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人生初の連載コラムは月刊Chalo in INDIA

 色々な災難が秋平を襲った2016年の年の瀬。しかし、悪い話ばかりではない。もともと日本では作家業を嗜んでいたこともあり、インド在住者の中では知らない人はいない「月刊Chalo」という日本語フリーペーパーにて、コラムを書かせていただくことになった。その情報誌のチェンナイ担当の方と友達になり、編集長をご紹介いただいた、というイキサツ。

 秋平の宣伝を載せてもらう代わりにコラムを執筆する、という編集長の粋な計らいで2016年12月号から連載開始。全部で23回(約2年)も続けさせていただいた。嬉しかったし、楽しかった。

 Chaloさん(特に編集長さん)には、色々な面(本当に色々な面)でお世話になり、僕のインド生活を彩る上では欠かせない存在だった。僕の都合で、今現在は連載は休止しているのだが、きっとまたどこかで書かせてもらうことになると思う。

 こちらが、僕のコラムが初めて掲載された時の12月号。作家業を嗜んでいたとはいえ、書き物で生計を立てていたわけではなく、飲み会で仕事をゲットしていたタイプの作家なので(なんだそのタイプ)、このように連載を持たせてもらうことは初めてだった。人生初の連載が「インド」。なんとも希有な存在である。

 ここでは、その記念すべき第一回の連載を掲載させていただく。めちゃくちゃ恥ずかしいが、全く加筆修正せずに載せる。ちょっと読み返したが、色々色々直したいところがある。しかし敢えて、そのままお届け。

 はじめまして。まずは自己紹介から。チェンナイで「GO」じゃない方のラーメン屋の店長をする26歳男。今月から、光栄な事に月刊Chaloさんでコラムを書かせていただくことに。どうぞ他のページを熟読後、少しでも時間が余っていたら読んでいただければ。
 ところで皆さんは、必ず絶対確実にマストで感じているであろう『インド生活でのストレスや鬱憤』ってどうやって発散しているだろうか?僕は『文章にして発散する』という方法を採っている。せめて誰かが僕の文章を読んで「クスッ」と笑ってくれれば「僕のイライラも無駄じゃなかった!」と思える。ちなみに、インドに来てから抜け毛の量が尋常じゃない。
 こんなことを書いている間にもイライラすることは立て続けに起こっている。うちで働く従業員はサブマネージャーと掃除婦を除いて、全員アッサム出身。そんな彼らの総称はアッサムズ。そして彼らは『おバカ』である。語弊がないように言っておくが、これは何か比喩しているとかそういうんじゃない。本当に『おバカ』なのだ。

 ちょ、一旦止めさせてくれ。『「GO」じゃない方のラーメン屋』ってのは、当時チェンナイに《GOGO RAMEN》というラーメン屋があったから、そこの店長ではないぞ〜というボケ自己紹介である。訳わからんこと言ってるみたいだけど、チェンナイ在住者には絶対に伝わっているであろう言葉なので悪しからずだ。
 ただ、「必ず絶対確実にマストで」ってなんだ。“同じ言葉を繰り返し書く”ってボケなんだとは思うのだが、それにしても語呂が悪い。もっと考えて書いて欲しい(当時はめちゃくちゃ考えて書いた)。

 最近入ってきた新人・ミナくん。彼は「1年ほど他のレストランで働いていた経験あり!ドヤッ!」と、超自信満々の鳴り物入りドンドンッパフパフッてな感じで加入。「ほう。どれほどのモンか見せてもらおうか。」と、彼の仕事ぶりを観察することに。この時点で僕は、彼の言っていることを全く信用していないのは言うまでもない。
 インド人のお客様がベジ餃子を注文。醤油とお酢とラー油はデフォルトで添えているのだが、それでは御客様の御舌が御満足いかなかったようで、ミナに「トマトケチャップはあるかいね?」と尋ねた。するとミナは「トマトケチャップすか?そ~っすねえ。あるんすかね~。ん~どうでしょう~」とその場で悩みだした。
いやいやいやいやいやいや!聞けよ!誰かに!探せよ!自分で!冷蔵庫の中とか!!調味料置き場とか!!その場でお客さんと一緒に「ん~どうでしょう~?」って往年の長嶋茂雄か!無意味な待ち時間10秒、お客さんにお返ししなさい!!

 「往年の長嶋茂雄か」…なるほど。お前…“往年”って言葉を使いたかっただけだな?実際どういう意味だかわかってないな!?しっかりしろ、このなんちゃって作家!

こんなに汚い言葉を遣ってしまったので打ち切りの可能性もありますが、もし次回があれば、またお会いしましょう。

 自覚があるなら直せっての。実際、数回この調子で連載してもらったあとに、クレームが入ったらしい。本当に申し訳ない。そこからはかなり大人しくやらせてもらった。成長である。

 僕の連載は休止したが、他にも面白い連載を執筆されてる作家さんは数多くいる。さらにChaloさんは、今年で創刊8周年。一月の新年号には安倍首相からのコメントが掲載されるなど、日本とインドを繋ぐ重要な役割を担っている。インド在住者はぜひとも手にとってみて欲しい。




See you next No Joke....


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