当地の地域NOGの活況に考えること

もう先週のことになりますが、地元、北海道・東北地域のNOG(ネットワークオペレーターズグループ)のオフライン会合に参加し、たいへん活況なのだということを実感してきました。直近の展望も明るく前向きで、関係者のみなさんが、平たく言えば「元気」だったのが印象的でした。こういうと何ですがこれくらい「やることあって忙しいよ」とイキイキしているのは十年ぶりくらいに見ました。
何がそうさせているのかは、比較的明確で「北回り回線」と「北海道データセンター誘致」です。
いずれも北海道ニュートピアデータセンター研究会の活動範囲のお話しですね。
当然ここには行政・地方自治体が主体的に関わっていて、いわゆる「オール北海道」な立て付けになっています。
さて、その「オール」に地元のソフトウェア産業はどのように関与しているでしょうか。

日本のNOGというものは1997年に始まっています。名称の通りであれば「通信設備運営事業者の集まり」もしくは「通信事業者の技術従業員の集まり」です。ほぼ発足当時からこのコミュニティを見続けてきた記憶から言えば「事業者(企業)団体」であったことはないのでほぼ「後者」です。そして「通信業」のなかでもほぼ「インターネット」限定といってもよく、その故に「ソフトウェア」屋の集まりでした。
「ソフトウェアオペレータ(利用者)」であるか「ソフトウェアデベロッパー」であるか。ソフトウェアデベロッパーの”ほとんど”は「アプライアンス(通信機器)ベンダーの」と想像される方が多いでしょう。そうした方々が必然的におられるのは間違いないのです。そこの話題はまたあとで触れます。
まず「NOGは、よくよく考えたら”ソフトウェア関係者”の集まり」というところが重要です。
一方、これは私見ですが、地方NOGになるほど「事業者団体」の性格が強くなるように思います。地方の通信業界のシンプルさが現われているでしょうか。
あ、あらかじめ「例外」は示しておかねば怒られますね、”新潟(ENOG)”は例外です。
さて。ソフトウェア産業との重層的な関係性、厚みのようなものは中央(東京)、あるいは米国・中国といったところの資源を頼りにしている、とも言えるかもしれません。
この「構図」はどういう課題を内包しているでしょうか。
私が創業以来感じていたもどかしさ、言い換えると「地方にあって、ほとんど東京との仕事」という状況は、ここのところ、この「構図」に起因していたのでは?と考えています。
「地方の通信事業者」またその「オペレータ」にはソフトウェアデベロッパーと協業する動機はないのでしょうか。あるいはそういう動機があったとしても、「重層的な構造」を持っている”東京”の資源を利用しているのでしょうか。
私の感触からすると、いずれも YES です。
日本のNOG発足以来四半世紀余、当地での「通信事業とソフトウェア屋」との距離は近づいていない。それで良いのかもしれませんが、個人的には残念に思っています。

当社のような存在も東京と仕事をしていれば事業は成り立ちますしむしろ事業目的のために不可欠と言って良いのですけれど、ですがやはり「地元には貢献したい」のです。
地元への貢献、には前述したような「重層的で豊かなエコシステム(産業構造)」も含まれます。なぜならそれが「植民地的経済」の対極側の姿に思われるから、です。
では、「通信事業とソフトウェア屋の距離」、言い換えれば「通信業の、ソフトウェアに対する需要(動機)」とは何でしょうか。
そこが重要ですよね。そして、それをなぜ「通信事業者」ではなく「ソフトウェア屋」側が論じるのか。まぁ、もうご存じの方はご存じだと思うので、今日はこのへんにしておこうと思います。機を改めてまた。

あ、ちなみに当社は「通信事業者」でもあります、とは申し添えておきます(笑)。

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