いよいよ終わりの見えないインドでの挑戦、スタートの日。日本での最後の晩餐はうなぎ。もちろん親父のおごり。うん。だって作家時代もお金なかったもん。

クソうめえ日本の“タレ”をカキコミ、まだ乗り方も覚束ない飛行機へ乗り込む。後にも先にもこの一度きりだったのだが、シンガポールまでのフライトはANA。全日空。ヤッホイ。当時はそこまでありがたみ感じてなかったけど。

機内では、長渕剛の桜島オールナイトライブの映像があったのでかぶりついて見ていた。高校時代からずっと好きで、いつも挫けそうな時、挫けた時は長渕に立ち直らせてもらっていた。

「だからまっすぐ、まっすぐ、もっと真直ぐ生きてぇ」 

(Myself)

「くよくよするなよ、諦めないで、Just like a boy」

(STAY DREAM)

無骨な漢らしさ。そんなまっすぐな歌詞と歌声が僕を奮い立たせてくれる。


「今日から俺、東京の人になる。のこのこと来ちまったけど」

(東京青春朝焼物語)

これに関しては完全に「東京」を「チェンナイ」に置き換えて聴いてた。


そんなこんなで翌日、チェンナイ空港に到着。空港の外に出ると、インドに行かない方の社長(開店一週間くらいだけ居た)と出資者と名乗る男性(後々めちゃくちゃお世話になる)が迎えにきてくれていた。チェンナイに着いて迎えにきてもらっていたのは後にも先にもこれっきりで(いや、一回秋元社長が迎えきてくれたかも)、あとは僕が迎えに行くことばかりだった。今では完全にチェンナイの住人となっている。

そんな2人と初めましての挨拶をして車に乗り込んだ。

ちなみに到着時はテボ(湯切りする網のやつ)を持ち「麺尾切蔵」シャツで登場。

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