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七不思議の寺

600年前に開山されたといわれる寺の七不思議伝説を調査しました。

1 周囲を田に囲まれながら、境内ではカエルの鳴き声がしない。
  ⇒調査の日は、確かに聞こえませんでした。
2 雨天でも軒端の雨だれ音がしない。⇒?(調査の日は晴天でした)
3 予言をする白狐が棲んでいる。
  ⇒見事な大木の桂があり、そこには「大桂稲荷」というお社があります。予言の白狐は、ここに棲んでいると思われます。
4 冬でも蚊が出る。⇒?(調査の日は夏でした)
5 和尚が亡くなると、池から墓石が現れる。
  ⇒墓石が現れたであろう池は確認しました。
6 清水が欲しいときは、どこを掘っても水が湧く。
  ⇒その伝えの証であるような石碑(上記の画像)を確認しました。
7 しかし、柱穴を掘るときは無用な水が湧かない。
  ⇒?(掘ってみないことには何ともいえません)

七不思議の伝わる寺社は、岩手県には多数見られますが、宮城県では(私の知るかぎりでは)登米市の柳津虚空蔵尊とここの二つです。なので「おおっ!」と思って行ってみました。
大変良い雰囲気のお寺で、桂の大木も見ものです。
現地調査でわかったことは、この寺が七北田川の河岸段丘、つまり崖沿いにあるということでした。そのため、泉ヶ岳からの伏流水が豊富に湧くのです。古の人々にとって、清水が湧く場所というのは、ありがたいと同時に不思議な場所でもあったことでしょう。そこから「七不思議」へと展開されたと考えられます。【満興寺(仙台市泉区)】 参考資料『泉市史』

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