降水確率
美しかった。
雨に濡れた世界が美しくて傘を差すことを忘れた夜。
わたしは雨に映し出された世界の中に溶けてしまいたかったんだよ。
世界がいくつにも重なるパラレルワールド。
無駄な光なんてなかったんだと思い知らされる。
きみの涙だって、世界を美しくするもののひとつだとわたしたちは信じていいんだ。だから、僕ら、無駄な涙なんてどこにもないんだと言い張れる。
滲む世界の灯りに。
全てが包み込まれる瞬間に。
やっと僕ら、本音で生きていけるのかもしれない。
心の瞬間の共鳴にぼくは文字をそっと添える。無力な言葉に抗って、きみと、ぼくと、せかい。応援してくれる方、サポートしてくれたら嬉しいです……お願いします