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福井の小さな設計事務所。自然の中に佇むような建築が好きです。 自然を感じられる空間や、…

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福井の小さな設計事務所。自然の中に佇むような建築が好きです。 自然を感じられる空間や、野性味のある素材などに興味を持っています。 野路建築設計事務所http://noji-aa.com/

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はじめまして 住宅を設計しています

私は福井県の田舎町で主に木造住宅の設計をしています。 自然の中で「素朴」で「素直」な「素材を生かした」住宅を、美しく作りたいなと日々腕を磨いています。 そして住む人に毎日心地よく、長く過ごしてもらえる空間となるように提案しています。 そこには大きく分けて3つの要素があり、それぞれ『静』『動』『感』と言えるでしょうか。 『静』ー心が豊かになれる空間 『動』ー適切なゾーニング 『感』ー時が経っても美しくあること 『心が豊かになれる空間』 人間は自然の環境と調和して生活できるの

    • 2022.11.12 鴨川建築塾 藤井章先生

      心地よい建築を考え続けた日本を代表する建築家『吉村順三』(写真)。今回の講師は藤井章先生。吉村順三設計事務所出身の建築家です。吉村先生とのやり取りの中で得た設計作法のようなものを聞かせてくださいました。 具体的には、アプローチは見せ方や隠し方を工夫して狭い空間でも雰囲気をつくること。階段を利用した空間の見せ方、トイレの出入り口の考え方、食卓の在り方など。それ以外にも浴室の考え方や、間取りは回れる動線を複数重ねることなどなど。 最後に照明について面白い話がありました。 あ

      • 無作為と作為

        京都で『正伝寺』や『蓮華寺』を訪れました。 『正伝寺』の庭は、白砂や白壁の中に緑が鮮やかな島が散りばめられています。その背景にはモミジや桜があり、さらに遠景には比叡山がどっしりと存在しています。この景色を濡れ縁から全景を眺めるのも美しいのですが、一歩引いた部屋の中に座り建具に切り取られたフレーム越しに見る景色も何とも言えず美しい。 『蓮華寺』の庭は、池泉回遊式庭園。池の周囲をモミジが覆い、背景には濃い緑の山が迫っています。こちらも均一に建つ柱越しに見える水面や石組、その背

        • 2022.10.21 多摩川建築塾 『スミレアオイハウス』

          今回の講師は萩原修さん・葵さん親子です。おふたりは増沢洵さんの自邸「最小限住宅」のリメイクとして設計された小泉誠さん設計の『9坪ハウス』オーナーです。 『9坪ハウス』というのは家族が住むのに最低限必要な機能と空間を工夫して設計され、住人も知恵を出しながら暮らすという「最小限住宅」です。いままで何人もの建築家がこの「9坪ハウス」に挑戦し、いくつものモデルが実現しています。 そんな萩原さん親子が暮らした住宅が、今は葵さんが管理するゲストハウス『スミレアオイハウス』として活躍し

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        はじめまして 住宅を設計しています

          『久々子の家』着工しました

          ずいぶんと日数を費やしてしまいましたが、ようやく着工です。丁張は前日までに施工会社さんが設置してくれていたのでその高さを確認です。なんと言っても今回は勾配のある敷地に基礎レベルを3段階に分けての施工なので、高さの設定がシビアです。 そして掘削は「埋蔵文化財」の指定により行政の担当官が立会です。 ちなみに「国指定名勝」区域内のための許可に3ヶ月ほど費やしてしまい、準防火地域の消防同意にも2週間ほどかかってしまいました。 のどかな場所とは裏腹に、かなり法律に守られた?地域で

          『久々子の家』着工しました

          『百尺の平屋』撮影しました

          撮影の時はなんだか客観的に建物と向き合える気がします。工事中は細かい部分に目が行きがちですが、こうやって竣工した建物を一歩引いた位置から見ると素直に見ることができるようです。 「いい建物になったなぁ」(←自画自賛)なんて、しばし悦に浸ってみたり。。。 今年の春に建物が竣工してから造園を終えて3か月、やっと庭の緑の雰囲気も元気が増してきたので撮影することにしました。なにせ建主家族の素敵なセンスがあふれているので、飾りつけも片付けもほとんどそのままカメラマンさんにおまかせです

          『百尺の平屋』撮影しました

          2022.09.10 鴨川建築塾 『構造』と『温熱』の演習

          今回の建築塾は『構造』と『温熱』の住宅二大性能についてです。この日は解説や講評の量が多いので終日ということと、そしてその内容がものすごく濃いということもあり、一日中脳みそがフル回転でした。ただその分、とっても勉強になりました。 午前中は『ヤマベの木構造』の著者である山辺豊彦先生です。何度も講義は受けているのですが、その都度大切なことを再確認でき毎回気が引き締まります。今回も梁の掛け方によるたわみ量の注意点や、屋根垂木の軒先の工夫、筋交の方向など、実際の計画や現場と照らし合わ

          2022.09.10 鴨川建築塾 『構造』と『温熱』の演習

          薪ストーブ店『HYGGE』 撮影しました

          今回はいつもとカメラマンさんが違い、施工会社さん紹介のカメラマンさんです。以前から名前は知っていたのですが、初めてお会いしました。フットワークが軽く楽しいカメラマンさんでした。 撮影の前に写真写りが良くなるように小物や家具配置などの準備をするのですが、いつもは住宅が多い中、今回は店舗という事で戸惑いました。しかも営業もされているので内部には商品や在庫がいっぱい。それでもオーナー様に了解をいただきながら、できるだけ商品の雰囲気と建物の良さを生かせるようにレイアウト。そして扱っ

          薪ストーブ店『HYGGE』 撮影しました

          磯崎新の建築

          2年位前になるだろうか。知人から住宅改修の話をいただいた。ただ話の内容が少し変わっていた。少しではないか、、、かなり特殊案件だった。なにせその建築は世界的建築家 Arata Isozaki の設計だったからだ。初めて建設会社の社長と現地を訪れ、建築の表現力というか存在感に圧倒されたのを思い出す。 経緯は省くとして、設計や施工の時点では僕の手を離れていたが、工事も無事終了したので一緒に見に行きましょうと、その時の建設会社の社長さんが声を掛けてくださった。 一目見て施工がとて

          磯崎新の建築

          横越の家 撮影しました

          昨年末に竣工した『横越の家』の撮影に行きました。今年の春ごろから庭の樹を選び出し外構をして、少し緑がにぎやかになってきた頃合いを見ての撮影です。 ヤマボウシも実を着け、芝も青々としてきました。少しづつ施主様家族が追加した在来種の山野草もかわいらしく佇んでいます。 室内のソファーも、そばに緑があるというだけでとても心地いい。風に揺らぐ枝葉の様子が、ソファーに時間の豊かさを与えてくれているようです。 そう感じる空気感のようなものをカメラマンは「写真」という一瞬に切り取るので

          横越の家 撮影しました

          2022.08.19 多摩川建築塾

          今回の講師は山辺構造設計事務所の山辺豊彦先生。『ヤマベの木構造』という実務者向けの本で有名な先生です。 私はこれまで何度も勉強会で講義を受けたり、破壊実験などで直接お話を聞いてきました。毎回『ヤマベの木構造』の内容を細かく説明してくださるのですが、その都度「そうだった」と学びが生かされていないことに反省するのです。 そして今回もまた「そうだった」と思い起こすことがあり、反省しきり。ただ何度も何度も聞いているので『ヤマベの木構造』という本の構成も少し理解が進み、先生が繰り返し

          2022.08.19 多摩川建築塾

          平泉寺の家 施主立会い

          上棟から約1ヶ月が過ぎ床の下地も歩ける状態になっているので、施主様家族と建物内を一緒に見て歩くことにしました。 屋根の瓦も葺き終わり、外壁は下地がほぼ終わり仕上の板張りを待つ状態。内部は床の下地はあるものの、壁や天井は下地も含めまだこれから。ただ構造的な工事を終えた内部では、自分の身で空間を体感できるので、これまでの打合せとは全く違う感覚で見えていたのではないでしょうか。施主様家族や一緒に来られたご両親もみんなで空間を味わいながら、これからの暮らしを想像して盛り上がる楽しい

          平泉寺の家 施主立会い

          『思考の整理学』外山滋比古

          部屋を整理しないとなと思いながら手にした本でしたが、読んでいて頭の中が整理されていくのがわかるような面白い本。 本を読むと備忘録的にメモするのだけど、今回はほとんど丸ごとためになったので、この本はしばらく自分のそばに置いておくことに決めました。吉村順三先生の『建築は詩』に続いて2冊目。 自分がなぜそう行動しているのか、自分がこれまで選んできた道が確認できたように感じる本でした。 たとえば僕は山に登るのですが、といってもそんなに激しい登山ではなく山歩きに近いです。それでも

          『思考の整理学』外山滋比古

          メダカを飼うことに

          その辺の用水にいると思ったのですが、今はもういないのですねメダカって。 こんな田んぼだらけの田舎なのに、調べてみると絶滅危惧種だとか。 メダカがそんな状況だとは知りませんでした。 なんだかとっても残念です。 用意したメダカの住処は祖父の使っていた火鉢、水草はその辺の用水から取ってきて、タニシも裏の田んぼから拾ってきました。 主役のメダカだけが捕まえられなかったので、ペットショップで購入です。 メダカ、結構探したんですがね。 水草の中をふわふわと泳いでいるメダカを眺めている

          メダカを飼うことに

          暑さをしのぐ方法

          言いたいくないけど、ついつい口からこぼれてしまいます。 「暑い・・・」 エアコンで室内を冷やすのもいいのですが、たまには自然の冷涼を感じたいところです。思いつくのは水遊びですね。そこで近くにある滝に行ってきました。一乗滝というところです。 少し離れた駐車場に車を停め滝に向かって歩いていくのですが、滝の音が近づくにつれて気温が下がっていくのを感じます。滝の下につく頃には体感温度が10℃くらい下がっている感覚です。滝壺からあふれ出る流れに足をつけておくと、すぐに足の感覚がな

          暑さをしのぐ方法

          夏の風通し

          夏休みの日曜日。早起きしてきた長男と居間でのんびりしていました。天気もいいのでちょっとデッキの掃出し窓を開けてみると、案外気持ちいい。 そこでエアコンを切って、家中の窓を全開にしてみました。エアコンの風とは違う心地いいそよ風が、一瞬で家の中を通り抜けていきます。まだ朝の6時前だったので気温も上がっていないし、太陽も高くないので日影も多く地面自体も温められていないようです。 日中はエアコンがなければ危険なほど暑いですが、日の出頃の時間までなら、風通しが良ければ心地よく過ごせ

          夏の風通し